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ソニー、壁際から写せる四角い「ポータブル超短焦点プロジェクタ」

 ソニーは、壁際やテーブルに置いて最大80型の映像投写を楽しめる「ポータブル超短焦点プロジェクタ」(LSPX-P1)を2月13日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は93,000円前後。

Life Space UXシリーズの「ポータブル超短焦点プロジェクタ」
コンパクトかつシンプルな筐体デザイン

 住空間になじむシンプルなデザインを目指した一体型プロジェクタ。CDケース10数枚分のスクエア型筐体に、ソニー史上最小を謳う超短焦点レンズや、新規開発のSXRDパネル、レーザー光源、スピーカー、バッテリをすべて内蔵。テレビのように決まった位置に置かず、“使いたいときにどこでも映像視聴ができるカジュアルさ”をコンセプトにしている。外形寸法は約81×131×131mm(幅×奥行き×高さ)、重量は930g。

スマホの写真・動画などをワイヤレス投写できる
利用イメージ
ポータブル超短焦点プロジェクタ(LSPX-P1、右)/ワイヤレスHDMIユニット(LSPX-PT1、左)

 無線LANはIEEE 802.11a/b/g/n(MIMO)で、2.4GHz、5GHzの両方に対応。スマートフォンとダイレクトに接続でき、専用の無料アプリでスマホに保存されている写真・動画をキャストできるほか、Miracast対応スマホではYouTube動画などもワイヤレス投写できる。

 さらに、LSPX-P1と同等の無線LAN機能を備えるワイヤレスHDMIユニット(LSPX-PT1)が付属。BDプレーヤー/レコーダなどから入力した最大1080pのHDMI映像を、LSPX-P1にワイヤレス伝送して投写できる。

HDMI接続したBDプレーヤーの映像をワイヤレス投写
本体とワイヤレスHDMIユニットを立てて並べるとサイズがぴったり揃う

 生活空間そのものを使った映像/音楽の楽しみ方を提案するソニーの「Life Space UX」シリーズ製品で、「2015 International CES」や「IFA 2015」などで先行披露。今回、仕様と発売日や価格が決定した。

壁際に近づけて動画を大きく投写したところ

壁際で22型映像を投写。レンズ部はRX100M3のポップアップEVF技術など応用

新開発の0.37型SXRDデバイス

 LSPX-P1の映像デバイスはLCOS(反射型液晶)の0.37型SXRD(Silicon X-tal Reflective Display)で、解像度は1,366×768ドット。720p相当の映像を投写できる。他のSXRDプロジェクタではRGB3枚のSXRDを用いるが、LSPX-P1用に1枚のみでフルカラー表示を行なうデバイスを新開発し、小型化も図っている。

 光源はレーザーダイオードで、輝度は約100ルーメン。コントラストは4,000:1。ハイコントラストプレートや、映像シーンに合わせて光源の輝度をコントロールするダイナミックコントラストを採用し、メリハリのあるくっきりとした映像を楽しめる。レーザー光源の寿命(初期の明るさから50%減)は、1日4時間の使用で5年以上。光源の交換は修理対応となる。

 筐体の厚みは女性の片手でも掴める程度に抑えられている。また表面にレザー調のテクスチャを施してソフトな触感に仕上げるなど、外装デザインにもこだわっている。

前面
側面
壁際に寄せたりテーブルに置いた状態でも映せる

 本体を壁に付けた状態で22型の映像を写せる、超短焦点投写性能が特徴。本体を壁際に寄せたりテーブルや床に置くなどして利用できる。壁などから本体を離すと大きく映せるが、離れるに従って映像は暗くなる。最大投写距離と画面サイズは、28.5cmで80型。

 内蔵センサーで筐体の向きを検知し、投写映像の向きを自動調整。フォーカスも電動オートフォーカス機構で自動調整されるため、細かい設置作業が不要。壁際やテーブル、床に置くだけで利用できる。なお、フォーカスの微調整や台形補正、画面回転はスマホ用アプリでマニュアル調整することもできる。

机の上のスケッチブックに動画を投写したところ
下面にセンサーや電源入力、フロアスタンド(別売)用端子。右上のくぼみの中にセンサー/レーザー照射部の穴が縦並びになっている
ソニー史上最小を謳う超短焦点レンズを内蔵

 超短焦点レンズの光学系は、Life Space UX第1弾製品の4Kレーザープロジェクタ「LSPX-W1S」用に開発されたレンズをベースにより小型化したもので“ソニー史上最小”を謳う。レンズ部の小型化や電動オートフォーカス機構の開発にあたり、コンパクトデジタルカメラ「RX100M3」のポップアップEVF開発陣が設計に携わったという。

肌の質感など解像感の高さが際立っていた

 筐体には排熱効率を高めながらファンノイズを極力抑える冷却構造を採用。モノラルスピーカー2基を内蔵し、さらに音圧を上げるために独自のオーディオ再生レベル強調技術「xLoud」も採用。外部スピーカーなしでも迫力あるサウンドを再生できる。

 デザイン性を優先し、これらの排熱孔やスピーカーグリルは個別に設けずにひと続きのパンチングメタルで覆い、フラットなデザインに仕上げている。

LSPX-P1の冷却構造
モノラルスピーカー2基を内蔵

 LSPX-P1と付属のワイヤレスHDMIユニット、対応機器を組み合わせると、ケーブルレスで宅内のどこでも気軽にビデオ再生やテレビ視聴が楽しめる。ユニットはHDMI入出力とIR端子を各1系統備え、パススルーにも対応している。

ワイヤレスHDMIユニットとBDプレーヤーを接続
ワイヤレスHDMIユニットの背面

壁にもうひとつの「窓」。スマホ連携で風景映像など表示

 専用アプリ(無料)はiOS 9、またはAndroid OS 4.4以降に対応。音量調整や映像の入力切替などのリモコン操作や、端末内に保存した写真・動画のキャスト出力、LSPX-P1にプリインストールされているコンテンツの選択・表示が行なえる。端末との通信にはWi-Fi/Bluetooth接続を利用する。

アプリ画面
音量調整やフォーカスの微調整、台形補正などが行なえる
プリインストールコンテンツも用意される

 アプリ内の「POSTER」から、あらかじめLSPX-P1のメモリ(約4GB)に保存されている「Weather」、「A-Day」、「Journey」、「Night dreams」といった、さまざまなジャンルの映像コンテンツを呼び出して投写可能。壁に映すことで、まるでそこに窓が開いたかのような開放感が味わえるという。写真スライドショーや、現在時刻を表示することも可能。ユースケースとして棚の上の壁にできた何もない空間など、デッドスペースの有効活用などを想定している。

 「Weather」では窓枠の外に見える風景をイメージした映像を映すことができ、その日の天候に連動して晴れた風景や雨模様に変わる仕掛けを備えている。LSPX-P1と連携している端末を介し、ウェブ上の外部サービスから当日の気象情報を受け取ることで映像が変化していく。

 そのほか、「A-Day」は日中のイメージ、「Journey」は旅先の風景、「Night dreams」では夜をイメージした映像コンテンツとなっている。

その日の天候と連動して変化する映像コンテンツ「Weather」
デッドスペースの有効活用の例として、現在時刻を壁に表示

 内蔵バッテリで約2時間動画を再生可能(画質モード「プリセット1」、音量80%)。充電時間は約4時間。Bluetooth Low Energyを使った電源コントロールに対応し、スマートフォンを近づけると自動的に電源オンになり、離れるとスタンバイモードに切り替わる。

スマホが近くにあると自動で電源オンになる
スマホと離れるとスタンバイモードになる

給電対応のフロアスタンドも用意

スタンドを利用しているところ

 LSPX-P1専用フロアスタンドも用意され、2月13日に発売。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は19,000円前後。

 壁の近くに設置して使うフロアスタンド。高さは87.8cmで、椅子に座った時の目線に合わせられている。スタンド上部はLSPX-P1をドッキングできるアタッチ構造を備え、裏面のスライドスイッチの操作で簡単に取り外し可能。内部に電源ケーブルが仕込まれており、本体に給電しながら映像投写できる。

 スタンド下のベースは20cm径。重量は約2.2kg。転倒防止用ストラップや六角レンチなどが付属する。

LSPX-P1の充電/給電に使う専用端子を備える
左に着脱用スライドスイッチと給電LEDを装備

(庄司亮一)