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50回目の「Inter BEE」開幕。ソニーが4K30型有機ELモニターや小型4Kプレーヤーなど展示
(2014/11/19 19:37)
国際放送機器展「Inter BEE 2014」が19日、千葉県の幕張メッセで開幕した。期間は21日までで、入場は無料(登録制)。今年は50回目の節目を迎え、ついに試験放送が始まった4K、さらにはその先の8Kも見据えた新しいカメラやモニターなどの放送機器、ワークフローなどが展示・紹介されている・出展社の中から、4K超単焦点プロジェクタや30型有機ELモニタなどを展示していたソニーのブースをレポートする。
30型有機ELや、超単焦点プロジェクタ、小型プレーヤーなど「4Kを見る」製品が多数登場
既報の通り、ソニーはInter BEE開幕の19日に、30型の4K有機ELマスターモニター「BVM-X300」を発表。2015年2月より発売し、価格は388万円。放送局や映像制作プロダクションなどへの販売を見込む。独自のスーパートップエミッション有機ELパネルに、長年のTRIMASTER技術を加えることで、マスターモニターに求められる高画質と信頼性を実現したという。
DCI規格の4,096×2,160ドット/60pまでサポートし、DCI-P3の色域をカバーするほか、ITU-R BT.2020にも対応。入力は3G/HD-SDI×4で、4K制作で主流になる2 Smaple Interleave信号と、Square Division信号に対応。4K/60pまでの信号表示に加え、2K/HDのズーム表示にも対応する。有機ELの高コントラストに加え、モニターのピーク輝度を上げるHDR表示にも対応。
展示ホール3のブースとは別に、隣の国際会議場(201会議室)に用意したのは、4Kプロジェクタ3台を使った超ワイドの12K×2K映像デモ。4Kデータプロジェクタの「SRX-T615」を横に並べ、各映像をブレンディングして12K×2Kの映像として投写している。ワールドカップの映像では、フィールド全体を収めたサイズでも、各選手や、観客などの動きがつぶれずに表示できることなどをアピールしていた。
また、隣のコーナーには、10日に発表した業務用4K SXRD超短焦点レーザー光源プロジェクタ「VPL-GTZ1」(約550万円)も展示。約17cmの至近距離から最大147インチの4K映像の投写が行なえるプロジェクタ。Inter BEE会場では、約15cmの距離から、120型で投写していた。
ソニーは米国などで、ローボードタイプのコンシューマ向けモデル「Life Space UX」を発売しているが、この製品とプロジェクタ部の基本仕様は共通。主な違いとして、VPL-GTZ1は床への設置だけでなく天吊りにも対応させるために上下の反転を可能にしたほか、スピーカーを省いた。また、両脇に持ち運び用のハンドルを備えている。
上記のプロジェクタ以外にも、「4Kコンテンツを見せる場」を拡大する取り組みの一例として、小型の4Kメモリープレーヤー「PMW-PZ1」を技術展示。'15年春の製品化を目指しており、価格は40~50万円前後を想定している。
4K映像などの再生に特化した製品で、本体の3.5型液晶を使って撮影後や編集後のチェックができるほか、HDMIやSDIで外部モニターに接続して完パケのデータを確認するといったことも可能。HDMIは4K/60p(4:2:0)をサポートする。USB 3.0 HDDなどからのダイレクト簡易再生も行なえるほか、SxSメモリーカードからUSB 3.0 HDDなどへのコピーにも対応する。外部バッテリで動作できるよう、別途変換ケーブルを用意することなども検討している。本体のモニタは4Kカメラ・F55のビューファインダと同等のものを使っており、解像度はQHD。
カムコーダの注目製品は、10月に発売したレンズ交換式XDCAMメモリーカムコーダー「PXW-FS7」。4K XAVC本体記録に対応し、価格は98万円。デジタル一眼のαシリーズと同様のEマウントを採用している。新開発のグリップアームとショルダーパットにより、長時間安定して肩のせスタイルで撮影可能。また、ローアングル撮影でも抱え込みやすいボディ形状を採用している。