ニュース

PS4/Xbox One競演、「東京ゲームショウ 2013」開幕

「PS4は500万台目指す。HDMIでゲーム映像書き出しも」

 社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が主催する、国内最大のゲームイベント「東京ゲームショウ 2013」が19日、幕張メッセで開幕した。会期は9月19日から22日の4日間で、19/20日はビジネスデイ。21日と22日の2日間が一般公開日となる。一般公開日の入場料は、一般(中学生以上)が当日1,200円、小学生以下は無料。ビジネスデイはゲームビジネス関係者のみ入場できる。

 今年のゲームショウの特徴は、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の「PlayStation 4」、そしてマイクロソフトの「Xbox One」という、2つの次世代ゲーム機が国内で一般向けに披露される事。ゲーム機の特徴紹介や外観だけでなく、ブースには試遊台も用意され、そのパフォーマンスをゲームプレイを通じて体験できるようになっている。

PS4やPS Vita TVが話題のSCEブース

SCEのブース

 SCEブースの主役は、日本で2014年2月22日に発売される「PlayStation 4」(41,979円/PlayStation Camera同梱版は46,179円)。試遊台が多数設けられ、カプコンの「deep down」、コーエーテクモゲームス「真・三國無双7 with 猛将伝」、SCEの「KILLZONE SHADOW FALL」などのゲームがプレイできる。クリエイターやゲストプレイヤーがゲームの見せ場をプレイで紹介するステージイベント「一遊入魂」(ワンプレイニュウコン)も用意されている。

PlayStation 4

 ブースでは本体やコントローラーの「DUALSHOCK4」に加え、PlayStation Cameraなどの周辺機器も展示している。PS4の型番は「CUH-1000A」シリーズ。8つのJaguar CPUコアと次世代RadeonベースGPUからなるAMD製のメインプロセッサを搭載。メモリは8GBのGDDRメモリ。500GB HDDやBD/DVDドライブも搭載している。

 また、初日の19日に開催された基調講演の中で、SCEのアンドリュー・ハウス グループCEOはPS4の目標として、今年度に「全世界で500万台を目指す」と掲げた。基調講演の内容は後述する。

PlayStation 4の背面。HDMI出力などが見える
手前にあるのがPlayStation Camera
コントローラーの「DUALSHOCK4」
低遅延の液晶テレビBRAVIA「KDL-42W650A」が使われている

 なお、PSを中心とした試遊コーナーの一部では、映像処理での遅延を短縮する事で、0.1フレームの低遅延を実現する「新ゲームモード」を備えた、液晶テレビのBRAVIA「KDL-42W650A」が採用されている。

 また、11月14日に発売される「PlayStaton Vita TV」(型番:VTE-1000 AB01/9,954円)も展示。携帯ゲーム機PlayStation Vitaの中身を取り出したようなテレビ接続向けの端末で、65×105×13.6mm(幅×奥行き×高さ)という小型サイズが特徴。PS Vita用や、ゲームアーカイブスで提供される初代プレイステーション/PSPなどのゲームが遊べるほか、niconico、huluなどのビデオ配信にも対応。PS4とワイヤレスで連携し、PS4のゲームを離れた部屋からテレビに表示し、ゲームもプレイできる「PS4リモートプレイ」にも対応する。

 ブースではこの特徴を紹介するため、40型テレビとPS Vita TVを接続。Vita向けの新作ゲームを大画面でプレイできる。さらに、ビデオサービスなどのコンテンツも体験できるようになっている。

PlayStaton Vita TV
40型テレビでVitaのゲームやコンテンツが楽しめる

 さらに、10月10日から発売される新型PlayStation Vita(PCH-2000シリーズ/19,929円)も、一足早く目にする事ができる。カラーは6色展開。従来モデルから、厚みが20%減となる15mm、重量は15%減の219gと薄型/軽量化しており、ブースでは実際に手で触れて、その進化を体感できる。1GBのメモリーカードも内蔵し、ディスプレイが有機ELから液晶に変更されているのも特徴。バッテリ駆動時間も1時間伸び、4~6時間のプレイが可能(従来は3~5時間)になっている。

 会場にはほかにも、新しい本体カラーに合わせたソフトケースや、スタンド付きケーブルなどの周辺機器も展示されている。

新型PlayStation Vita
ゲームソフトとのセットモデルではオリジナルデザインのモデルも用意される
64GBのメモリーカードなど、周辺機器も展示
新しい本体とそのカラーに合わせたソフトケースも10月10日に販売される。価格は各1,575円
新型Vita(PCH-2000)に対応したスタンド付きケーブル。11月発売予定で、2,100円
Vitaの収納も想定したショルダーバッグ「PORTER TANKER×PS Pictogram×HEAD PORTERショルダーバッグ(仮)」も参考展示。発売日や価格は未定
ヘッドマウントディスプレイの新モデル「HMZ-T3W」でゲームプレイも体験できる

 PlayStation 3用ゲームの試遊コーナーには、ヘッドマウントディスプレイの新モデル「HMZ-T3W」も設置。「パペッティア」などのゲームをプレイできる。なお、この「パペッティア」には、ソニーのヘッドマウントディスプレイ用に最適化した3D立体視モードが用意されている。

PS4のHDMIからゲーム動画を書き出し可能

SCEのアンドリュー・ハウス グループCEO

 19日に開催された基調講演に登壇した、SCEのアンドリュー・ハウス グループCEOは、新たに投入するPS4の狙いとして、「コアゲーマーに向けて没入感のあるゲームを提供する事」、さらに「優れたUIと積極的なコンテンツ提供で、家族皆で楽しめる体験も提供」、またソーシャルな機能も盛り込み、「スマートフォンやタブレットからいつでもPS4のゲームに触れられ、ユーザー同士をゲームを通じて繋げていきたい」と語った。

 また、ゲーム開発者向けには、「現在のゲーム開発は、映画に似て2極化している。開発費の高騰と、開発体制の大規模化がある一方で、ソーシャルゲームにより小規模開発チームの躍進もある。これはハリウッドの大作映画と、低予算で魅力的なインディーズの映画があるのと同じ。我々はPS4で、“開発のしやすさ”にこだわった。小規模チームへの開発支援や、フリートゥプレイ(基本プレイ無料のゲーム)をなるべく良い環境で作れるようにするなど、サポートしていきたい」と語り、こうした姿勢への賛同により、ゲームメーカーの参入はE3時点の500社から、現在は620社に拡大しているという。

 続いて、SVP 兼 第一事業部 事業部長の伊藤雅康氏が登壇。PS4に関する新しい情報として、SHAREボタンを解説。PS4では常時ゲームプレイを映像として本体内にバッファしており、SHAREボタンでそれをSNSなどにアップロード&共有したり、プレイ動画をニコニコ生放送などで配信できるのが特徴だが、「自分のプレイ動画を外部ストレージに書き出し、編集したいというリクエストも多数頂いた。対応時期については別途ご案内するが、PS4では、HDMI経由で外部機器に書き出す事もできる」と語った。

「Xperia Z1」で、PSNのフレンドが現在遊んでいるゲームの情報などをチェック

 さらに、スマートフォンとの連携をSCEワールドワイド・スタジオ プレジデント吉田修平氏がデモ。吉田氏は、PS4と連携できる専用アプリをインストールしたAndroid端末「Xperia Z1」を使用。フレンドが現在どのゲームを遊んでいるかをタイムラインからチェックし、プレイ映像を配信している場合は、そこからニコニコ動画やUstreamのアプリを立ち上げ、配信を見る事ができるという。

 さらに、PS4でプレイするゲームのコントローラーとしてAndroid端末を使う事も可能。AIで動くキャラクターが、ARで無数に登場するゲームにおいて、「Xperia Z1」で絵を描いたオブジェを、PS4で動いているキャラクター達の場所に放り込んで反応を楽しむといったデモも行なった。

スマホからボールなどをPS4のゲームの中に投げ入れられる

 また、PS Vita TVとPS4のリモートプレイも実践。リビングのテレビに接続したPS4を遊んでいる途中で一時停止し、別の部屋に移動、そこにあるPS Vita TV+テレビから、「PS4リンク」というアプリを起動。すると、PS Vita TVが家の中にあるPS4を検索し、接続。先程一時停止した画面がテレビに表示され、ゲームが再開できるという一連の流れをデモした。このリモートプレイはLAN内だけでなく、インターネットを経由したプレイも可能という。

PS4でプレイしていたゲームを一時停止
別の部屋のPS Vita TVから「PS4リンク」を立ち上げ
リモートプレイを選択
PS4を検索、接続し……
PS Vita TVからリビングのPS4の続きがプレイ可能に
PS4のホーム画面などもPS Vita TVから利用できる

 なお、Vita TVは発売当初、別売コントローラー「DUALSHOCK 3」に対応するとアナウンスされていたが、「近い将来にはアップデートでDUALSHOCK 4にも対応する」(ハウス氏)とのこと。コントローラーが同じであるため、リモートプレイでもPS4本体で遊んでいる時と変わらない感覚でプレイできるという。

 吉田氏は「PS Vitaにおいて、システムソフトの操作をボタンやレバーで行なえるようにしてきたが、これは(タッチパネルではなくコントローラーで操作する)PS Vita TVへの布石でもあった」と説明。ゲームだけでなく、PS4のシステムソフト画面など、大半の機能がPS Vita TVから表示、操作できるとした。

マイクロソフトはXbox Oneを日本初披露

マイクロソフトブース

 マイクロソフトブースでは、Xbox Oneを日本ユーザに向け初披露。北米や欧州などで11月22日に発売されるが、そこに日本は含まれておらず、それ以降に発売される見込み。米国での価格は499.99ドル。

 ゲーム機であると同時に、映像配信にも対応、Skypeなどのコミュニケーションツールも備えているほか、標準でカメラやマイクを備えたKinectユニットが付属。ユーザーの声や動きを認識して操作できる。500GB HDDとBDドライブ、無線LANを内蔵。HDMI入出力も備え、米国向けにはケーブルテレビのSTBと接続し、声でテレビのチャンネルを変更したり、他のユーザーがどの番組を見ているかを知らせる機能も用意されている。

Xbox One
カメラやマイクを備えたKinectユニットが付属
コントローラー
新デザインのXbox 360

 ゲームショウのブースでは、Xbox Oneの試遊台も設けられており、コントローラーに触れて体験できる。

 また、従来モデルのXbox 360も、9月19日から新デザインに変更。従来よりも小型化したほか、Xbox Oneと親和性のあるデザインを採用。静粛性も追求されている。250GB HDDを搭載した「Xbox 360 250GB」が29,800円、データセーブ用などに使える4GBメモリを搭載した「Xbox 360 4GB」が19,800円。

その他

 AVerMediaのブースでは、ゲーム用のキャプチャユニットの新製品を参考展示。「AVT-C877」は、PCとUSB接続するタイプのキャプチャユニットで、最大で1080/60pでの録画ができるのが特徴。入力はHDMIとコンポーネント(付属変換ケーブル使用)を備えている。発売日や価格は未定で、「1080/60pでキャプチャするため、それなりにハイスペックなPCが必要」という。

AVT-C877
入力部分。コンポーネント入力にも対応する

 11月末発売予定の「AVT-C285」(価格未定)は、PCを使わずにキャプチャできるタイプ。キャプチャ後の動画編集やYouTubeなどへのアップロードも単体で行なえる。編集は前後のカットだけでなく、必要なシーンを切り出して結合したり、そこにウォーターマークを入れる事も可能。日本向けに、ニコニコ動画への対応も検討しているという。

AVT-C285にUSB HDDを接続し、キャプチャしているところ
入力端子部
必要なシーンだけを切り出し、結合できる
編集動画にウォーターマークを入れる事も可能
ウォーターマークの位置やサイズも変更可能
YouTubeへのアップロードも本体のみで行なえる
裸眼3Dに対応したAndroidタブレット「ZX-3AT970」

 ゾックスのブースでは、開発中という裸眼3Dに対応した9.7型Androidタブレット「ZX-3AT970」を参考展示。Android 4.1.1を採用したタブレットで、裸眼立体視用にレンチキュラーシートを採用している。3Dコンテンツは、ユーザーの動画をサーバーにアップロードし、3Dに変換して提供するサービスとの組み合わせや、ユーザー側での3D変換の両方を検討、「コンシューマーやクリエイター問わず、幅広い分野に訴求していきたい」という。発売日や価格は未定。

 スペックコンピュータでは、ゲームが快適にプレイできるというハードウェアのコントローラ搭載Androidタブレット「SUPER GAMER 俺」を展示。7型のタブレットで、画面の左右に十字キーなどを配置。OSは汎用的なAndroidだが、画面内に十字キーや攻撃キーなどが透過表示されるタイプのゲームアプリにおいて、それらのボタン操作をハードウェアコントローラーに割り当てられるのが特徴。そのため、全てのゲームがハードウェアキーで操作できるわけではないが、「アクションゲームなど、ハードウェアコントローラーを使いたくなるような複雑な操作のゲームではボタンが透過表示されるアプリが多い」という。価格は16,800円。

SUPER GAMER 俺
ひかりTVもブースを設け、テレビ向けのクラウドゲームサービスをアピール
9月18日にNTTドコモから発売されたばかりの、Xperia Aと初音ミクコラボレーションモデル「Xperia feat. HATSUNE MIKU SO-04E」も展示された
会場奥に、ロジコマを発見!! 「攻殻機動隊ARISE」と、メガネメーカーの「JINS」によるブースで、ブルーライトを軽減するメガネ「JINS PC」と「攻殻機動隊ARISE」がコラボし、ARISEの専用パッケージで販売されるという。ゲームショウでは一般販売に先駆け、購入する事が可能だ
セガから2014年2月に発売予定のPS4/PS3向けゲーム「龍が如く 維新!」のブース
ウォーゲーミングジャパンのオンライン戦車ゲーム「World of Tanks」のブースには、本物の九五式軽戦車が登場。戦車美少女アニメであるガールズ&パンツァーとのコラボも行なわれる

(山崎健太郎)