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キヤノン、カメラ映像とCGを合成して3Dで見る「MREAL」手持ち型ディスプレイ
(2013/11/5 15:29)
キヤノンは、現実映像とデジタルデータをリアルタイムに合成して見られるMR(Mixed Reality)システム「MREAL(エムリアル)」の新製品として、ハンドヘルド型ディスプレイの「MREAL HH-A1」と、専用ソフトウエア「MREAL Platform MP-110」を12月中旬より発売する。
製造業や建築業など業務向けの製品で、製品単体ではなく、システムインテグレートなどを含めて販売。価格はオープンプライスで、想定価格は導入ケースによって異なるが、システム最小構成時の目安は1,000万円前後。
「MREAL」は、前方を3Dビデオカメラで撮影し、その映像を仮想CG映像とコンピュータ上で合成してディスプレイで3D立体視できるシステム。3Dビデオカメラが捉えた「MREALマーカー」やセンサーによりユーザーの頭の位置、姿勢を精密に計測して現実映像と仮想CG映像を高精度で合成できるほか、自由曲面プリズムにより歪みの少ない映像を表示できる点などを特徴としている。
'12年7月に発売した頭部装着型の「MR ヘッドマウントディスプレイ MREAL HM-A1」は、製造業において操作性やメンテナンス性の検証・確認などに使われている。新モデルのHH-A1は、ショールームや展示会、博物館など多人数が利用する場合でも「MREAL」を使えるように手持ち型とした。メガネをかけたままでも装着できる。
ディスプレイ部の主な仕様は従来モデルと同じで、表示解像度は1,280×960ドット。入力端子はDVI-D 2系統で、入力映像は1,280×1,024ドット/60Hzに対応する。外形寸法は約230×97×90mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約490g(ケーブル除く)。消費電力は52.8Wで、通常動作時は15W以下。
本体に左右一対の3Dビデオカメラを内蔵。カメラのシャッタースピードは、従来の1/1,000から最速1/20,000まで拡大。より明るい環境でも白飛びを抑えた撮影を可能とした。また、上部に位置合わせ用のカメラ(他社製)を装着することで、カメラの撮像範囲からマーカーが外れる頻度を低減可能。カーペット型のマーカーセットを使えば、マーカーを簡単に持ち運べる。
MREALマーカーを利用した位置合わせのキャリブレーションには、MREALディスプレイの内蔵カメラでマーカーを確認する方法に加え、EOSシリーズやIXY/PowerShot シリーズなど同社デジタルカメラでの撮影にも対応。キャリブレーションにかかる時間が短縮できるという。
そのほか、同社のネットワークカメラ「VB-H41」(2012年12月発売)とも連携可能。カメラからの映像とCGを合成し、VB-H41で俯瞰視点からの映像として生成でき、客観的に見ることが可能になる。
なお、MREALは、キヤノンITソリューションズの天王洲MREALスタジオや大阪MREALスタジオ、東京・品川のキヤノンマーケティングジャパン CANON PLAZA S ADVANCED TECHNOLOGY ROOMで実際に体験可能(要予約)。