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ソニー、波面制御サラウンドの新7.1chサウンドバー「HT-ST5」

設置性を向上。回り込み強化の新サラウンドモード追加

 ソニーは、波面制御技術や7.1ch独立駆動アンプを搭載したテレビ向けサウンドバーシステム「HT-ST5」を10月31日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は74,000円前後。

HT-ST5

 2013年8月発売の最上位モデル「HT-ST7」と同様の波面制御技術や7.1ch独立駆動アンプを搭載しながら、小型化による設置性向上や新サラウンドモードを追加したサウンドバー。HT-ST7は引き続き併売される。

 ディスクリート構成の7.1ch S-Masterデジタルアンプやワイヤレスサブウーファなどを搭載し、DTS-HD Master AudioやドルビーTrueHDなどHDオーディオのHDMI入出力、4K/60pパススルーに対応。NFCやBluetoothも備えている。横幅は103cmで、46~55型のテレビでの利用を想定している。

波面制御に新サラウンドモード追加。7.1ch独立駆動

HT-ST5

 60mmコーン型のウーファ×2と20mmツィーターのフロントスピーカーと、60mmコーンのフルレンジ×5のセンタースピーカーから構成されるシアターバー部と、5GHz帯を使ったワイヤレス対応/出力100Wのサブウーファから構成される7.1chホームシアターシステム。アンプはソニー独自のS-Masterで、各チャンネルを独立駆動。出力は40W×7ch+100W。

 上位機のHT-ST7と同様に、7.1chのデジタルアンプS-Masterを独立駆動し、ピュアでクリアな音質を実現。フロントサラウンド技術「S-Force PROフロントサラウンド」は、HT-ST7/ST3と同様に「波面制御技術」を搭載し、7つのスピーカーの音の干渉を利用し、左右の耳それぞれに届けるべき音を際立出たせるように制御。ユニットを一列に並べたアレー構成と波面制御技術により、広いスイートスポット(快適に楽しめる視聴位置)と広がりあるサラウンドの両立を図っている。

7.1ch独立駆動アンプと7chユニットをアレー配置
テレビの前面に設置

 加えてHT-ST5では、波面制御技術を使いサラウンド感をさらに強調する「SURROUND 2(フォーカスモード)」モードを新搭載。よりサラウンドの回りこみが深く、前後や上方の移動感を高めたサラウンド再生が行なえる。ただし、スイートスポットが狭くなり、視聴位置を横に移動したりするとサラウンド感が楽しめなくなるという欠点もある。

 HT-ST5では「SURROUND 2」のほか、従来モデルと同様の波面制御サラウンドも「SURROUND 1(ワイドモード)」として選択可能。HT-ST5の最低視聴距離は約2m。ステレオ再生のピュアオーディオモードも備えている。

SURROUND 1(左)とSURROUND 2(右)の効果イメージ
シアターバー部の基板
アンプ部。大型のコンデンサを搭載
電源部
サブウーファ部

 サブウーファの筐体やアンプ出力は、HT7と同等だが、ワイヤレス接続を従来の2.4GHz帯から5.2GHz帯に変更し、家庭内の電子機器などの影響を排除。一方で、HT7のサブウーファで備えていた下面のパッシブラジエータと反射板が省かれ、小型化されている。サブウーファのユニットは180mmコーン型で前面に配置している。

サブウーファの内部構造
サブウーファの背面
サブウーファのメイン基板
設置イメージ

 音響技術の「ClearAudio+」も搭載し、入力したコンテンツの種類に応じてサウンドモードを自動調整。TV VOICE、SURROUND 1/2、PURE AUDIO(2ch)、SOCCER、GAMEなどから接続機器やコンテンツに応じて、音場モードを変更する。
デフォルトで「SURROUND2」

 小音量再生時でも、聞き取りやすさと迫力を向上させる「サウンドオプティマイザー」を搭載。リモコンには新たに「ナイトモード」ボタンを装備し、深夜などの小音量再生時でもサラウンド感を楽しめるよう、ワンボタンでバランスを調整できる。

リモコン
ナイトモードボタンを新設した

4K/60pのパススルーやBluetooth対応も

入力端子部

 シアターバー部に、HDMI入力×3、光デジタル音声入力×2、アナログ音声入力(RCA)×1、HDMI出力×1を装備。HDMI入力はドルビーTrueHDやDTS-HD Master Audioなどのロスレスオーディオに対応するほか、HDMI入力は4K(60p)のパススルーや、3D、ARC(オーディオリターンチャンネル)、HDMI CECなどをサポートしている。

 HDCP 2.2には非対応だが、HDCP 2.2対応のテレビからHDMI ARC経由で音声入力することで、4K放送チューナなどHDCP 2.2対応機器でも活用できるとする。

 Bluetoothを搭載し、AACとaptXコーデックに対応。NFCも備えており、NFC搭載のスマートフォンなどのペアリングや接続/切断、接続切り替えなどをワンタッチで行なえる。Bluetooth経由の圧縮された音源で、圧縮時に失われる信号などを補間してオリジナル音源に近い形に復元する「ハーモニックイコライザー」も搭載している。

 スマートフォン/タブレット用の操作アプリの「SongPal」もAndroidとiOS向けに提供。スマホからの音楽再生などのほか、HT-ST5の設定などにも活用できる。

NFCやBluetoothに対応
角度調整用のスタンドが付属(出荷時は装着済)

 消費電力は55W(シアターバー)/30W(サブウーファ)。シアターバー部の外形寸法は1,030×120×120mm(幅×奥行き×高さ/スタンド含む)、重量は6.1kg。サブウーファ部は242×407×355mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約11kg。角度調整用のスタンドが付属。壁掛け設置にも対応する。

壁掛け設置にも対応

(臼田勤哉)