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JVC、レコーダと操作部を分離したSuper 35mm 4Kカメラ

カメラ部約265g。マイクロフォーサーズのレンズ交換型

 JVCケンウッドは、小型4K/60pカメラと液晶付きビデオユニット、コントローラの3つを分離したJVCブランドの業務用カメラシステム「GW-SP100」を6月中旬に発売する。価格はオープンプライスで、想定価格は140万円前後。レンズは別売で、マイクロフォーサーズマウントを採用している。

GW-SP100(カメラのレンズとカメラユニットケーブルは別売)

 4K/60p対応で約265gのカメラヘッド部と、液晶モニタ付きビデオユニット、コントロールユニットで構成するカメラシステム。CATV局や映像制作プロダクションなどのほか、医療や検査といった様々な分野での4K撮影/再生に利用することを想定している。

 カメラ部には、グループ会社のAltaSensが開発したSuper 35mmサイズの1,350万画素CMOSセンサーを搭載。センサーサイズを活かした高精細な映像と、被写界深度の浅い映像表現を可能にする。広いダイナミックレンジに対応し、明暗差が大きな被写体や低照度の環境下における撮影でも、鮮明で色再現性の高い撮影が可能としている。

 マイクロフォーサーズのレンズマウントを採用し、用途に応じて別売レンズを付け替えられるのも特徴。推奨レンズは、オリンパスのM.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8と45mm F1.8と、M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm/F4.8-6.7 II。

 ビデオユニットには、解像度1,920×1,080ドット/60p対応の7型液晶モニタを装備。撮影中のモニタリングや撮影情報表示、撮影後の映像確認ができる。液晶部をビデオユニットから脱着し、折り畳んで持ち運ぶことも可能。

 専用小型コントロールユニットは、付属の5mケーブルでビデオユニットに接続し、カメラのREC/PAUSE、フルオート、ズーム、アイリス、フォーカス調整などの操作に加え、ガンマ、ニー、ゲイン、シャッタースピード、ホワイトバランスなどの詳細も可能。カメラユニットを三脚やジブ、クレーンなどに設置した場合でも、手元でコントロールできる。

 カメラユニットのケーブルは別売で、1m、5m、10mの3種類を用意。5mまたは10mを使用する場合は、別売のメタルケーブルアダプタセットが必要。

 4K映像の記録モードは3,840×2,160ドットの59.94p/29.97p/23.98p/50p/25pで、最大ビットレートは150MbpsのVBR(4:2:2/4:2:0)。23.98pや4:2:2の記録には、今後のアップデートにより対応予定。AppleのFinal Cut Proでダイレクト編集が可能なQuickTime形式で、映像コーデックはMPEG-4 AVC/H.264(MOV)。HD記録はQuickTimeのほかAVCHDにも対応し、1,920×1,080/60pなどのモードを用意する。

 記録メディアはSDHC/SDXCメモリーカードで、4K記録にはUHS-I(UHS Speed Class 3)対応カードを利用する。HD記録時はClass10以上。ビデオユニット部にSDカードダブルスロットを4K×2、HD×2の合計4スロット装備。4K/HDの各スロットでシームレスな長時間連続記録が可能な「シリーズ記録」や、2つのスロットに同じ画像を記録する「デュアル記録」が選べる。

 デジタル出力端子として、HD/3G-SDIとHDMIを装備。3G対応のSDI出力や、HDMIからは4Kを含む外部出力が行なえる。非圧縮のフルHD映像と音声を、HD-SDI(Moni)とHDMIから同時に出力することも可能。そのほか、ステレオミニの音声入力やヘッドフォン出力、ストレージ/デバイス接続用のUSBなどを装備する。

 アップデートによる機能追加も予定しており、上記の24pや4:4:2記録に加え、Genlock入力や、Time Cord入出力、装着レンズに合わせて最適なセンサー領域を設定できる「バリアブルスキャンマッピング」、プロキシ記録に対応する見込み。アップデート時期は、今後同社Webサイトで案内する。

 電源はACアダプタを使用するほか、別売バッテリでも動作可能。外形寸法(幅×奥行き×高さ)と重量は、カメラユニットが89×51×80mm、約265g、ビデオユニットが248×265×196mm(液晶ユニットを装着して開いた状態)、約1,580g(うち液晶ユニット約540g)、コントロールユニットは150×30×100mm、約235g。

(中林暁)