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空撮可能なJVC小型M4/3マウント4Kカメラや、8K3D上映など。4K制作に新VAIOタブも活用
(2014/11/19 23:47)
11月19日から21日まで、千葉県の幕張メッセで開催されている国際放送機器展「Inter BEE 2014」から、JVCケンウッドやNHKメディアテクノロジー、アストロデザイン、キヤノンなどのブースをレポートする。
JVCケンウッド、マルチコプター対応の4Kレンズ交換式カメラなど
'15年2月に発売予定のJVC小型4Kカメラ「GY-HM200」(約29万円)を出展したほか、'14年度内の発売を予定しているレンズ交換式の4K対応カメラを多数展示していた。
参考出展のカメラユニット「GY-LS300」は、4K対応のスーパー35mmセンサーとマイクロフォーサーズマウントを採用。同社が子会社化したAltaSensのイメージセンサーを搭載している。
また、PLマウントの4Kメモリーカードカメラレコーダ「GY-LSX1」も参考出展。こちらもスーパー35mmセンサーを搭載し、4K撮影に対応する。
さらに、分離型の超小型カメラモジュールとビデオユニット、コントローラをセットにした「GW-SP100」も参考展示。延長ケーブルや専用ジンバルと組み合わせ、マルチコプターへの搭載や、リモート操作のカメラなど、様々な用途を提案している。ビデオユニットにはSDカードを使ったレコーダ部を備え、着脱・折り畳み可能な7型フルHD液晶モニタを装備。コントロールユニットで操作する。
創立30周年のNHKメディアテクノロジーが8K3Dをデモ
NHKメディアテクノロジーは、創立30周年を迎えたことを記念し、Inter BEEの国際会議場で技術展を実施。独自に制作した8K3D映像や、4K裸眼3Dなどを出展していた。
8K3D映像は、同社が20年以上手掛けてきた3D映像関連の技術を活かし、今回の技術展に合わせてチャレンジしたものだという。自社で保有する8Kカメラと、メーカーからレンタルした1台を組み合わせ、カメラをのせるリグなども製作。会場内に200型のリアプロジェクション型ディスプレイと22.2ch音声のシアターブースを用意し、来場者が偏光メガネでコンテンツを視聴可能となっている。なお、シアターへの入場には整理券が必要。
開幕日の19日には、8K3D映像制作を担当したエンジニアと、AV評論家の本田雅一氏によるトークセッションも行なわれ、本田氏が8K3D映像の見どころを解説し、エンジニアが制作の裏話などを語った。
アストロデザイン、8K/4K製品やMMT多重化関連の製品など
'16年の8K試験放送に先駆けて、NHKと共同開発した8K SHVカメラ「AH-4800」や対応レコーダなどを出展。
また、放送と通信を連携させたHybridcastにおける次世代の多重化方式「MPEG-H MMT」(MMT)対応の製品も出展。MMTのストリームを収録、再生するレコーダ/プレーヤーの「CP-5541」は、256GBのSSDを内蔵し、200Mbpsのストリームを最大2.9時間収録可能。MMTの簡易的な解析も行なえる。
ストリームをリアルタイムに解析するMMTアナライザの「SP-5800」は、解析結果をアプリケーションのGUIに表示可能。ログ出力や、入力IPパケットの収録などが行なえる。
Celevoは1080対応の「LiveShell Pro+」
Ustreamやニコニコ生放送、YouTube LiveなどにPCレスで動画配信できるライブ配信機器の「LiveShell Pro」に、1080p対応の上位モデルとして、「LiveShell Pro+」を参考展示。製品化については、Inter BEEなどでの反響を見つつ、今後検討するという。
既存のLiveShell Proは720p記録だが、展示されたLiveShell Pro+は1080p(30p)に対応。新たに5GHz帯の無線LANもサポートした。本体サイズや重量は従来とほぼ共通だが、カラーはガンメタリック調とした。実際に発売する場合はProの後継機ではなく上位版となる見込み。
キヤノンブースに8K SHVレンズ展示。新VAIOタブレット プロトタイプの活用も
スーパー35mm CMOSセンサー搭載のCINEMA EOS新モデル「EOS C100 MarkII」(12月下旬発売/実売55万円前後)や、4K撮影対応、光学20倍ズームレンズ「CN20X50 IAS H」などの新製品を展示。
また、技術展示として、NHKでも活用されている8K SHVレンズを紹介。'09年に8K SHV対応で初の10倍ズームに対応した後、'14年には標準タイプの7倍ズームレンズ「7x19.7N KAS D」を開発した
今年の展示の特徴は、4K機材だけでなく4Kワークフローの提案も充実させている点。業務用30型4Kモニターの「DP-V3010」の活用などを紹介しているほか、11月の米国での展示でも話題となった「VAIO Prototype Tablet PC」がブース内に用意され、キヤノンのソフト「Canon Cinema RAW Development v1.3」とIntelの「Iris Pro」グラフィックスを組み合わせてRAW現像の高速処理や4K RAWデータのワークフローをモバイルで実現できるという点をデモ。撮影現場における4K動画現像、プレビューが低コストかつ短時間で行なえることなどをアピールしていた。