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スピーカー駆動対応のマランツUSB DAC/アンプ。“プラグ交換”のイヤフォンも

 東京・中野にあるAV機器の専門店フジヤエービックのデジタルスタイルショップが主催する「秋のヘッドフォン祭 2015」が、10月24日(土)と25日(日)の2日間、東京・中野の中野サンプラザで開催されている。入場は無料。展示の中から、13階と15階のブースを中心に紹介する。

マランツが参考展示したUSB DAC/ヘッドフォンアンプ/プリメインアンプ一体型モデル(左)など

 マランツが発表前のUSB DAC/プリメイン/ヘッドフォンアンプ一体型モデルを参考出展していたほか、GOLDMUNDのヘッドフォンアンプや、Audezeの新たな平面駆動ヘッドフォンなどが登場。オンキヨー&パイオニアのハイレゾプレーヤー新機種も試聴でき、多くの人が順番を待つ人気のコーナーとなっていた。

マランツがスピーカー用アンプ搭載の新DAC/ヘッドフォンアンプを予告

 マランツは、年内に発売する新製品として、プリメインアンプとUSB DAC/ヘッドフォンアンプの機能を備えたモデルを参考出展している。今回のヘッドフォン祭が初披露で、製品名や価格は現時点では明らかにしていないが、間もなく発表されるようだ。

右が参考展示モデル。左は既発売の「HD-DAC1」

 アンプはスピーカー用/ヘッドフォン用で独立して搭載。本体デザインは'14年10月に発売された「HD-DAC1」と似ているが、スピーカー用アンプを搭載した分、サイズはやや大きくなった。DAC部にも変更があるため、ヘッドフォンでの聴こえ方もHD-DAC1とは異なるという。デジタル入力はUSBや光/同軸デジタルを装備。アナログ入力(RCA)も備える。出力はスピーカー端子とヘッドフォン端子が各1系統。

背面

GOLDMUNDヘッドフォンアンプ「THA2」

 GOLDMUND JAPANのブースでは、ヘッドフォンアンプの新モデルとして、DACも搭載した「Telos headphone Ampliphier(THA2)」を展示している。

THA2

 「どのようなインピーダンスにでも順応し、今までにないダイナミクスとリニアリティーを実現する」というモデルで、GOLDMUNDが蓄積してきた音響理論とデータを活かした「ジークフリートリンキッシュ」モードが特徴。「ヘッドフォンを今までに感じたことのない次元へと引き上げる究極のヘッドフォン専用プログラム」だという。

 USB、光/同軸デジタル、アナログ音声を各1系統装備。PCとUSB接続してUSB DACとして動作し、DoP(DSD over PCM)にも対応する。12月1日に発売し、価格は198万円。

背面

Audezeの平面駆動ヘッドフォン新モデル「LCD-4」登場

 Audezeは、平面駆動ヘッドフォン「LCDシリーズ」の新モデル「LCD-4」を初出展した。11月ごろに発売予定で、価格は60万円前後。詳細な情報は明らかにしていないが、ベースは既存のLCD-3などと同じ平面磁界・全面駆動型。ハウジングなどLCD-3から変更しており、軽量化も行なっている。

Audeze「LCD-4」

 「EL-8」シリーズも展示。ハウジングが開放型の「EL-8 Open-Back」と密閉型の「EL-8 Closed-Back」があり、独自技術の「Fluxor Magnetic Technology」により高い磁束密度を実現することで、能率を向上。軽量化も行ない、密閉型のモデルはポータブルを意識した製品になっている。

左が密閉型の「EL-8 Closed-Back」。右はLCD-4

電流駆動型ヘッドフォンアンプがDSD 11.2MHz対応に進化

 RE・LEAFのブースには、独自の「Current Drive(電流駆動型)」信号増幅回路を採用したUSB DAC/ヘッドフォンアンプ「E1」などを展示。元ソニーの中山邦男氏が手掛けている製品で、オプションでボリュームノブの部分などを木製パーツにしたものも用意。最近はこのオプションを選ぶ人が多いという。

USB DAC/ヘッドフォンアンプ「E1」

 さらに、年内に発売予定の製品として、新たにDSD 11.2MHzまで対応したモデルも参考展示。USB DAC/ヘッドフォンアンプという基本構成は同じで、幅広いインピーダンスのヘッドフォンに対応しやすいという電流駆動型の特徴を継承しつつ、DAC部分をリニューアルした。

右がDSD 11.2MHz対応の新モデル。左のヘッドフォンは、ゼンハイザーの「HD650」をカスタマイズしたモデル。DMAA(DELRIMOUR MODERN audio・acoustik)と共同開発している

オンキヨー&パイオニアのハイレゾプレーヤーに人気集中。“プラグ交換”できるDITAイヤフォン

 オンキヨー&パイオニアイノベーションズのブースでは、オンキヨーブランドの2.5mmバランス対応ハイレゾプレーヤー「DP-X1」や、パイオニア初となるハイレゾプレーヤー「XDP-100R」が登場。それぞれ複数台の試聴機が用意されているが、ブースの外にまで順番待ちの列ができる人気ぶりとなっている。

オンキヨーのDP-X1(左)と、パイオニアのXDP-100R(右)

 その他にも、パイオニアブランドのフラッグシップヘッドフォン「SE-MASTER1」やオンキヨーのカスタムイヤフォン「IE-C1」、「IE-C2」、「IE-C3」などが展示されており、試聴可能となっている。

両機種を比べて試聴できる
ブース前だけでなく、外にも試聴待機の列ができていた
オンキヨーのカスタムイヤフォン展示

 ソニーエンジニアリングの「Just ear」ブースでは、第一弾「XJE-MH1/MH2」の試聴や購入受付などを行なっている。

 16日に発表した最新J-POPチューニングイヤフォン「Night of Knife」の限定販売販売(6台)も話題となっている。AVライターの野村ケンジ氏と、Just Earの松尾伴大氏の対話により生まれた音質チューニングモデルで、その音を確かめようと多くの人が試聴の列を作っていた。

 今後の展開として、Just ear製品を販売する東京ヒアリングケアセンターが「ギフト需要」に着目。お世話になった人へのお礼に、複数人でお金を出し合って購入するといったケースに対応できるという。最近では、「結納返し」にカスタムイヤフォンを送るという、ユニークな購入のされ方もあるとのこと。そういったニーズに応えるため、専用の冊子やパッケージ、ハウジング部への刻印といったサービスを加えた形で販売する予定。詳細は今後発表される見込みだ。

ギフト用のJust ear
ハウジングに刻印
ブックレット

 アユートのブースで出展しているシンガポールのDITAは、「Answer」シリーズのバランス対応などの現行モデルを展示している隣で、1つのイヤフォンを「参考出展」として用意している。

DITAが参考展示しているイヤフォン

 一見すると普通のカナル型イヤフォンだが、DITAのDanny Tan氏によると、現在同社では「Dream Project」という計画が進行しているとのこと。特徴はイヤフォンケーブルのプラグ部が交換できるというもので、例えば3.5mmステレオミニを2.5mmの4極バランスにするといったことが簡単にできるという。プラグ部だけを交換できるため、ケーブル全てを複数購入するよりも、安価に交換した音の比較を楽しめるのが最大のメリット。

 展示されている試作機は、ややプラグが太くなっているが、今後はプラグをスリムにしていくという。プラグ部だけでなく、搭載するダイナミック型ユニットなども開発を進めており、製品化は'16年の6月を目指している。

試作機のプラグ部
プラグを着脱できる。試作機の端子は4ピン
この白い模型の程度まで、スリム化する予定
ソニーは、h.earシリーズのヘッドフォン/イヤフォンや、ウォークマンA20シリーズなどを展示
デュアルノイズセンサー搭載のノイズキャンセルイヤフォン「MDR-750NA」のデモも
ラディウスのW(ドブルべ)シリーズ新モデル「HP-TWF41(ドブルベ ヌメロキャトル)」
「HP-TWF31」(ドブルベ ヌメロトロワ)

(中林暁)