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パナソニック、「4K+」のレーザー光源DLPプロジェクタや多目的4Kカメラ
(2015/11/18 19:27)
国際放送機器展「Inter BEE 2015」が18日、千葉県の幕張メッセで開幕した。期間は20日までで、入場は無料(登録制)。出展社の中から、4K解像度を超える「4K+」の業務用レーザー光源DLPプロジェクタや、4K/60p対応の小型カムコーダ「AG-DVX200」などを展示していたパナソニックのブースをレポートする。
4K超/240Hzで小型化も実現したレーザー光源プロジェクタ
業務用DLPプロジェクタの新製品として、「クワッドピクセルドライブ」により4Kを超える解像度を実現した「PT-RQ13K」を展示。11月発売で、価格はオープンプライスだが、想定価格は1,000万円を超える見込み。
搭載するDLPチップは解像度2,560×1,600ドット(2.5K)だが、画素を垂直方向と水平方向の2軸に高速でシフトさせる「2軸画素シフト光学技術」で画素密度を4倍まで高密度化。これを同社は「クアッドピクセルドライブ」と呼んでいる。この技術と、最大5,120×3,200ドット(16:10)の高解像度や補間フレームで240Hzにする高速信号処理「リアルモーションプロセッサー」により、なめらかな動画再生を可能にしており、同社は「超高解像度の4K+を実現する」としている。
レーザー光源と新開発の冷却装置を採用したことで、従来製品に比べ小型化やメンテナンス性の向上も実現。輝度は1万ルーメン、コントラスト比は2万:1。外形寸法は578×740×323.5mm(幅×奥行き×高さ/脚部最小時)、重量は約49kg(別売レンズ除く)で、同等クラスのプロジェクタにおいて世界最小最軽量としている。光源寿命は2万時間のため、従来はメンテナンスのため天吊りしにくかった場所にも設置しやすくした。
インターフェイスは3G-SDI×4のほか、別売拡張スロットでHDMIなどにも対応。HDMIはHDCP 2.2もサポートする。Ethernetを使ったHDBase-Tによる4K映像伝送も可能。
赤い4Kカメラ「AG-DVX200」や、レンズ交換型4K多目的カメラなど
カメラでは、10月に発売したばかりの4K/60p対応の小型カムコーダ「AG-DVX200」が用意され、手に取って撮影する来場者の姿が多く見られた。4/3型大判センサーを搭載したレンズ一体型で、大判センサーによる被写界深度の浅い美しいボケ味のある映像や、新VARICAMシリーズから継承されたV-Log Lによる豊かなラチチュードを実現。クリムゾン・レッドのカラーリングを採用した本体デザインも特徴となっている。このDVX200に、ATOMOSの4Kレコーダ「SHOGUN」を組み合わせた4K映像制作ソリューションも紹介していた。
4Kスタジオハンディカメラ「AK-UC3000」は、新開発4K大判センサー搭載による豊かな階調表現や、CCUからの4K/HD/SD同時出力によるサイマル運用への対応などが特徴。レンズマウントは2/3型。IP制御やIPストリーミングにも将来のアップデートで対応予定としている。
小型の4Kマルチパーパスカメラ「AK-UB300」は、4K対応回転台「AW-PH410」と組み合わせて展示。新開発MOSセンサーを搭載し、4K/HD同時出力が可能。4K映像からHDの切り出しもできる。IP制御/IPストリーミングにも将来対応予定。
その他にも、簡易スタジオカメラとして、業界初というカメラアダプタ(CA)レスのシンプルな接続ができる「AJ-PX380」を使ったシステムを展示。HDMI出力からビューファインダに出力し、配線は汎用SDIのみで行なうローコストなスタジオシステムを紹介している。
リモートコントロールも可能な4Kインテグレーテッドカメラ「AW-UE70」は、1/2.3型MOSと、光学20倍/超解像30倍ズームを搭載。4ドライブレンズシステムにより4K撮影時も高画質にズームできるという。HDMI/USB/Ethernetで4K映像を出力可能。microSDにも4Kなどで記録できる。このカメラからの映像を、20型/4K解像度の堅牢タブレット「TOUGHPAD FZ-Y1CH」でモニタリングしながらカメラ操作ができるシステムを展示している。
「4K(4,096×2,160ドット/24p)録画をサポートする」というUHS-I UHSスピードクラス3対応の業務用SDXCカード「UE DVXシリーズ」も展示。64GBと128GBを用意し、取材などの内容を書き込めるメモ書きラベルを採用。要望に応じて、オリジナルデザインのラベルにカスタマイズすることも可能(1ロット2,000枚以上から受付)。