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超小型ウッドコーンスピーカー。ティアックはCD&ハイレゾ対応マイクロコンポ

 オーディオ・ビジュアル関連の総合展示会「オーディオ・ホームシアター展 2015」(音展)が10月16日に開幕。期間は18日まで。会場は東京・お台場の「タイム24ビル」で、入場料は無料だが、一部のイベントは有料。主催は日本オーディオ協会。ティアックブースなどをレポートする。

会場は東京・お台場の「タイム24ビル」

ティアック

 TEAC、TASCAM、beyerdynamicブランドの製品を一挙に展示。ティアックブランドの製品としては、11.2MHz DSDに対応したUSB DAC/ヘッドフォンアンプ「UD-503」や、USB DAC/ネットワークプレーヤー「NT-503」などの新製品が展示されている。

 さらに参考出品として、マイクロコンポ「HR-X101」が展示された。これは、既発売のコンポ「HR-S101」に、スロットインのCDドライブを追加したような仕様のモデルで、セットの2ウェイブックシェルフスピーカーも刷新。新たにハイレゾ再生に対応し、エンクロージャも奥行きをやや大きくし、高域・低域ともに再生能力を高めたモデルだという。

 「HR-S101」は、PCMの192kHz/24bitまでに対応し、PCとUSB接続し、USB DAC兼アンプとして動作。Bluetooth受信にも対応している。ユーザーから「CDも楽しみたい」という声が寄せられており、より幅広い層のニーズに対応できるモデルとして開発が進スタートしたという。また、HR-S101のメインユニットはハイレゾに対応しているものの、スピーカーは非対応であったため、新モデルとして開発中の「HR-X101」はスピーカーもハイレゾ対応になる予定。

USB DAC/ネットワークプレーヤー「NT-503」
マイクロコンポ「HR-X101」
X101の天面。デジタルアンプを採用しており、発熱は少ないが、CDドライブの発熱を行なうために天面にはパンチングメタルがあしらわれている
左が「HR-S101」のセットスピーカー、右がX101のもの。奥行きが長くなっている

 ハイレゾ対応のUSB DAC兼プリメインアンプである「AI-301DA」や「AI-301DA-SP」との組わせを想定したCDプレーヤーで、ワイドFM対応のFMチューナも搭載した「PD-301」、アナログターンテーブル「TN-500」も参考展示。いずれも今後発売予定だが、具体的な発売時期や価格などは未定となっている。

FMチューナ搭載のCDプレーヤー「PD-301」
「PD-301」と「AI-301DA」を組み合わせたところ
アナログターンテーブル「TN-500」

JVC/ケンウッド

 JVCケンウッドのブースでは、JVCブランド初のハイレゾ対応オーバヘッド型ヘッドフォン「SIGNA(シグナ) 01」(HA-SS01)、「SIGNA 02」(HA-SS02)などを展示。ケンウッドブランドのヘッドフォン「KH-KZ3000」、「KH-KZ1000」、イヤフォン「KH-CRZ700」、「KH-CRZ500」なども含め、新製品が一気に試聴できる。

「SIGNA(シグナ) 01」(HA-SS01)
ケンウッドブランドのヘッドフォン「KH-KZ3000」

 高音質、高出力なデジタルアンプ「DEUS(デウス)」も進化している。従来のDEUSから歪を大幅に削減、ハイレゾ時代の楽曲にさらにマッチするよう音質を高めたというアンプの開発が進められており、その試作アンプを搭載したコンポも参考展示された。採用したアンプがどのような製品としての形で登場するかは現時点では未定という。

試作の最新DEUSを搭載したコンポ

 さらに初披露の参考展示として、3cm径のウッドコーンユニットを使った、超小型のスピーカーシステムを用意。タブレットやPCなどのデジタルデバイスとの組み合わせを想定し、机上に設置、ニアフィールドでのリスニングを想定しているという。

超小型のウッドコーンスピーカーシステム

 スピーカーは手のひらに乗るほど小さく、理想的な点音源に近いため、音場の表現が豊かなのが特徴という。着脱可能な14.5cmのウッドホーンや、小型エンクロージャ内に配置した日々希望、机の反射音を軽減する専用スタンドなどを組み合わせる事で、再生音を高めている。

 試作機はパッシブのスピーカーで、ドライブするためにはアンプが必要だが、将来的に製品化するとなった場合に、どのような構成になるかは未定。ウッドコーンを使った新たなオーディオのスタイルとして、検討を重ねているという。

 他にも、独自の信号処理技術により、図内定位を解消するデモコーナーも用意。タブレットのアプリで処理を行なっており、ヘッドフォンのハウジング内に内蔵したマイクを使っているのが特徴。

 デモを開始すると、短いノイズが再生され、そのノイズをハウジング内のマイクが集音。ハウジング内の音響特性を解析した上で、図内定位を解消し、音が前方から聴こえてくるように感じる信号処理を施している。マイクで集音・解析しているのが特徴であるため、技術的にはユーザー宅のスピーカーを使ったオーディオシステムを解析、その情報を適応する事で、屋外でヘッドフォンを使っていても、家のスピーカーで聴いているかのような定位で音楽が楽しむ事も将来的には可能になるとしている。

ハウジング内のマイクからの情報を活用した、図内定位解消システム

パナソニック/Technics

 パナソニックブースでは、4K解像度対応の次世代BD「Ultra HD Blu-ray」の再生に対応した世界初のBDプレーヤー/レコーダ「DMR-UBZ1」を展示している。11月13日発売予定で、価格はオープンプライス、店頭予想価格は40万円前後。

 Ultra HD Blu-ray(UHD BD)は3,840×2,160ドットの4K映像を収録するほか、HDR(High Dynamic Range)にも対応。再生デモで、その新時代の画質を体験できるようになっている。

Ultra HD Blu-ray対応のBDプレーヤー/レコーダ「DMR-UBZ1」
再生デモの様子

 オーディオ関係では、14日に発表したばかりのヘッドフォン/イヤフォン新製品を紹介。ヘッドフォンの「RP-HD5」は、軽量かつコンパクトながらハイレゾ再生に対応。11月14日発売で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は12,000円前後。上位モデル「RP-HD10」の設計思想を継承し、新開発の40mm径ダイナミック型HDドライバを搭載しながら、「ハイレゾエントリー」として価格を抑えているのが特徴。

ヘッドフォンの「RP-HD5」

 イヤフォンの「RP-HDE10」は、2016年1月22日発売。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は24,000円前後。超多層フィルム(MLF)振動板を採用した「HDアキシャルデュアルドライバー」によりハイレゾ再生を可能としている。ユニットはダイナミック型の11.5mmで、ボイスコイルとマグネットを振動板の背面だけでなく、前面にも配置することで、振動板を精密かつ強力にドライブできるという。

イヤフォンの「RP-HDE10」

 パナソニックブースとは別に、Technicsブランドでもブースを出展。オールインワンシステムの「OTTAVA SC-C500」や、ハイレゾ再生にも対応したヘッドフォン「EAH-T700」などの新製品を紹介。

オールインワンシステムの「OTTAVA SC-C500」
ハイレゾ再生にも対応したヘッドフォン「EAH-T700」

 さらに、今後製品化が予定されている「Class G30シリーズ」、銘機「SL-1200」と同様に、ダイレクトドライブ方式を採用するターンテーブルの試作機なども展示されていた。

Class G30シリーズ
ダイレクトドライブ方式を採用するターンテーブルの試作機

(山崎健太郎)