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JVCケンウッドが事業部制撤廃。世界4地域を地域CEOが統括する新経営体制に

 JVCケンウッドは、5月14日付けで組織変更を行なうとともに新経営体制を発足すると発表した。これまでの事業部制では、商品開発が主導の「プロダクトアウト」型となっていたが、業務用事業の増大に対応できる市場・顧客(マーケット)主導の事業運営に変更。これにより、現行事業の国内外販売を拡大するとともに、M&Aや戦略提携の成果の具体化、次世代事業開発の加速を促すとする。

 マーケット主導体制に向けた具体的な取り組みとして、日本、米州、欧州、アジア・新興国の4地域に地域CEOを設置。各地域の市場特性や顧客ニーズに対応した商品やサービスを現地で企画し、国内事業部門で商品化/具体化して売上拡大と連結業績の改革を進めるという。各地域の連結業績責任は地域CEOが負う形となる。

 事業部制も廃止。上位組織であるカーエレクトロニクス、プロフェッショナルシステム、光学・オーディオ、ソフト&エンターテイメントの4つの事業セグメントに大ぐくり化。各セグメントは、販売部門を地域CEO傘下に移管し、地域CEOの要請にもとづき、企画、技術、生産サービスなどの参加組織により商品化/具体化する。

 また、縮小する民生事業から成長する車載や業務部門事業への人員シフトなどを行なうほか、本社スタッフ部門のスリム化などを行なう。

 新事業体制は、5月14日からスタート。社社外取締役の辻孝夫氏が代表取締役社長兼執行役員最高執行責任者(COO)に就任する。

 30日には、2013年度通期決算も発表。売上高は前年比3.2%増の3,163億円、営業利益は54%減の44億円、純利益はマイナス65億7,100万円と赤字となった。円安により、カーエレクトロニクスの市販/OEM両事業や、イメージング事業などの国内事業が上期に大幅な赤字となるなどで営業利益が減少。ただし、下期については原価総改革、販売改革などの施策により、全セグメントで黒字化した。

 カーエレクトロニクスでは、AVナビ「彩速ナビ」が好調で売上拡大。オーディオ事業は、AVアクセサリーが堅調に推移したが、ホームオーディオ分野が商品絞り込みやスマートフォン普及の影響で販売減となり、減収となった。イメージング事業は、海外/国内での市場の大幅縮小によりカムコーダ分野が苦戦し、減収。映像・光学デバイス事業はプロジェクター分野が業務用4Kモデルの好調などにより販売増となるなどで、増収となった。

(臼田勤哉)