ニュース

AK100にギャップレス再生とブースト機能が追加

アユート公開。ブーストONでAK120と比較。UI刷新

ファームアップしたAK100

 アユートは27日、iriver Astell&Kernブランドのハイレゾ対応プレーヤー「AK100」向けの新ファームウェア「2.01」を公開した。ギャップレス再生に対応するほか、ヘッドフォン出力を3dBブーストする機能を追加。高インピーダンスのヘッドフォンと組み合わせやすくなる。

 ギャップレス再生機能の追加は、従来から予告されていたものだが、2.01では出力ブースト機能も追加される。ユーザーが任意にON/OFFできるもので、高インピーダンスのヘッドホンも駆動しやすくなるが、ボリューム72以上では、クリッピングが発生する場合があるという。

 さらに、UIも変更。AK120のようなホーム画面が追加される。UIのカラーは4種類から変更可能。AK100には、ブラック以外にシルバーとゴールドのモデルも発売されているが、これらのカラーとマッチする色も用意されている。

UIカラーは4種類から変更可能
左がファームアップしたAK100、右がAK120。AK120と同じような、アイコンベースのホーム画面が追加された
AK100の従来のホーム画面。文字のみの表示だった
シルバーモデルにシルバーのUIを合わせたところ
ギャップレス再生も可能になった

 他にも、設定時間になると自動的に電源をOFFにするスリープタイマー機能、内蔵メモリのフォーマット機能を追加。その他、動作の安定化なども行なわれている。

3dBブーストを体験してみる

+3dBのブースト機能が追加された

 以前掲載したAK100、そして上位モデルのAK120のレビュー記事では、AK100のゲインが低く、特に低域の音圧が弱く感じられる事を指摘してきた。今回のファームアップでは、この点を補う機能として、3dBのブーストが追加された。さっそく試聴してみる(試聴にはβ版ファーム2.0を使用している)。

 ヘッドフォンを接続し、中低域が分厚い「山下達郎/希望という名の光」で3dBをON/OFFしてみると、ベースの張り出しが確実にアップ。量感のある余韻が胸にズンと響くようになるほか、ヴォーカルの張り出しも強くなるため、音楽が聴き取りやすくなる。音色に変化などはなく、純粋に音圧がアップするので、音の出方の好みに合わせてON/OFFできるのが良いポイントだ。「ON」の方を好ましく感じる人の方が多そうだが、音量によってはクリッピングする場合もあるので注意が必要だ。

 気になるのはAK120との違いだが、ブースト状態で同じ楽曲を比較すると、個々の音の輪郭の深さ、そして低域そのものの沈み込みの深さは、やはりAK120の方が上手だ。AK120はそれでいて、派手な音にはなっておらず、細かい音の描写も丁寧で情報量が多い。

 しかし、低域の量感の大幅な差はある程度緩和されており、両者の差が縮まったのは事実である。AK100単体で、従来のサッパリとした高域寄りのサウンドだけでなく、量感のある低重心なサウンドも楽しめるようになった事で、AK100自体の魅力が増したのは間違いないだろう。

(山崎健太郎)