Vestax、「コンプ調整可能」なカナル型イヤフォン
-ハート型ヘッドフォンなど'09年新製品を発表
ベスタクス株式会社は10日、2009年上半期の新製品発表会を開催。7月18日に発売する同社初のカナル型(耳栓型)イヤフォンの「JET」(IMX-1)や、DJヘッドフォンの「HMX-1」を披露した。
また、6月より発売を開始したDJ向けのコンパクトデジタルアンプ「VDA-1000MKII」など、米国で1月に行なわれた「NAMM SHOW2009」や、4月のドイツ「MUSIK MESSE2009」で発表されたモデルなどが展示された。
■ カナル型イヤフォン「JET」
パッケージ |
11mm径のダイナミック型ドライバを搭載するカナル型イヤフォン。価格は9,765円。同社初のインナーイヤフォンで、自社開発の製品となっている。メタルハウジングで、容積を拡大した「パルセーションチャンバー」構造を採用、低域の強化を図っている。
大きな特徴は、バスレフのハウジングを覆うカバーのような「コンプレッション調整ノブ」を装着する点。通常、ハウジング底部のダクトを塞がないようカバーには穴が空いているが、ノブをひねることで、ダクトの開放/密閉が調節できる。「ダクトが空いている状態ではワイドレンジ/ハイスピードなサウンド、閉じると平滑化されたHi-Fiサウンドが楽しめる」としている。ノブはソフトな素材で、4種類のカラーを同梱。好みに応じて付け替えられる。
再生周波数帯域は20Hz~22kHz、出力音圧レベルは104dB/mW、インピーダンスは16Ω。プラグは金メッキのステレオミニ。ケーブルはY型で、3カ所にカール部分があり、縮めた状態での長さは75cm。重量は22g。イヤーピースはXS/S/M/Lの4サイズを同梱する。
容積を多く確保したメタルハウジングを採用 | ハウジング底部のダクトを開放した状態 | 「コンプレッション調整ノブ」でダクトを覆った状態 |
イヤーピース部 | カールケーブルを採用 | 「コンプレッション調整ノブ」は4色から選べる |
■ ヘッドフォン「HMX-1」
ホワイトモデル |
密閉型のヘッドフォンで、クラブDJなどで活躍するDJ MAYUMIとコラボレーションしたヘッドフォン。カラーはホワイトとピンクの2色。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は9,800円前後の見込み。
ハウジング部がハート型で、「クリスタルをティアラのようにあしらった」という女性向けのデザインが特徴。ユニットは53mm径で、低音を重視したサウンド設計。再生周波数帯域は20Hz~20kHz、出力音圧レベルは105dB/mW、インピーダンスは32Ω。
プラグはステレオミニで、標準プラグアダプタも付属する。長さ90cmのカールケーブルを使用する。重量は248g。キャリングポーチが付属する。
ピンクモデル | ハウジング内側。イヤーパッドはレザーのような感触 | DJ MAYUMIとコラボレーション |
■ デジタルアンプ「VDA-1000MKII」など
「VDA-1000MKII」(オープンプライス/店頭予想価格49,800円前後)は、DJ向けの小型デジタルアンプ。出力は100/300/500W×2ch(いずれも4Ω時)から選択でき、BTLモードでは1,000W出力まで対応する。従来モデル「VDA-1000」からの改良点として、新たに温度センサー付きのファンを搭載。屋外イベントなどでの長時間利用にも耐えるという。
入力はXLRバランス/6.3mmフォン対応のコンボジャックと、USB、アナログRCA。スピーカー端子は抜き差しに強いスピコンを採用する。外形寸法は89×320×195mm(幅×奥行き×高さ)、重量は3kg。
そのほか、DJのHiroshi Watanabe氏と共同開発したUSB MIDIコントローラ「TR-1」や、3月に発売したUSBオーディオインターフェイス「TANK」(VAI-80)、4月発売のUSB録音対応ポータブルターンテーブル「handy trax USB」などが展示された。
VDA-1000MKII | VDA-1000MKIIの前面と背面 | MIDIコントローラ「TR-1」(右)とUSBオーディオ「TANK」(左) |
販売中のコンパクトオーディオシステムの「GUBER」シリーズ | 真っ赤なコンセプトモデル(発売未定)も展示された | USB録音対応ポータブルターンテーブル「handy trax USB」 |
発表会では、中間俊秀社長が登壇し「オーディオインターフェイスなどのコンピュータ向け製品の売上は、中心に取り扱っているDJ製品に迫る勢いを見せている。iPod世代を含めいろいろな層が興味を持っており、10年前にDJカルチャーが広がっていった時と同じような動き」と現状を説明。「広くみんなに売る、というよりも、まずは決して小さく無いターゲットユーザーへ確実に供給し、新しいマーケット、新しいカルチャーを広げていきたい」と述べた。
中間俊秀社長 | 発表会では「TR-1」開発に携わったHiroshi Watanabe氏によるDJデモも |
(2009年 6月 10日)
[AV Watch編集部 中林暁]