東京ゲームショウ 2012開幕。新型PS3や新色Vita展示

-HMDでゲーム体験。テレビを簡単クラウドゲーム機に


 社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が主催する、国内最大のゲームイベント「東京ゲームショウ 2012」が20日、幕張メッセで開幕した。

 会期は9月20日から23日の4日間で、20/21日はビジネスデイ。22日と23日の2日間が一般公開日となる。一般公開日の入場料は、一般(中学生以上)が当日1,200円、小学生以下は無料。ビジネスデイは招待制。




■SCEブース

SCEブース

 注目は、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)ブース。前日の19日に発表した、PlayStation 3の新モデル「CECH-4000シリーズ」と、PlayStation Vitaの新色の「コズミック・レッド」と「サファイア・ブルー」を展示している。

 PS3の新モデルは、スペックを維持しながら、初代モデルと比べて約50%の小型・軽量化、現行モデルと比べても25%の小型化、20%の軽量化を実現。デザインも一新され、ドライブ部は、従来スロットローディングタイプだったが、新モデルでは上部パネルがスライドする機構を採用。パネルの下にあるドライブが現れ、そこにディスクを乗せる形になっている。


新型PS3。パッケージも展示されている

 価格は据え置きながらHDD容量が増加。250GBモデル「CECH-4000B」で24,980円、500GB「CECH-4000C」で29,980円。チャコール・ブラックが10月4日発売、クラシック・ホワイトが11月22日発売予定(クラシック・ホワイトは250GBのみ)。

周辺機器の縦置き用スタンドも展示されているタブレットやスマートフォンにもPlayStationの世界を広げる、PlayStation Mobileの紹介も

 PS Vitaの新色「コズミック・レッド」と「サファイア・ブルー」は、11月15日発売。価格は既存カラーと同じで、3G/Wi-Fiモデル限定版(PCH-1100シリーズ/20時間のプリペイドデータプラン付き)が29,980円、Wi-Fiモデル(PCH-1000シリーズ)が24,980円。

PS Vitaの新色「コズミック・レッド」と「サファイア・ブルー」

 また、ゲーム機以外の見所として、ソニーの有機EL採用で720p/3D表示対応のヘッドマウントディスプレイの新モデル「HMZ-T2」(10月13日発売/実売7万円前後)もブース内に多数用意。このHMDをディスプレイとして使い、「真・北斗無双」や「METAL GEAR RISING REVENGEANCE」、「龍が如く5 夢、叶えし者」、「みんなのGOLF 6」などの最新ゲームが試遊できるようになっている。

「HMZ-T2」でゲームが体験できるVita向けのniconico用アプリ「ニコニコ」も展示。生配信機能の追加も予定されている
10月中旬からは、ソニーの電子書籍サービス「Reader Store」が配信するコミックコンテンツが、PS Vitaから直接購入、閲覧できるようになる。会場では実際にコミックを読みながら操作を体験できる

 さらに、別のブースとなるが、ソニーが「人はどこまで没入できるか? 」をテーマとした特別企画ブース「HMZ没入快感研究所」を展開。特別に開発したヘッドマウントディスプレイ「PROTOTYPE-SR」も展示している。この展示については、別記事で詳細レポートしている。

PROTOTYPE-SRは、ヘッドトラッキングシステムと、ライブカメラを内蔵している



■テレビをクラウドゲーム機に

Wi-Fiクラウドゲーム機「G-cluster」

 ブロードメディアのブースでは、20日に発表したWi-Fiクラウドゲーム機「G-cluster」(ジークラスタ)のデモを行なっている。発売は2013年春の予定で、価格などは未定。

 ゲーム機とされているが、G-cluster単体にゲームを処理する能力は無い。ゲームのプログラムは専用の「Gクラスタサーバー」上にあり、そこで全てのプログラム処理が行なわれ、その結果、描画されるゲームの映像を、ストリーミング映像として配信。G-clusterはインターネット経由で映像を受信し、テレビ画面に表示させている。つまり、端末は映像のデコード処理がメインで、その他の処理は全てサーバー側で行なっており、遅延も抑えているという。

 コントロールには、スマートフォンやタブレットを利用。ゲームによっては、コントロール用のアプリ(iOS/Android用)をインストールする必要がある。他にも、無線LAN対応コントローラーなども利用できる。多人数同時プレイや、離れた場所にいる人と一緒にプレイする事も可能。プレイせず、他人が遊んでいる映像を観戦する事もでき、その場合はアプリのインストールなどは不要という。スマートフォン/タブレットだけでなく、PCにも対応している。なお、ゲームタイトルの選択などを行なうポータルサイトも用意される。


「G-cluster」をテレビの背面に取り付けたところ釣りゲームのデモ操作にはスマートフォン/タブレットや、無線LAN対応コントローラーを使用。写真ではコントローラーにケーブルがついているが、これはゲームショウでの環境で無線LANを使うのが困難なため

 フランスでは既に展開されているとのことで、ウォルト・ディズニーとも提携。トイ・ストーリー 3など、ディズニーのゲームをフランス国内におけるGクラスタ・プラットフォーム上で提供する予定。日本でも2013年春に向け、随時情報を公開していくとしている。



■その他

会場にはゲーム専用機向けだけでなく、スマートフォンやタブレット向けのゲームをまとめて紹介するブースも用意。SCEのブースでも紹介されていたPlayStation Mobile向けゲームも体験できる
MPEG-4 AVC/H.264のハードウェアエンコーダを内蔵し、PCを使わず、ゲームの映像をキャプチャできる「AVT-C281」などを手掛けているAVerMediaのブース。プロゲーマーを招いた対戦イベントなどが予定されているほか、9月22日と23日には、「大画面☆マニア」でお馴染み、西川善司氏によるゲームキャプチャのセミナーも行なわれる。スケジュールの詳細は専用ページにてゲーミングヘッドセットも多数展示されている
greeの探検ドリランドブースセガのブースでは「ファンタシースターオンライン2」が人気。Windows PC用のネットワークゲームだが、2013年にPS Vita版もリリース。PC版で育てているキャラクターが、そのままVita版でも使えるのが特徴だ。ゲームショウでは、Vita版の体験プレイができるGMOのソーシャルアプリ専用クラウドサービス「GMOアプリクラウド」の紹介コーナー
セガブースでは、様々なアプリを紹介する無料冊子「ファミ通App featuring SEGA」を配布中PS3やXBOX 360、Windows PC向けFPS「メダル オブ オナー ウォーファイター」のブース

(2012年 9月 20日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]