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東芝、次世代大容量ハードディスク開発に貢献する新技術
2026年1月21日 19:00
東芝は、ハードディスク(HDD)のさらなる大容量化を実現する可能性がある次世代技術「共鳴型マイクロ波アシスト磁気記録(MAS-MAMR)」向けに、磁気ヘッド内の「スピントルク発振素子(STO)」の発振状態を詳細に解明できる世界初の評価方法を開発した。
同社が開発を進めているMAS-MAMRは、新しい記録方式とされる“エネルギーアシスト磁気記録技術”の1つ。磁気ヘッドの先端の形成されるSTOからマイクロ波を生成し、記録媒体粒子に局所的に照射することで、HDDの大容量化を可能にする。
MAS-MAMRで記録密度を高めるには、マイクロ波の安定性・周波数・強度・振動方向といった要素が重要で、さらにその源となるSTOの発振状態を解析・理解することが、STOの設計改良とHDDのさらなる大容量化に不可欠とされる。
しかし、磁気ヘッドは複雑な構造を持ち、そこに設置されるナノスケールのSTOを直接観察して発振状態を解析することは極めて困難とされてきた。
そこで東芝は、NIMSと共同研究を行ない、評価用のアンテナを新たに導入。STOに外部からマイクロ波を照射することで、従来困難だった発振状態の直接評価を可能とする評価手法を新たに開発した。
この手法は、STOの発振と評価用のアンテナから照射するマイクロ波の同期現象に着目したもの。同期現象の有無はSTOの発振状態によって異なり、特に双発振型STOの狙いである双発振状態では、同期現象が現れない。従来の測定では発振信号に差が見られない場合でも、双発振状態と非双発振状態を明確に区別し、発振状態を解明できる。
また、アンテナを導入するだけで評価が完了するため、数10GHzという高周波で発振するSTOの状態を磁気ヘッド内部で直接特定できる世界初の手法だという。
STOは、人間の脳の働きを模倣するコンピューティング手法であるニューロモルフィックコンピューティングや、時系列データ処理に適したリザバーコンピューティングなど、次世代計算システムへの応用が期待されており、今回の手法は、MAS-MAMRだけでなく、STO全般に広く適用できる。
東芝では、MAS-MAMR技術と、もう1つのエネルギーアシスト磁気記録技術である「HAMR技術」の両輪で次世代の大容量HDD開発を加速。急速に拡大するデータセンターや生成AIなど、多様化するストレージニーズに応えるソリューションを提供していくとしている。

