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パナソニック、直下LED+IPSの“最高画質”4K VIERA AX900

リモコン無しで音声操作。高輝度+新映像エンジン

 パナソニックは、高輝度IPS液晶パネルや直下型LED、独自のヘキサクロマドライブなどで高画質化した4K液晶テレビ最上位「VIERA AX900シリーズ」を10月17日より発売する。55型、65型、85型の3サイズ/4モデル展開で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は50万円〜200万円前後。

VIERA新モデル。左側の4機種がAX900シリーズ

 4K VIERAの最上位シリーズで、85型の「TH-85AX900」と65型が「TH-65AX900」、55型は「TH-55AX900」、「TH-55AX900F」を用意する。店頭予想価格は85型が200万円前後、65型が80万円前後、55型の2モデルが50万円前後。85型は受注生産となる。

TH-65AX900

 TH-65AX900/55AX900は、スタンドを一体化し、画面を上方向に傾斜させた“スラントデザイン”を採用、TH-55AX900Fは通常のスタンドを採用している。

TH-85AX900
TH-55AX900とTH-55AX900F
TH-55AX900
TH-55AX900F
TH-65AX900/55AX900はスラントデザインを採用

 AX900シリーズは、直下型LEDバックライトやローカルディミング、忠実画質再現技術「ヘキサクロマドライブ」などにより、「VIERA史上最高画質」を謳う最上位機。画質の強化のほか、声だけでテレビの主要操作が行なえる「音声ダイレクト操作」や、外出先から録画/放送番組を視聴できる「リモート視聴」などの機能も搭載している。

 エッジ型LEDで40〜55型までの4Kエントリー機「AX700シリーズ」も10月17日に発売。店頭予想価格は20〜30万円前後。この年末商戦の4K VIERAは、6月発売の「AX800」シリーズとあわせて3シリーズ12モデル展開となる。AX700シリーズについては別記事で紹介する。

TH-65AX900
TH-85AX900
TH-55AX900

直下LED+エリア駆動+広色域+広視野角で高画質。プラズマのノウハウも

VIERA AX900高画質のポイント

 85/65/55型の3,840×2,160ドット/4K液晶パネルを搭載。直下型のLEDバックライトと、65/55型は高輝度IPSパネルを採用し、明るく、ハイコントラストで、かつ広視野角な映像を実現する(85型はVAパネル)。

 IPSパネルの採用により、水平/垂直方向の視野角を178度まで拡大し、どの方向から見ても鮮やかな映像再生が可能となった。4Kテレビでは従来よりも画面に近づいて視聴できることから、視野角特性が画質に重要な要素と判断し、IPSパネルの採用を決めたとする。

 パネル自体の開口率の向上に加え、直下型LEDの採用により、輝度を従来モデルAX800シリーズ比で約2倍に向上した。

高輝度IPS液晶パネルと直下型LEDバックライトを採用
IPS液晶パネルの採用で斜めからみても色変化を抑える
WT600(左)とのVX900(右)の視野角の違いを訴求

 直下型LEDの採用とともに、バックライトエリア制御(ローカルディミング)に対応。映像シーンの部分ごとに、バックライトの明るさを制御することでコントラスト感を大幅に向上。コントラスト感だけでなく、暗部、明部の階調表現にもこだわったという。ローカルディミングのエリア分割数は100分割以上と、業界最高クラスとしたほか、制御用のLEDドライバを新開発し、暗部と明部の輝度差が大きなシーンで、暗部に光が漏れてしまう「ハロー」現象も大幅に削減している。

ローカルディミングも強化。コントラスト感の向上だけでなく、
5×5のバックライトエリア駆動に対応した
TH-65AX900

 同様にエリアガンマ制御も強化。映像の暗い場所や明るい場所を分析し、輝度を制御し、暗いシーンでも黒の階調を細分化して黒つぶれを抑え、暗部の豊かな階調性を引き出すとする。

 また、映像エンジン「ヘキサクロマドライブ」による、広色域化と忠実画質の追求も強化ポイント。通常は3原色(RGB)の3つの座標軸だけで行なう処理を、補色(CMY)も加えて6つの座標軸で補正を行なう事で、中間色のねじれによる不自然な色の発生を抑え、色彩豊かつ忠実な映像再現を可能とする。

ヘキサクロマドライブで色再現性も向上
BT.2020信号表示に対応

 パネル自体のデジタルシネマ規格DCI色域カバー率は約98%で、従来モデルAX800と同等だが、新たに次世代の4K放送規格「BT.2020」の信号表示に対応した。DCIより更に広いBT.2020の色域のすべてをカバーするわけではないが、通常のHDTVの色域(BT.709)に色域圧縮せずに、ヘキサクロマドライブによりBT.2020信号の色バランス保ったまま最適化して表示できる。

 撮影時に圧縮されてしまうハイライト部の映像を復元し、白飛びを抑えて本来の輝きや奥行き感を再現する「ダイナミックレンジリマスター」も新搭載。圧縮されてしまった輝度信号だけでなく色信号も検出/予測し、復元することで、撮影時の圧縮が問題で、白飛びしてしまっていた光の中に埋もれている、木々の葉や色などのディテールを再現できるという。

ダイナミックレンジリマスターで、撮影時に欠落した情報を補間
4KファインリマスターエンジンPRO

 4K映像もHD映像も高画質処理する「4Kファインリマスターエンジン」は、新開発LSIによる「4KファインリマスターエンジンPRO」に進化。HDやSD、4Kという入力信号だけでなく、「HD信号だが元はSD」といった映像でも「原画解像度」を予測し、最適な超解像処理を行なうことで、高画質化する。

 この原画解像度判別処理に加え、従来モデルと同様に入力信号を映像データベースと照合し、画質補正を行なう「適応型リマスター超解像」や、絵柄にあわせた処理で映像の質感を高める「適応型ディテール超解像」を組み合わせ、地デジ放送やBDだけでなく、4Kネイティブ映像も高画質に4K表示する。

原画判別
適応型リマスター超解像
適応型ディテール超解像

シネマモードも進化

 映画再生時の画質強化にも注力し、「シネマモード」も進化。AX800シリーズと同様にプラズマテレビのノウハウを活かしながら、向上した輝度性能を活かした新モードや、IPSの広視野角特性に最適化したガンマの見直しなどを図っている。

 新しい「シネマモード」は、ダイナミックレンジリマスターによる高輝度を活かしながら暗部、明部の階調性を重視。色域もDCI相当に拡張する。輝度は100cd/m2程度。一方のシネマプロモードは原画忠実再現モードで、輝度は約50cd/m2。

 IPSパネルはコントラスト感が弱くなる特性があるが、IPSの特性にあわせてLEDドライバを新規設計。さらに、多分割の直下型バックライトのアルゴリズムも黒浮きに配慮して、再構築し、黒を締める方向で調整。ガンマカーブもIPSに最適化した。ガンマカーブについては、パナソニックハリウッド研究所(PHL)と共同で検討。ハリウッドのポストプロダクションスタジオとも共同で画質検討を行なったとする。

 THX 4Kディスプレイの認証も取得。3Dは、アクティブシャッター方式の3Dに対応。3Dメガネ「TY-ER3D20W」は別売(85型はTY-ER3D4MW)。3Dメガネの通信方式はBluetooth。

リモコンなしでテレビを音声操作「ダイレクト音声操作」

 チューナは地上/BS/110度CSデジタル×3で、USB HDDへの2番組同時録画機能も備えている。また、新規格のSeeQVault(SQV)に対応し、SQV対応USB HDDへの録画番組ダビングが可能。SQV対応HDDの番組は他のSQV対応VIERA/DIGAから再生できる。SeeQVault関連の動作については後述する。

ダイレクト音声操作

 録画番組やYouTubeを串刺し検索できるユーザインターフェイス「マイチャンネル」を採用。テレビ番組やUSB HDD/DIGAの録画番組、YouTube動画などのコンテンツを横断的に表示し、「あなたへのお勧め」や、キーワード検索したコンテンツなどを案内してくれる。

 操作系の新機能は、リモコンなしで音声だけでVIERAの操作が可能となる「ダイレクト音声操作」。本体上部にマイクを内蔵しており、「テレビをつけて」と音声で命令すると電源がONになる。テレビの正面から左右18度以内、距離3m以内で操作できる。

ダイレクト音声操作の利用イメージ

 テレビ視聴中に「マイクオン」としゃべると音声入力画面が表示され、チャンネル切り替えや地デジ/BS/CSの切り替え、ボリューム操作、番組表操作や録画予約、フリーワード/一発検索、マイチャンネルの横断検索、Webブラウザ操作などが行なえる。「テレビを消して」のコマンドで、電源オフできる。また、マイチャンネルのコンテンツにはサムネイルに番号がふられているため、コンテンツの番号を言うだけで再生できる。

 従来のAX800シリーズでは、リモコンのマイクに語りかける方式だったが、AX900シリーズではリモコンなしでも利用可能になったため、手がふさがっている時や、リモコンが見つからない時などでも、音声でVIERAの操作が行なえる。

録画予約操作やDIGAの操作にも対応
YouTubeも検索でき、コンテンツ番号を選んで再生を開始
ダイレクト音声操作の利用例

ファイル共有やリモート視聴、4K HEVCなど充実のネット機能

 Ethernetを装備。DTCP-IP/DLNAサーバーとしてVIERAが動作し、家庭内の対応機に録画番組や放送番組を転送する「お部屋ジャンプリンク」に対応。お部屋ジャンプリンク対応のVIERAなどにネットワーク経由で映像出力できる。接続したUSB HDD内のファイルをホームネットワーク内で共有する「ファイル共有」機能も装備する。

 また、新著作権保護技術の「SeeQVault」(SQV)に対応。SQV対応のUSB HDDを接続することで、録画番組や写真、動画のバックアップが行なえる。SQV対応のUSB HDDは、アイ・オー・データ機器が「AVHD-AUSQシリーズ」を発売予定。

 従来のUSB HDDの場合、DIGAやVIERAなどに紐付いた専用フォーマットのHDDとして管理され、VIERAで利用していたUSB HDDを他のVIERAにつないでも、HDD内のコンテンツは認識されない。一方、SQV対応のHDDの場合、他のSQV対応機器でもHDDのコンテンツが利用できるようになる。

 ホームネットワークだけでなく、外出先のスマートフォンからVIERAの番組を視聴する「リモート視聴」にも対応。iOSやAndroid用アプリ「メディアアクセス」を事前にVIERAとペアリングしておくことで、VIERAの放送/録画番組を外出先からインターネット経由で視聴できる。

 メディアアクセスはiOS版のほか、10月上旬を目処にAndroid版も提供予定。iOS 7.0以降とAndroid 4.03以降に対応する。

タブレットやスマホでVIERAの受信番組を外出先で再生する「リモート視聴」
リモート視聴に対応

 SDカードスロットやUSB端子も装備。デジタルカメラやビデオカメラ、ウェアラブルカメラなどで撮影した4K動画の再生が可能。YouTubeやアクトビラなどの動画再生に対応するほか、4K HEVC/H.265デコーダも内蔵し、対応映像配信サービスがスタートした場合は、4K VODも実現可能としている。Hybridcastにも対応する。

4KカメラやDIGAを組み合わせたパナソニック4K製品のつながりを訴求
パナソニックならば4Kの「撮る」、「見る」、「残す」が可能に

 HDMI入力は4系統で、HDMI 2.0や著作権保護技術のHDCP 2.2に対応する。Skypeにも対応している。消費電力や年間消費電力量は未定。


TH-85AX900 TH-65AX900 TH-55AX900 TH-55AX900F
サイズ 85型 65型 55型 55型
解像度 3,840×2,160ドット
パネル VA IPS IPS IPS
デザイン - スラント スタンダード
デジタル
チューナ
3
入力端子 HDMI×4、DisplayPort×1、D4×1、ビデオ入力×1
出力端子 光デジタル音声×1、アナログ音声(2ch)×1、ヘッドフォン
その他端子 Ethernet、USB 3(USB 3.0×1、USB 2.0×2)
SDカード
スピーカー出力 40W 18W
外形寸法
(幅×奥行き
×高さ)
191.7×35.1
×116.3cm
145.7×35.6
×86.3cm
123.8×23.8
×74cm
123.8×29.2
×74cm
重量
(スタンドあり)
約87kg 約52kg 約40s 約29.5s
重量
(スタンドなし)
約73.5kg 約35kg 約26s 約26s
綾瀬はるかさん

 VIERA新製品発表会には綾瀬はるかさんも登場。綾瀬さんは、パナソニックが2020年東京オリンピックに向けて開始する「ビューティフルジャパン」プロジェクトのアンバサダーに就任。同プロジェクトでは、パナソニックの技術を使い、日本の美しい景色を記録していくとともに、オリンピックに挑戦する若者のチャレンジを長期的にサポートしていく。発表会の模様は別記事で紹介する。

(臼田勤哉)