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ソニー、設置性を高めた55/65型4K BRAVIA「X8500A」

アンダースピーカーで4Kの選択肢拡大。HDMI 2.0対応へ

KD-55X8500A
サウンドバー「HT-ST3」は別売

 ソニーは、4K/3,840×2,160ドット対応の液晶テレビ「BRAVIA X8500Aシリーズ」を10月19日より発売する。65型の「KD-65X8500A」と55型の「KD-55X8500A」の2モデルを用意し、価格はオープンプライス。店頭予想価格は65型が67万円前後、55型が42万円前後。

 X8500Aシリーズは、設置性を高めた4Kモデルとして展開する。6月から発売している4Kフラッグシップモデル「BRAVIA X9200Aシリーズ」との違いは、スピーカーやパネル、3D方式など。上位機となるX9200Aシリーズでは、高音質を訴求するサイドスピーカーを採用していたが、X8500Aシリーズは薄型のアンダースピーカーを採用。これにより、65型の横幅はX9200Aの168.2cmから、X8500Aでは147.8mmと約20cm小型化。設置性を向上した。

 X9200Aシリーズの高音質スピーカーは高い支持を得て、シェアも獲得した一方、横幅の大きさから設置スペースが大きくなるという問題があった。そのため販売の現場において、他社製品を選択してしまう人もいたという。また、すでにホームシアターを構築しているので、「高画質だけが欲しい」という声もあったとする。

 そのため、高音質モデルのX9200A、設置性を重視するX8500Aの2シリーズを揃えることでソニーの4Kテレビラインナップを強化。また、X8500Aシリーズの購入者には、ソニーのシアターシステム「HT-ST7/ST3」などの組み合わせも提案していく。

KD-65X8500A
KD-55X8500A
KD-65X8500A
KD-55X8500A
X9200Aシリーズ(左)とX8200A(右)シリーズの比較
壁掛けに対応

 液晶パネル解像度はともに3,840×2,160ドットの4Kながら、X9200Aシリーズは光沢があり1枚ガラスのように見える仕上げの「オプティコントラストパネル」だが、X8500Aシリーズは低反射の「クリアブラックパネル」となる。3D方式はX9200Aのパッシブ方式に対し、X8500Aシリーズはアクティブシャッター方式を採用する。3Dメガネ「TDG-BT500A」は別売。

X8500AシリーズX9200Aシリーズ
解像度3,840×2,160ドット
パネルクリアブラックオプティコントラスト
スピーカーアンダー
2.1ch 2ウェイ
バスレフ
サイド
磁性流体ユニット
3Dメガネアクティブシャッターパッシブ

スピーカー以外の基本性能はX9200Aを踏襲

KD-65X8500A

 65/55型の4K/3,840×2,160ドットパネルと、エッジ型のLEDバックライトを採用し、エリア駆動にも対応(エリア数は非公開)。120Hzの倍速駆動パネルで、4倍速相当の残像低減を謳う「Motionflow XR240」を搭載する。

 スタンド部に、イルミネーションLED「インテリジェントコア」を装備。テレビの動作に合わせて電源ON/OFFでホワイト、機器連携ではシアン、録画中はレッドなど、様々な色に点灯する。

 映像エンジンは4K超解像技術を搭載した「4K X-Reality PRO」。ネイティブ4K映像に加え、フルHD映像も高精細に4Kアップコンバートする機能を搭載。ノイズ低減のほか、複数枚パターン分析処理や独自の複数枚データベース型超解像処理を行なった後で、4K出力時にもデータベース型超解像処理を適用し、高精細な4K映像を出力する。

スタンド部にインテリジェントコア

 色域や階調表現を向上した「トリルミナスディスプレイ」に対応。x.v.colorと同様の広色域を実現する。ソニーのビデオカメラやデジタルカメラで広色域記録「トリルミナスカラー」に対応した製品を発売しており、それらの映像をトリルミナスディスプレイで再生することで、撮影時の色合いをそのまま楽しめる。

 3Dはアクティブシャッター方式。3Dメガネの「TDG-BT500A」は別売で、直販価格は5,980円。

 スピーカーはアンダースピーカータイプの2.1ch構成で、出力は10W×2ch+10W。アンプは独自のデジタルアンプ「S-Master」を搭載する。ユニットはツィータ×2、ウーファ×2、アシストウーファ×1。音声補正技術の「クリアフェーズ」やフロントサラウンドの「S-Forceフロントサラウンド 3D」などを搭載する。

 チューナは、地上/BS/110度CSデジタル×2で、2画面表示に対応(放送+外部入力。放送+放送の2画面は不可)。別売のUSB HDDへの録画にも対応する。USBは3系統装備する。

側面

 Ethernetと無線LANを搭載し、Wi-Fiダイレクトモードに対応。DLNA/DTCP-IPクライアント機能の「ソニールームリンク」も利用できる。また、Miracastに対応し、Wi-Fi Miracast対応スマートフォンからの映像出力が行なえる。

 ネットワークサービスの「Sony Entertainment Network(SEN)」は、リモコンの専用ボタンで呼び出し可能。HuluやYouTube、Video Unlimitedなどのネット動画コンテンツのほか、Twitter、Facebook、Skype、ニコニコ実況などのコミュニケーション、ソニーの写真共有サービスPlayMemories Online、ショッピング、情報検索など多くのサービスをラインナップする。また、コンテンツやネットワークサービスのテキスト検索に対応。テレビ番組のほか、YouTube、Video Unlimited、Music Unlimited、その他ネット動画などのサービスを横断して番組/コンテンツ検索が行なえる。

 タブレット向けアプリの「TV SideView」を利用した検索や操作に対応。TV SideViewでは、「クロスサービスサーチ」のほか、ルームリンクの映像再生や番組詳細情報の確認、音声によるBRAVIAの操作、電子取扱説明書の閲覧、テレビリモコン、フリーカーソル、URLスローなどの操作が行なえる。対応OSはAndroid 2.2以降(タブレットは3.0以降)とiOS 5.0以降。

 付属のワンタッチリモコンにはNFCを装備。NFCを搭載したXperiaの画面をBRAVIAに出力できる「ワンタッチミラーリング」に対応する。

 HDMI入力は4系統装備し、4K入力に対応する。発売時にはHDMIの対応入力解像度は、3,840×2,160ドット/30p/24pと4,096×2,160ドット/24pだが、2013年中のファームウェアアップデートにより、HDMI 2.0に対応予定。これにより4K/60p(3840×2,160ドット、59.94/60Hz)のHDMI入力も可能になる。4Kハンディカム「FDR-AX1」からの4K/60p映像入力にも対応予定。

 なお、2013年6月発売の4K BRAVIA X9200Aシリーズの65型「KD-65X9200A」と、55型「KD-55X9200A」もファームウェアアップデートで、'13年内にHDMI 2.0に対応予定。なお、'12年11月発売の84型4K BRAVIA「KD-84X9000」のHDMI 2.0対応については、「年内に案内する」としている。

 MHLも備えており、MHL対応のスマートフォンからのビデオ/写真出力が行なえる。HDMI以外の入力端子は、D5入力×1や、コンポジット映像入力×1、光デジタル音声出力×1、Ethernetなどを装備する。消費電力は65型が344W(待機時0.2W)、55型が270W(同0.2W)。年間消費電力量は65型が308kWh/年、55型が263kWh/年。

 スタンドを含む外形寸法/重量は65型が147.8×40.5×89.4cm(幅×奥行き×高さ)/38.9kg、55型が125.9×40.5×77cm(同)/28.2kg。

(臼田勤哉)