ニュース

アドビ、Premiereのオブジェクトマスクが大幅強化。複雑な動きもワンクリックでマスク作成

Premiereの新しいオブジェクトマスク機能

アドビは、PremiereとAfter Effectsのアップデートを発表。Premiereでは、AIを搭載することで、クリックするだけで複雑に動くオブジェクトのマスクを作成できる機能強化を行なう。After Effectsは、SVGファイルをシェイプレイヤーとして読み込めるようになり、Illustratorで作成したレイヤーからのアニメーション作成が可能になった。

今回のアップデートは、本日(1月21日)から今週にかけて順次利用可能になる。

Premiere

AI搭載の「オブジェクトマスク」では、複雑な動く被写体の精密なマスク作成・調整・トラッキングが、ホバー&クリックだけの簡単な操作で行なえるようになった。

ツールバーからオブジェクトマスクを作成可能になり、フレーム上でカーソルを合わせた場所にオーバーレイが自動的に表示され、マスク対象を特定。なげなわツールや長方形編集ツールでマスク領域の追加・削除も行なえるほか、ぼかしやサイズ調整機能で簡単に微調整できる。

ぼかしと拡張コントロールにより、オブジェクトマスクを滑らかに調整し、「完璧なフィットを実現する」とのこと。

このオブジェクトマスク機能には、アドビの新しいAIモデル採用。処理はデバイス上で行なわれ、アドビのすべてのAIツールやAIモデル同様に、ユーザーのデータを使用してトレーニングを行なうことは一切無いとしている。

シェイプマスクも大幅に進化。従来のバージョンと比較してトラッキングが最大20倍高速化した。楕円形、長方形、ペンツールにより、顔のぼかしやフレーム内の一部領域の再照明などの効果を適用できる。

シェイプマスク機能

オブジェクトマスクと同様に、ツールバーから直接シェイプマスクが生成できるようになった。プログラムモニター内でマスクのサイズ変更、移動、回転、ぼかしを適用する際も、精度と柔軟性が向上。再設計されたベジェ曲線によりマスクのカスタマイズがより滑らかになり、カラーオーバーレイの選択オプションでマスクを効果的にプレビューできる。

複数のマスクを追加・削除・合成し、異なるブレンドモードで組み合わせることで、クリエイティブの可能性を広げられるとしている。

「双方向にトラッキング」により、ワンクリックで前後方向のトラッキングに最適な開始フレームを特定可能。さらに3Dパースペクティブトラッキングを使って、傾斜がついたスクリーンや壁面、顔などの任意の表面にマスクを固定できる。マスクのトラッキング速度をフレーム毎秒単位で正確に確認できる。

コミュニティからの要望が多かったという、ライブトラッキングプレビューも実現。トラッキング完了後、マスクのトラッキングのプレイバックを視覚的に確認し、微調整が必要な領域を特定できる。

Fireflyボード上のメディアをワンクリックでPremiereへ転送可能になったほか、Frame.ioとの連携も強化。新機能の「Frame.io(V4)」パネルにより、編集作業を中断することなく、コメント、メディア、バージョン管理が行なえる。

Fireflyボードからの転送
Frame.io(V4)

Premire内にAdobe Stockも統合され、5,200万点以上のクリップの閲覧、プレビュー、ライセンス取得、読み込みが作業を中断することなく行なえるようになった。

After Effects

SVGファイルのインポート

After Effectsでは、ベクターワークフローがスムーズになる強化を実施。Illustratorで使用する一般的なファイル形式であるSVGファイルを、ネイティブの編集可能なシェイプレイヤーとして読み込み、完全なベクター精度でアニメーションの作成を始められる。

Illustratorレイヤーをシェイプレイヤーに変換する際、グラデーションと透明度は編集可能な状態に保たれるため、色の遷移をキーフレームで設定したり、グラデーションの動きをアニメーション化したりできる。新たに追加されたグラデーションの「スケール」と「回転」プロパティにより、塗りつぶしやストロークの表現力が高まるとしている。

After Effects内でゼロから作成可能な、パラメトリックメッシュを用いた3Dデザインも実現。立方体、球体、円柱、円錐、トーラス、平面を構築・カスタマイズでき、形状をブロックのように組み合わせ、スタイリッシュなグラフィックやフォトリアリスティックな場面を制作できる。

ネイティブ3Dパラメトリックメッシュの作成

また、ネイティブメッシュと読み込まれたモデルの両方にSubstance 3Dマテリアルを適用できるようになり、わずか数クリックでモデルにスタイルとリアリズムを加えられる。これらのマテリアルはカスタマイズも可能だ。

After Effectsでは、Substance Community Assetsを通じて数千ものマテリアルにアクセス可能で、全ユーザーが1,300種類以上の無料マテリアルを利用できる。オフセット、回転、広範囲のコントロールで「理想のルックに仕上げられる」とする。

Substance 3Dマテリアル

モーションタイポグラフィも大幅に強化。「テキストアニメーター」システムを活用し、バリアブルフォントが公開するあらゆる軸(パラメーター)をアニメーション化できる。

プロパティパネルでウェイト、幅、傾斜、ウィグル、デザイナー定義のフォント軸を調整し、エッセンシャルグラフィックスパネルやモーショングラフィックステンプレートを通じて制御することで、自由度の高いタイトルやテンプレートを作成できる。

モーションタイポグラフィ