ニュース

パナソニック、AVC-ULTRA記録の4Kカメラ「VARICAM 35」

4月のNABで出展。レコーダ部分離。240fps/HDモデルも

VARICAM 35のカメラヘッド「AU-V35C1G」

 パナソニックは、新開発のスーパー35mm MOSセンサーを採用した4Kカメラ「VARICAM 35」(カメラモジュール部AU-V35C1G)や、最大240fpsのHDハイスピード撮影が可能な「VARICAM HS」(同AU-V23HS1G)、これらで利用するレコーディングモジュールユニット「AU-VREC1G」を2014年秋に発売する。米ラスベガスで4月7日から開催される全米国際放送機器展「2014 NABショー」で動作サンプルを出展する予定。価格は未定。

 さらに、4K映像とハイフレームレート映像を記録するためのプロ用次世代記録メディア「expressP2カード」と「expressP2ドライブ」も開発。「VARICAM 35」や「VARICAM HS」の記録メディアとして使用するもので、2014年秋の商品化を目指して開発されている。

 「VARICAM 35」と「VARICAM HS」は、どちらもカメラ部とレコーディング部で構成されており、それぞれをドッキング/分離できる。4Kカメラ「VARICAM 35」用のカメラヘッドは「AU-V35C1G」、HDカメラ「VARICAM HS」のカメラヘッドは「AU-V23HS1G」で、それぞれのカメラヘッドに、レコーディングモジュールユニット「AU-VREC1G」を組み合わせられる。ジブやクレーンに設置する場合に、カメラモジュールとレコーディングモジュールをアンビリカルケーブルで延長して接続することも可能。モジュール単体では動作しない。

VARICAM 35のカメラヘッド「AU-V35C1G」

 VARICAM 35は、PLマウントを採用し、4K(4,096×2,160/3,840×2,160ドット)の撮影ができる新開発のスーパー35mm MOSセンサーを搭載。組み合わせるレコーディングモジュール「AU-VREC1G」は、独自のAVC-ULTRA 4Kコーデックを搭載しており、「実用的なファイルサイズでの4K収録が可能」という。

 新開発のMOSセンサーは14ストップのラティチュードがあり、ハイコントラストでワイド・ダイナミックレンジな4K撮影ができるとする。最大120fpsのVFR(可変フレームレート)撮影や、2K/HD記録にも対応。カメラ内蔵オンセットカラーグレーディング機能を備え、4Kのプレビュー/編集を容易にしているほか、2K/HDと共に、3種類のプロキシファイルを同時記録するマルチコーデック記録機能も搭載。音声は24bitのリニアPCM記録に対応する。

VARICAM HSのカメラヘッド「AU-V23HS1G」

VARICAM HSのカメラヘッド「AU-V23HS1G」

 VARICAM HSは、2/3型バヨネットマウントを採用。220万画素の3MOSセンサーを搭載し、1080pの撮影が可能。CAC(色収差補正)機能も備え、対応レンズと組み合わせると、レンズで補正しきれないわずかな色収差で発生するレジストレーションエラーをカメラ側で自動的に補正、「プライムレンズに近い映像がENGズームレンズで得られる」という。

 「AU-VREC1G」と組み合わせる事で、AVC-Intraに加え、AVC-ULTRAコーデックの一種である「AVC-Intra Class4:4:4」(12bit 4:4:4、30p/25p/24p)や、「AVC-Intra Class200」(10bit 4:2:2、60i/50i/30p/25p/24p)でのHD撮影も可能。VFR撮影も可能で、「AVC-Intra Class100」時、最大240fpsの撮影が可能。24pでは最大10倍速、30p(60i)では最大8倍のハイスピード撮影となる。

レコーディングモジュール「AU-VREC1G」

レコーディングモジュール「AU-VREC1G」

 前述のように、「AU-V35C1G」、「AU-V23HS1G」と組み合わせて利用するレコーディングモジュール。AVC-ULTRAコーデックシリーズに対応し、4K映像は「AVC-Intra Class4K」、2K映像は「AVC-Intra Class100/200」、「AVC-Intra Class4:4:4」で記録する。

 これらの記録と同時に、高解像度のプロキシファイル(1.5Mbps~6Mbps)を同時にエンコードできるほか、メタデータ管理やプロキシストリーミングのためのワイヤレス・ワークフローにも対応する予定。

 レコーディングモジュールでは、4K撮影やVFRハイフレームレート収録用に、新開発の「expressP2カード」を採用。スロットは、expressP2とP2カード兼用×2基、microP2用×2基の合計4基を装備。expressP2では、4K/24p映像を最大130分、microP2では2K/HD、60pまで対応する。

左がexpressP2カード「AU-XP0256AG」、右が「expressP2ドライブ」(AU-XPD1)

 expressP2カードとして開発されている「AU-XP0256AG」は容量256GB。最大2.4 Gbpsの高速転送と、一般的なフラッシュメモリの誤り訂正では訂正できないセクター/ページ/ブロックの誤りデータを復活させるRAIDシステムと同等の信頼性を実現したという。CPS(Content Protection System)を使い、カードへのアクセスをパスワードで保護できる。

 カードと同時に、「expressP2ドライブ」(AU-XPD1)を発売予定。USB 3.0インターフェイスを採用し、最大2.4GbpsでexpressP2カードからデータを高速転送可能。カードスロットはexpressP2だけでなく、従来のP2カードにも対応する。対応OSはWindows 7/8.1、Mac OS X 10.7/10.8/10.9。

(山崎健太郎)