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iriver Astell&Kern、1TB SSD搭載の据置型ネットワークプレーヤー「AK500N」。7型タッチパネルで操作
(2014/7/19 16:28)
東京・中野にあるAV機器の専門店フジヤエービックのデジタルスタイルショップが主催する「ポータブルオーディオ研究会(ポタ研) 2014夏」が、7月19日の土曜日に中野サンプラザで開催。その中で、iriverは製品発表会を開催。Astell&Kern、AKシリーズの新機軸製品として、据置型のネットワークオーディオプレーヤー「AK500N」を発表した。発売日や価格は未定だが、ハイエンドな製品になる見込み。
一体型のプレーヤーシステム。スロットローディング式のCDドライブと、1TBのSSD、USB DAC機能、DLNA再生機能、無線LAN、Ethernet、MQS Streamingサーバー機能、ヘッドフォン出力などを内蔵している。
外形寸法は220×240×215mm(幅×奥行き×高さ)のコンパクトな筐体で、重量は15kg。天面にタッチパネルタイプで7型、1,280×800ドットのIPS液晶ディスプレイを備えており、このディスプレイから様々な操作を行なう。
前面にCDドライブを備えているが、CDをそのまま再生する機能は無い。CDを挿入し、リッピングしたい楽曲を選択すると、内蔵の1TB SSDに蓄積。そこから再生するリッピングサーバー兼プレーヤーとなる。試作機のリッピングはWAVのみだが、FLACやAIFFなど、リッピングのフォーマットは拡充する予定。
Gracenoteのデータベースにアクセスし、楽曲情報やジャケットなどを取得し、リッピングしたファイルに付与できる。
USB端子を備え、PCと接続し、USB DACとして動作(Windows/Mac対応)。ハイレゾを含めた楽曲を再生できるほか、PC内にある音楽ファイルを、USB経由で、AK500NのSSDにMTPモードで転送する事も可能。
iEEE 802.11b/g/nの無線LAN機能と、Ethernet端子を備え、ネットワークプレーヤーとしてDLNAに対応。ネットワークHDD(NAS)などに保存した楽曲をLAN経由で再生できる。韓国ではAK240など、同社ハイレゾポータブルプレーヤー向けに、プレーヤーからハイレゾ音楽ファイルを直接購入・ダウンロードできるサービスが展開されているが、それと同じ機能をAK500Nも搭載予定。PCを使わず、AK500N単体で楽曲購入、ダウンロードができるという。なお、日本でも同様のサービスの実現に向けて音楽配信サービスらと交渉が進められている。
他にも、タブレットやスマートフォンのアプリからら、AK500Nを制御するも機能も搭載予定。
AK240など、同社ハイレゾポータブルプレーヤーが対応しているMQS Streaming機能にも対応。これは、サーバーソフト「MQS Streaming server」を起動しているパソコンのHDDなどに、ハイレゾポータブルプレーヤーからアクセスし、ストリーミング再生をしたり、楽曲の転送を可能にする機能だが、AK500Nの場合はMQS Streamingのサーバーとして動作。AK500NのSSDに蓄積した楽曲を、AK240などで再生したり、ダウンロードでき、母艦のように使うことができる。
再生可能なフォーマットは、WAV/FLAC/WMA/MP3/OGG/APE/AAC/Apple Lossless/AIFFで、DSDのDFF/DSFもサポート。PCMデータは192kHz/24bit、DSDは5.6MHzまでサポートする。
出力端子は、光デジタル、同軸デジタル、AES/EBなどを装備。アナログ出力は、アンバランス×2、XLRバランス×2を搭載する。
「家でも究極の音質を楽しんでいただくための製品」
アユートの渡辺慎一社長は、これまで展開してきたAKシリーズのポータブルプレーヤーについて、「高音質を外でも楽しむためのプレーヤーとして、1年間取り組んだ後、AK240を提供することで、高音質から、“究極の音を外でも楽しむ”事が可能になり、一定の成果を出す事ができた」と説明。
続いて投入を予定するAK500Nについては、「家でも究極の音質を楽しんでいただくための製品。デジタル生活の幅を広げ、新しい音楽の楽しみ方を継続して提案していきたい」とした。
営業部 マーケティンググループの藤川真人氏は、AK500Nの位置づけとして、「ポータブルとホームオーディオの両方を展開する事で、24時間、365日、音楽を楽しんでもらう環境を構築していきたい。ポータブル機器はアジア市場が強いが、その中で、ユーザーとの接点を増やすという意味も含めて、ホームオーディオの分野にチャレンジするモデルと位置づけている」と説明した。
なお、説明会で配られた資料にはAK500Nと積み重ねられるシリーズ機器のイラストも描かれており、藤川氏によれば、一番上にあるのがAK500N、その下にあるのがプリメインアンプ、下部はAK500Nのストレージ増設用のSSDユニットで、3TBを追加し、合計4TBまで拡張できる予定だという。
iriverのブースでは同日午後2時から、イベントも開催。オリジナルアルバムからアニメ劇伴まで、幅広い楽曲を手がけるTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND(テクノボーイズ・パルクラフト・グリーンファンド)がゲストとして登場した。
TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDは、ポップソングとしては史上初という、11.2MHzのDSD(DSD256)でマルチトラックレコーディングを実施。その楽曲は、音元出版の「Net Audio」誌に付属するほか、それを再生できる22.4MHzまでのDSD再生が可能なiFI Audioの「micro iDSD」も7月19日に発売される。イベントは、その発売を記念したもの。
また、14階の展示コーナーにもiriverは出展。ハイレゾポータブルプレーヤーの新モデルであるAK120II、AK100IIが試聴できた。さらに、AK240がファームウェアアップデートにより、NASからの音楽再生に対応した事に関連し、ワイヤレス接続可能なポータブルHDDとAK240を組みわせ、HDDに保存した楽曲を、AK240から無線再生するというデモも行なっていた。