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ソニー、スマホ連携のレンズ型デジカメを10月25日発売

1型センサー/ツァイスレンズの「QX100」が実売55,000円

QX100(電源ON時)

 ソニーは、デジタルカメラ「サイバーショット」の新モデル「DSC-QX100」と「DSC-QX10」を日本で10月25日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格はQX100が55,000円前後、QX10が25,000円前後。カラーは、QX100がブラックで、QX10はブラックとホワイトの2色。

 ドイツ・ベルリンで9月6日(現地時間)に行なわれた「IFA 2013」の開幕前プレスカンファレンスにおいて発表された製品。デジタルカメラからレンズ部のみを取り出したような本体に、レンズやCMOSセンサー、メモリーカードスロット、バッテリなどを備える。ファインダやモニタは搭載せず、無線LAN接続したスマートフォンの画面を見ながら撮影/操作する。

 iPhone/Android端末と連携でき、対応OSはiOS 4.3以上とAndroid 2.3~4.2。撮影した写真や動画は、microSDカード/メモリースティックマイクロや無線LAN接続したスマホに保存できるほか、「PlayMemories Online」(PMO)への自動アップロードも可能。なお、自動アップロードは、今秋に予定されているPMOの機能アップデートにより対応予定。

QX100(電源OFF時)
左から、QX10のホワイト、QX10のブラック、QX100
左がQX10、右がQX100
XperiaにQX100を装着したところ

“高画質上位モデル”の「DSC-QX100」は、既発売コンパクトデジタルカメラのDSC-RX100M2と同等のカール・ツァイス Vario-Sonnar T*レンズと、1型/有効2,020万画素 裏面照射CMOSセンサー「Exmor R」を内蔵。“高倍率モデル”「DSC-QX10」のレンズ/CMOSは、DSC-WX200と同等で、1/2.3型 有効1,820万画素のExmor R CMOSと、光学10倍ズームのGレンズを搭載する。両機種とも、画像処理エンジンのBIONZを内蔵する。

QX100(電源OFF時)
QX10のブラック(電源OFF時)
QX10のホワイト(電源OFF時)
QX100(電源ON時)
QX10のブラック(電源ON時)
QX10のホワイト(電源ON時)

 基本的な使用方法は両機種共通。付属のアタッチメントでスマートフォンの背面にQX100/10を装着し、アプリ「PlayMemories Mobile」を起動してスマホと無線LAN接続すると、スマホ画面をライブビューモニタとしてデジカメのようなスタイルで撮影が可能。装着できるスマホのサイズは、幅54~75mm、薄さ13mm以下。スマホから取り外すと、スマホをリモートビューファインダとして、様々なアングルから撮影できる。底面に三脚穴も備える。

 スマホとの無線LAN接続は、NFCを使ってワンタッチで行なえる。NFC非搭載スマホと接続する場合は、QX100/10を起動後にアプリのPlayMemories Mobileを立ち上げ、本体バッテリ蓋の裏に記載されたSSIDとパスワードをスマホに入力して接続可能。手動入力は初回のみで、2回目以降は自動で接続される。

付属のアタッチメントを使って、スマホを挟む形で装着できる
スマホ画面をモニタとして撮影
iPhone 4SにQX10を装着したところ
撮影した画像が無線LAN経由でカメラロールに転送された
スマホに装着せずに、QX100/10だけを被写体に近づけることも可能

 スマホアプリで撮影モードの切り替えも行なえ、マニュアル操作も可能。マニュアル設定できる項目はQX100が絞り/露出/ホワイトバランスで、QX10は露出/ホワイトバランスのみ。スマホでカメラ側の情報(記録メディアの有無/撮影モードなど)も確認できる。タッチAFも行なえる。

 本体にシャッターボタンやズームレバーも備えており、撮影操作自体はQX100/10だけでも行なえる。バッテリ残量表示用の小型液晶も装備。シャッターを押した後のスマホディスプレイへの自動表示ON/OFFや、スマホに自動保存するかどうかの選択は、スマホアプリで設定できる。

側面のシャッターボタンとズームレバー
三脚穴も備える
microSDカード/メモリースティックマイクロのスロット部
露出補正
ホワイトバランス調整。色温度を細かく調整できる
縦画面時
撮影した画像は、メモリーカードに記録するほか、スマホにも保存してSNSなどにシェアできる
設定画面。撮影後のレビュー画面の表示/非表示や、画像をスマホに保存するかどうかなどを決められる

 動画撮影も可能。ただし、デジカメの「DSC-RX100M2」や「DSC-WX200」とは異なり、フルHD動画は記録できず、最大1,440×1,080ドット/30fpsのMP4での記録となる。これは、従来のデジカメと比べて、ファイルの転送をワイヤレスで行なうことが多くなることを想定した仕様だという。手ブレ補正は静止画が光学式、動画は光学/電子併用のアクティブモードに対応する。

 そのほか、カメラのRX100M2やWX200との主な違いとして、全画素超解像ズームや、連写、ピクチャーエフェクト、ビューティーエフェクト、マイフォトスタイル、クリエイティブスタイル、パノラマ、フラッシュ、電子水準器は搭載しない。

 DSC-QX100は、光学3.6倍ズーム(F1.8~4.9)に対応。35mm換算の焦点距離は静止画の4:3が30~108mm、動画の16:9が29~105mm(手ブレ補正:スタンダード)、33~120mm(手ブレ補正:アクティブ)。感度は静止画がISO 160~25600(プレミアムおまかせオート時)、動画がISO 160~3200。コントロールリングを備え、マニュアルフォーカス/ズーム操作も行なえる。

 DSC-QX10は光学10倍ズームで、既発売デジカメのDSC-WX200と同様に、「新ピタッとズーム」を搭載。従来モデルのDSC-WX100に比べ、ズーム時にもブレを抑えつつ、フレーミングが簡単に行なえ、フォーカスも速いという。F値はF3.3~5.9。35mm換算の焦点距離は、静止画の4:3が25~250mm、動画の16:9が27.5~275mm(手ブレ補正:スタンダード)、27.5~385mm(手ブレ補正:アクティブ)。

QX10は、QX100に比べコンパクトな本体で、光学10倍ズーム対応
パッケージ。左がQX10、右がQX100

 記録メディアはmicroSD/SDHC/SDXCカードとメモリースティックマイクロ(Mark2対応)。付属バッテリ「NP-BN」での静止画撮影枚数は220枚で共通、動画はQX100が約55分、QX10が約65分だが、いずれも実動画撮影時間は約25分(2GB)となる。インターフェイスはUSBで、USB経由でのバッテリ充電も可能。

 外形寸法は、QX100が62.5×55.5×62.5mm(幅×奥行き×高さ)、QX10が62.4×33.3×61.8mm(同)。重量は、QX100が約179g/165g(バッテリ/メモリースティックマイクロ含む/本体のみ)、QX10が約105g/90g(同)。リストストラップも付属する。

別売のアタッチメントケースをスマホに着けてQX10を装着したところ

 別売アクセサリとして、スマートフォン「Xperia Z」に装着できる「アタッチメントケース(SPA-ACX1)」も10月25日に発売する。価格は3,255円。Xperia Zにケースを装着することで、レンズ交換型デジカメのようにレンズを回転させてQX100/QX10を着脱できる。

 また、QX100/10用のキャリングケースも同日に発売。QX100用ケースの「LCS-BBL」は3,780円で、QX100以外に、Eマウントレンズの「SEL50F18」や、「SEL35F18」、「SEL1855」のケースとしても利用できる。QX10用の「LCS-BBM」は3,255円で、「SELP1650」または「SL20F28」のケースとしても使える。

(中林暁)