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「ハンディカム史上最強の手ぶれ補正」搭載、光学20倍の4Kカメラ2機種

 ソニーは、4K撮影に対応したプレミアム高画質ビデオカメラとして、2機種を2月19日に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は「FDR-AX55」が14万円前後、「FDR-AX40」が12万円前後。

FDR-AX55はブラックのみ

 カラーはAX55がブラックのみ。AX40はブラックとブロンズブラウンの2色を用意する。
AX55はAXP35の、AX40はAX30の後継モデル。

FDR-AX40のブロンズブラウン
FDR-AX40ブラック

 AX55とAX40の違いとして、AX55のみ、ビューファインダーとマニュアルリング、ナイトショット機能を搭載する。それ以外の主な仕様は共通。

 従来モデルとの大きな違いは、センサーとレンズを刷新した事。従来は4:3で、1/2.3型、総画素1,890万、動画有効829万画素のセンサーを搭載していたが、新モデルでは16:9で、1/2.5型のセンサーを新たに開発。総画素は857万画素と少なくなっているが、動画有効画素数は829万画素で同じ。16:9で動画撮影を行なうビデオカメラでは、センサーをより有効活用できるため、1画素あたりの面積は従来のセンサーより1.6倍大きくなっている。感度向上により、暗いシーンでもノイズの少ない撮影ができるとする。

FDR-AX55

 レンズはツァイスのバリオ・ゾナーT*。ソニー独自開発の薄型非球面レンズAAレンズを採用。T*マルチコーティングや、EDレンズなども使われている。焦点距離は35mm換算で、動画撮影時26.8~536mmと、光学20倍ズームを実現(昨年モデルは10倍)。4Kにも対応する高精細な撮影も両立したという。

 レンズサイズは僅かに大きくなったが、ビデオカメラ全体のサイズはほとんど変わらないコンパクトさを維持。同時に、軽量化も実現している。昨年モデルと比べると、やや細長いフォルムになっており、「高さと幅のバランスの見直しもした」という。

レンズユニットのサイズ比較。左が新モデル、右が従来モデル。奥行きが長く、スリムになっている

 強力な手ぶれ補正を行なう「空間光学手ブレ補正」を引き続き搭載。新モデルではこの空間光学手ブレ補正に、映像を解析する事で手ブレを補正するインテリジェントアクティブモードをプラスし、同時に活用できるようになった。これにより、「ハンディカム史上最強の手ぶれ補正」を実現したという。

AX55

 役割としては、空間光学手ブレ補正が横回転(ヨー)と縦回転(ピッチ)を、インテリジェントアクティブモードが上下、左右、回転(ロール)のブレを補正する。

 ただし、インテリジェントアクティブモードは、映像をフレームごとに解析し、ブレを補正しながら記録していくものであるため、映像処理エンジンの能力的な問題で、4K録画時は利用できない。

 AFも高速化。デジタルカメラのαやサイバーショットの上位モデルに搭載されているファストインテリジェントAFを搭載しており、リアルタイムにフォーカスを正確に制御。ズームしながらパンニングをした時なども、人物の顔にすぐピントが合うという。

マイク部分のアップ

 マイク機構も刷新。筐体上部に備えているが、上からの音だけでなく、前方や左右、後ろからの、全5方向からの集音に対応。臨場感のある音が収録できるという。

 従来は720pでしかできなかったハイスピード撮影が、フルHD解像度でも可能に。1080/120pでの撮影ができ、PCで編集する事でスポーツなどの印象的な動画が作成できる。4Kタイムラプス撮影も可能。タイムコード/ユーザービットにも対応し、プロ仕様の編集にも対応できるとする。

 従来モデルと同様、XAVC Sフォーマットでの記録に対応している。従来は、高速なカードであってもSDXCでなければ利用できなかったが、新モデルではSDHCカードも利用できるようになった。従来モデルもファームウェアップデートで、同様の対応になる予定。ただし、時期は未定。

 4K撮影はXAVC Sフォーマットを採用。3,840×2,160/30p、24pでの撮影ができ、ビットレートは最大約100Mbps。XAVC Sでの1080/60p撮影や、AVCHDでの1080/60p撮影も可能。XAVC SのフルHD撮影時、最大ビットレートは約50Mbps。AVCHDでは約28Mbpsとなる。MP4形式で1,280×720/30p撮影も可能。

 無線LAN機能も搭載。外形寸法は、AX55が73×161×80.5mm(幅×奥行き×高さ)、AX40が73×142.5×80.5mm(同)。本体の重量はAX55が約535g、AX40が約510g。従来はUSBケーブルを本体に搭載していたが、新モデルでは軽量化するため、USB端子を本体に備え、USBケーブルを同梱する形となる。

(山崎健太郎)