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SCE、PlayStation 4本体を初披露。価格は399ドル

4ブロックの新デザインでBD搭載、2.8kg

PlayStation 4

 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は11日、ゲーム関連の大規模カンファレンス「E3 2013」のプレスカンファレンスで、次世代コンピュータエンタテインメントシステム「PlayStation 4」(PS4/プレイステーション 4)を披露した。価格も米国で399ドルと発表された。

 2月にハードウェアスペックやサービスの概要を発表していたが、今回ハードウェアの外装や、発売予定のゲームタイトルを発表した。発売は2013年年末商戦(ホリデーシーズン)で、価格は米国が399ドル、英国が349ポンド、ユーロ圏が399ユーロ。日本国内に関する情報は後日改めて案内するとしている。

PlayStation 4の価格は米国で399ドル(ライブ中継から)

新デザインのPS4

 PS4では、光学ドライブから電源ブロック、冷却機構まで、小型軽量化を追求し、デザインの自由度を高めた。表面を4つのブロックに分けて、「連結部に理想的な幅を持たせて生み出した空間内に、ディスクスロット、ボタン類、電源ランプ、通風孔などを集中して配置することで、平面と直線の美しさが際立つ意匠を施した」とする。電源ボタンを押すと、本体上面に直線上に伸びる電源ランプがプレイテーションのブランドカラーである青色に淡く光り、起動を知らせる。縦置き/横置きを問わず、電源の押下やディスク出し入れを容易とし、背面のケーブルが目立たないように傾斜をつけたデザインとしている。

 SCEでは「自然に溶け込むシンプルかつモダンな造形美は、ブラックを基調とした光沢とマットのコントラストと相まって、次世代のコンピュータエンタテインメントシステムに相応しい洗練された上質感を表現している」とデザイン上の狙いを説明している。

PlayStation 4(縦置き)。4つのブロックが印象的
側面にPS4ロゴ
PS4と別売のPlayStation Camera
PlayStation 4(横置き)
横置き時の底面/上面。斜めに傾斜をもった独特のデザイン
背面にHDMIなどを装備
縦置き時の前面
縦置き時の背面
PS4側面とコントローラ
PS4側面とコントローラ、PlayStation Camera

 PS4の型番は「CUH-1000A」シリーズとなり、カラーはジェット・ブラック。外形寸法や重量も今回公表された。外形寸法は275×305×53mm(幅×奥行き×高さ)、重量は2.8kg。

 プレスカンファレンスでは、ネットワークサービスの「PSN(旧PlayStation Network)」でゲームのほか、音楽配信の「Music Unlimited」、ビデオ配信の「Video Unlimited」をPS4発売初日から展開することも発表。NetflixやAmazon Instant Video、redbox、Flixsterなどのサービスにも対応する。

PlayStation 4
PS4本体を初披露
PlayStation 4を紹介するSCE アンドリュー・ハウス社長
Flixsterに対応
PS4本体を初披露
ディスク提供のゲームはオフラインプレイでは「ネット認証不要」、「中古で売っても良い」で大歓声

PS4の基本仕様

SCEアンドリュー・ハウス社長(ライブ中継から)

 ハードウェア仕様としては、従来公表していたとおり、8つのJaguar CPUコアと次世代RadeonベースGPUからなるAMD製のメインプロセッサを搭載。GPUは物理演算など汎用的な計算処理(GPGPU)も行なえ、18のコンピュータユニットにより全体で1.84テラフロップスの演算性能を有している。メモリは8GBのGDDRメモリで帯域幅は176GB/秒。HDDやBD/DVDドライブも搭載する。BDは再生/読み出し専用で6倍速のCAV、DVDは8倍速のCAV。音楽CDには対応しない。

付属のモノラルヘッドセット

 USB 3.0ポート×2やAUXポートを装備。1000BASE-T対応のEthernetやIEEE 802.11b/g/n無線LAN、Bluetooth Ver.2.1+EDRに対応する。出力端子はHDMIとアナログAV出力、光デジタル出力。本体にはコントローラのDUALSHOCK 4と、モノラルヘッドセット、電源ケーブル、HDMIケーブル、USBケーブルが同梱される。

 「サスペンドモード」も搭載し、システムにデータを一時保存したまま、PS4本体を節電状態で待機可能となっている。これにより、再利用時にはすぐにシステム復帰可能になる。サスペンド時でもゲームのダウンロードやアップデートの実行が可能。また、ゲームプレイ時にブラウザなどの様々なアプリケーションを同時起動できるとする。

 コントローラは、タッチパッドやSHAREボタンを備えた「DUALSHOCK 4」(CUH-ZCT1)。専用カメラと組み合わせて使うことで、空間の奥行きや3次元位置を検知可能。LEDを配置したライトバーが付属する。コントローラには、スピーカーとステレオヘッドホン/マイク端子を搭載。PS4ユーザーはテレビのスピーカーだけでなく、手元のコントローラーを通じて、ゲームの効果音を楽しめる。接続はBluetooth Ver.2.1+EDR。外形寸法は162×98×52mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約210g。

DUALSHOCK 4。タッチパッドを搭載
上面
DUALSHOCK 4の背面

 また、PS4のアーキテクチャには、ソーシャル連携機能を組み込んでおり、PS4のゲームプレイを常時録画。プレイの瞬間をコントローラのSHAREボタンから共有可能で、数分間のゲームプレイ動画やスクリーンショットをFacebookなどにアップロードできる。Ustreamなどを通じて自分のゲームプレイを友人に生中継することも可能。また、FacebookアカウントとSony Entertainment Networkアカウントを紐付けることで、協力プレイやクロスゲームチャットなどでつながりを深める事ができるとする。

 モバイル端末などをPS4のディスプレイやコントローラとして利用する「セカンドスクリーン」連携も可能で、PlayStation Vita(PS Vita)やスマートフォンやタブレットなどの端末をPS4のセカンドスクリーンとして利用できる。PS Vitaを使った「リモートプレイ」では、Vitaを使ってPS4を離れた場所から操作して、ゲームプレイが行なえる。ほとんどのPS4ゲームがPS Vitaからプレイできる予定。

 また、「PlayStation App」と呼ぶアプリも提供。iPhoneやiPad、Android OS搭載のスマートフォンやタブレットにインストールして、それらの端末をPS4のセカンドスクリーンとして利用可能できる。

 コントローラのDUALSHOCKの価格は米国で59ドル。また、撮影範囲85度で720p対応の専用カメラ「PlayStation Camera」(CUH-ZEY1)もあわせて発売。北米価格は59ドル。

PlayStation Camera
DUALSHOCKとPlayStation Cameraを組み合わせて利用

PSNがネットワークサービスの名称に。PS Plusも強化

PSNロゴ

 10日のプレスカンファレンスにあわせて、ネットワークサービスの名称をPlayStation Networkから「PSN」に統一。よりシンプルで親しみやすい名称を目指したもので、新ロゴも発表している。

 また、有料会員向けのネットワークサービス「プレイステーション プラス(PS Plus)」もPS4の発売にあわせて拡充。PS4と同時発売予定のソーシャル連携レーシングゲーム「#DRIVECLUB」の基本機能の全てを利用できる「#DRIVECLUB PS Plusエディション」をフリープレイタイトルとして提供する。

PS Plus

 PS Plus会員の利用権は、日本では90日(1,300円)。PS Plus会員となることで、「オンラインマルチプレイ」と「自動パッチダウンロード」、「マルチプラットフォーム利用できるメンバーシップ」の3点が提供される。マルチプラットフォーム対応については、PS4、PS3、PS VitaのいずれもでもPS Plusを利用できるというもの。

 また、PS Plus会員向けに、Music UnlimitedとVideo Unlimitedの割引キャンペーンを16カ国で実施。米国ではMusic Unlimitedの1年間の利用料が65%引きの41.99ドルになる。ただし、日本はこれらの割引キャンペーンの対象外。

 PS4対応のゲームタイトルとしては、「Destiny」(Activision/Bungie)、「Diablo III」(Blizzard Entertainment)、「KINGDOM HEARTS III」、「FINAL FANTASY XV」(SQUARE ENIX)、「Assassin’s Creed IV Black Flag」、「Watch_Dogs」(Ubisoftt)、「NBA 2K14」(2K Sports)、「The Elder Scrolls Online」(Bethesda Games Studios)、「Mad Max」(Warner Bros. Interactive Entertainment)など110タイトル以上が発売予定。インディーズをはじめとした幅広いゲーム開発者の賛同も得て、505社に拡大しているという。

 SCEワールドワイド・スタジオでは「Killzone: Shadow Fall」、「Knack」、「inFAMOUS :2nd Son」、「#DRIVECLUB」、「The Order: 1886」など、新規12タイトルを含む30以上のタイトルを開発中。うち20タイトルはPS4の発売から1年以内に発売予定。

 また、2014年以降、北米を皮切りにGaikaiの技術を活用したクラウドゲームサービスをPSNを介して提供予定。PS4、PS3、PS Vitaユーザーは、PS3タイトルをクラウドを介してプレイできる。

(臼田勤哉)