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ソニー、DSD/FLACなどハイレゾ対応500GB HDDオーディオ

実売8万円の「HAP-S1」。タブレットからの操作も

HAP-S1

 ソニーは、500GB HDDを内蔵し、HDD内のDSDや24bit/192kHz FLACなどのハイレゾ楽曲の再生に対応した据置型のHDDオーディオプレーヤー「HAP-S1」を10月26日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は8万円前後。

 500GBのHDDを内蔵し、パソコンなどからHDDに転送したDSDやFLAC、Apple Lossless、WAVなどのハイレゾオーディオの再生が行なえるプレーヤー。対応ファイル形式は、DSDIFF(DSD)、DSF、MP3、WAV、WMA、AAC、FLAC、Apple Lossless、ATRAC(Non DRM)、AIFF DSD(2.8/5.6MHz)、PCM(44.1k/48k/88.2k/96k/176.4k/192kHz 16/24bit)。ギャップレス再生にも対応する。

 USB DAC/アンプの「UDA-1」と同等の音質やハイレゾ再生機能、32bit/192kHz対応DACを搭載しながら、HDDと40W×2chのアンプを搭載し、1台でハイレゾオーディオを気軽に楽しめるようにしたソニーのハイレゾオーディオ入門機となる。

HAP-S1(シルバー)
HAP-S1と別売スピーカー「SS-HA1」

ハイレゾ楽曲を500GB HDDで管理

4.3型液晶ディスプレイを装備

 ハイレゾ対応のネットワークオーディオやPCオーディオ製品は各社から発売されて、市場も徐々に盛り上がりを見せている。一方、ネットワークオーディオでは、別途NASなどの準備やネットワーク関連の知識が必要となり、PCオーディオについても、パソコンやドライバやアプリケーションなどパソコン関連のノウハウが必要になる。こうした事前の準備や学習などの面倒をできるだけ省き、単純に「高品位なオーディオを楽しみたい」人に向けたシンプルな操作性と、音質にこだわり開発したのが、HDDオーディオプレーヤーの「HAP-S1」となる。

 500GB HDDを内蔵。音楽配信サービスからダウンロードしたハイレゾ楽曲やCDリッピングしたファイルなどをパソコン経由で転送する。また、USB端子を装備しており、別売のUSB HDDによるHDD拡張にも対応する。

 本体前面に操作用の4.3型ディスプレイとコントローラを装備。本体だけで楽曲検索や再生操作が行なえ、ディスプレイにはジャケット写真も表示できる。この本体操作のレスポンスにこだわり設計されたという。また、詳しくは後述するが無線LANを内蔵しており、アプリ「HDD Audio Remote」を使った操作にも対応する。

4.3型ディスプレイにアルバムアートや詳細情報を表示
ホーム画面
おまかせチャンネル

 ハイレゾ楽曲は、10月19日よりハイレゾ配信を予定しているmoraや、e-onkyo.com、OTOTOYなどのサイトで購入できる。また、パソコンからの楽曲取り込みに対応。Windows/Mac用に自動楽曲転送PCアプリ「HAP Music Transfer」を提供しており、Windowsパソコンの場合、初期設定では[マイミュージック]フォルダをコピー元として、全楽曲を「HAP-S1」に転送する。対応OSはWindows XP/Vista/7/8とMac OS X 10.6/10.7/10.8。

 HDDに転送された楽曲はGracenoteの楽曲情報データベースと照合され、合致するアルバムやジャケット写真などのメタデータを自動で取得。DLNAではメタデータが定められていないDSDファイルについても、ジャケットの付与や楽曲管理が行なえる。また、音楽ファイルを独自の12音解析機能により分類して、リラックスやダンスフロアなどの12のチャンネルで自動再生する「おまかせチャンネル機能」も搭載している。

 本体ディスプレイは、アルバムアートや、アルバム、アーティスト、曲名、フォーマット、ビットレートなどの情報を表示できる。また、背景色がアルバムアートにあわせて変更され、赤基調のジャケットの場合、背景色も赤系になる「カラーピッキング」に対応する。ディスプレイの輝度は3段階に調整できるほか、OFF設定も可能。

広帯域パワーアンプを内蔵。スマホ/タブレットから操作も

DSEE

 アンプ出力は40W×2chで、LR独立型広帯域パワーアンプを搭載。大型電源ブロックコンデンサによる電源強化や、EIコアトランス、高音質リレースイッチなどUSB DAC/アンプの「UDA-1」と同等の高音質設計を盛り込んでいる。ヘッドフォン出力も備えている。

 また、高域補間技術の「DSEE」を搭載し、AACやMP3などの圧縮音源だけでなく、WAVやFLACなどのハイレゾ楽曲も高音質化する。ただしDSEEは、DSDには対応しない。

HDD Audio Remote

 IEEE 802.11b/g/n無線LANとEthernetを装備し、ネットラジオの「vTuner」などに対応、また、スマートフォン/タブレット用アプリの「HDD Audio Remote」を使って、タブレットなどのフル画面を使って、アルバムアートを見ながらの楽曲ブラウジングや操作が行なえる。キーワードなどの絞り検索機能も搭載。HDD Audio Remote対応OSは、iOS 5.1以降と、Android 2.3以降(800×480ドット以上の解像度が必要)。

HDD Audio Remote
ジャンルから詳細な検索も
FLACを再生
DSD再生
おまかせチャンネル
vTunerでインターネットラジオ
背面

 入力端子は光デジタル音声×1、同軸デジタル音声×1、アナログ音声×2(RCA)。出力端子はヘッドフォン×1とアナログ音声×1。消費電力は70W(待機時0.3W)、265×304×88mm(幅×奥行き×高さ)、重量は5.8kg。

HAP-S1とスピーカー「SS-HA1」のセット
HAP-S1とスピーカー「SS-HA3」のセット
背面

(臼田勤哉)