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エヴァのサントラハイレゾ配信が急遽18日に延期。鷺巣詩郎氏がハイレゾ配信用にリマスタリング

NEON GENESIS EVANGELION/エヴァンゲリオン・オリジナルサウンドトラック

 オンキヨーエンターテイメントテクノロジーは、ハイレゾ楽曲配信サービス「e-onkyo music」において12月4日から予定していた、「新世紀エヴァンゲリオン」のサウンドトラック3作品の配信を12月18日に延期した。作曲/プロデュースを手掛ける鷺巣詩郎氏の意向により、急遽ハイレゾ配信専用に新たにリマスタリングを行なう事になったという。

 発売元のキングレコードによれば、鷺巣詩郎氏の監修の元、ロサンゼルスのバーニー・グランドマン・スタジオにて、ハイレゾ配信専用(24bit/192kHz)のリマスタリングを行なう事になったという。「配信開始を心待ちにされていたお客様には大変恐縮ですが、ハイレゾ配信用に新しく生まれ変わった『新世紀エヴァンゲリオン』サウンドトラックを、どうぞよろしくお願いいたします」(キングレコード)。

 エヴァのサウンドトラックは2004年にDVDオーディオで発売。ハイレゾ配信にあたっては、DVDオーディオを制作した際のマスター音源(アナログテープに収録)を、24bit/192kHzでデジタル化し、そのまま配信するとアナウンスされていた。

 配信アルバムは「NEON GENESIS EVANGELION/エヴァンゲリオン・オリジナルサウンドトラック」、「NEON GENESIS EVANGELION II/エヴァンゲリオン・オリジナルサウンドトラック」、「NEON GENESIS EVANGELION III/エヴァンゲリオン・オリジナルサウンドトラック」。

NEON GENESIS EVANGELION II/エヴァンゲリオン・オリジナルサウンドトラック
NEON GENESIS EVANGELION III/エヴァンゲリオン・オリジナルサウンドトラック

配信開始に伴い、鷺巣詩郎氏からコメント

 延期後の配信開始日となる18日、e-onkyo musicのサイトでは鷺巣詩郎氏のコメントも公開された。以下に全文を記載する。

スペックの進化を凌駕する「名人の耳と腕」

 新たな鼓動、躍動まで聴こえ、さらにワクワクする!!

 今回のハイ・レゾリューション音源は、まさに、美しきルネサンスそのもの。

 ハイ・レゾリューションと謳うからには、まず、同等スペックのマスターの存在が必要不可欠。

 しかしそれだけでは、データ上「数値が優れているだけ」に過ぎません。

 やはり音楽です。

 ひとこと「音質」と言っても、

 あくまでも「音楽そのものを理解したうえでの」音質でなければなりません。

 つまり、いくら宝石箱に豪奢な外装を施しても、箱は箱。

 本質は、中身の宝石そのものを磨き上げなければ意味がない、ということ。

 新劇場版以来、エヴァは、頼もしい名人を得ました。

 ハリウッドの女王こと、マスタリング・エンジニアのパトリシア・サリヴァンです。

 彼女の耳と腕が、エンターテインメント映像音楽において、絶対的であることは、

 ハリウッドのブロックバスタのほとんどのサントラ・アルバムのマスタリングを手掛けていること、

 それだけでも、じゅうぶん証明されているでしょう。

 『序』『破』『Q』はもちろん、

 『新吹奏楽版』も『PianoForte』も、すべてパトリシアによるフィニッシュです。

 (林原めぐみ、高橋洋子、鷺巣詩郎の作品なども同スタジオ)

 じつは『新吹奏楽版』と『PianoForte』には、

 パトリシアによる「旧TV版サントラの(リ)マスタリング」も、数曲収録しました。

 そう、美しきルネサンスは、すでに始まっていたゆえ、

 今回の(リ)マスタリング作業は自然な流れであり、整合性を保つためにも、必然だったのです。

 誤解を恐れずに、何度でも言いますが、

 いかなるハイ・レゾリューション(192KHz/24bit - 96KHz/24bit - 48KHz/24bit)であろうが、

 じつはデータ上の数値など、二の次。

 フィニッシュする者(人間)の「耳と腕」に尽きるというのが、

 まごうことなき本質であり、それは古今東西、普遍的。

 宝石箱よりも、宝石そのものを磨き上げる、その「素晴らしき職人技、職人芸」を知らしめるためにも、

 今後、エヴァの音楽作品群を、

 あらゆるハイレゾリューション環境にて、

 どんどん、世に出していきます!!

 2013年12月 鷺巣詩郎

(山崎健太郎)