キヤノン、手振れ補正を強化したAVCHDカメラ2機種

-約12倍の補正角。内蔵メモリも64GBに


iVIS HF S11

8月上旬発売

標準価格:オープンプライス


iVIS HF21

 キヤノンは、手振れ補正を強化したハイビジョンビデオカメラ2機種を、8月上旬に発売する。1/2.6型総画素数859万CMOSを搭載した「iVIS HF S11」と、1/4型総画素数389万CMOSを搭載した「iVIS HF21」の2モデルをラインナップし、生産台数はHF S11が1万台/月、HF21が2万台/月。価格はオープンプライスで、店頭予想価格はHF S11が15万円前後、HF21が13万円前後の見込み。

 なお、両機種とも発売時に1万円のキャッシュバックキャンペーンが実施される。8月6日~8月31日までの購入者が対象で、申し込み締め切りは9月7日となっている。

 それぞれ2月中旬に発売された、HF S10、HF20のマイナーチェンジモデル。CMOSや光学系には変更はなく、基本画質や機能は従来モデルを継承しいている。今回のマイナーチェンジの最大の強化ポイントは手振れ補正で、ワイド端での手振れ補正角度を従来の約14倍に拡大した「ダイナミックモード」を搭載した。

 同社では「歩きながらの撮影など激しい手振れも打消し、像の安定した見やすい映像を撮影できる」としており、「一目瞭然 動いても顔キレイ。」をキーワードに訴求していく。なお、従来と同じワイド側とテレ側で補正角が同じ「スタンダードモード」にも切り替えられる。

 また、内蔵メモリも従来の32GBから、64GBに倍増している。そのほかにも、スナップ写真の感覚で4秒間の動画を撮影し、内蔵の音楽と一緒に再生できる「ビデオスナップ」機能が、ビデオスナップ以外で撮影した動画でも、再生時にビデオスナップの4秒として切り出すことが可能になった。

左がHF S10、右がHF S11左がHF21、右がHF20
HF S11に、RA-V1を装着し、ZR-2000を接続

 さらに、シーンモードに「夜景」を追加。過剰に明るく補正するのを防ぎ、局所的に明るい場所の白とびも抑制する。また、新オプションとしてアクセサリーシューに装着して、ワイヤードリモコン「ZR-2000」や「ZR-1000」に対応するリモートコントロールアダプタ「RA-V1」(12,000円)が8月上旬に発売される。なお、HF S10や、HF20など従来モデルには対応していない。

 なお、HF21は、HF20用に発売された水中ハウジング「WP-V1」に対応しており、シーンモードとしてHF20で搭載された「水中」に加え、「水上」を追加。WP-V1を装着したままでも切り替えられる。

 両機種とも、筐体の基本デザインには従来から変更はないが、梨地仕上げとなった。HF S21は「レザーブラック×ダイヤモンドブラック」、HF21は「グラファイトブラック×ダイヤモンドブラック」で、製品名などの印刷色は、いずれも「グレイッシュゴールド」を採用している。

HF S11とHF S10の比較
左がHF S11、右がHF S10左がHF S10、右がHF S11左がHF S10、右がHF S11

 

HF21とHF20の比較
左がHF20、右がHF21左がHF20、右がHF21左がHF20、右がHF21

 

□キャッシュバックキャンペーン情報
http://cweb.canon.jp/ivis/campaign/index.html


■ iVIS HF S11

HF S11

 859万画素「キヤノン フルHD CMOS」、DIGIC DV III、光学式手ブレ補正機能付き光学10倍ズーム「キヤノン HD ビデオレンズ」を搭載し、民生機で最高レベルの水平解像度約900TV本の高画質を実現している。

 撮像素子の有効画素数は動画時約601万画素、静止画時は約802万画素(4:3)/約601万画素 (16:9)で、フィルターはRGB原色フィルターを採用。動画撮影時には、約601万画素の映像信号を読み出して、ハイビジョン解像度(約200万画素)にリサイズして録画する。また、中央の1,920×1,080画素だけを読み出すことで、画質を劣化させずに焦点距離を1.7倍相当にする、「デジタルテレコン」も利用できる。

 レンズは9群11枚で、F1.8~3.0。焦点距離は35mm判換算で、動画時約43.5~435mm、静止画時は約39.9~399mm(4:3)/43.5~435mm(16:9)となっている。

 最低被写体照度は約0.3ルクス(ナイトモード、シャッタースピード1/2秒)/約4ルクス(Pモード、オートスローシャッターオン、シャッタースピード1/30秒)となっている。録画モードは「MXP」(約24Mbps)、「FXP」(約17Mbps)、「XP+」(約12Mbps)、「SP」(約7Mbps)、「LP」(約 5Mbps)の5種類を用意。解像度はMXP/FXPモードは1,920×1,080ドット、その他のモードは1,440×1,080ドット。なお、 1,920×1,080ドットはSDHC Class4以上、それ以外はClass2以上のカードが推奨されている。

 x.v.Color規格に対応するほか、毎秒24コマに加え、毎秒30コマのプログレッシブ撮影(60i記録)が可能。静止画記録はJPEG形式で、解像度は3,264×2,456/3,264×1,840/1,920×1,440/640×480ドット。液晶モニターは、2.7型約21.1万ドットで、広視野角/広色域対応、ハードコートAR表面処理が施されている。

 連続撮影時間は、付属のバッテリパック「BP-807」使用時で、標準画質のSP(約7Mbps)モードで撮影した場合、約100分となっている。オプションの「BP-827」を使用すると、約305分の連続撮影が行なえる。

 入出力端子は、HDMIミニ出力、AVミニ出力(AVミニ出力と兼用)、外部マイク入力、ヘッドホン、コンポーネント(特殊D端子)出力、USB端子 (mini-B)などを備える。HDMI端子は、接続したテレビのリモコンで操作ができる「HDMI-CEC」に対応している。また、本体上面に搭載したミニアドバンストシューはカバーが本体内に収納できる、インナースライド方式となっている。

製品内容

 外形寸法は、約70×136×69mm(幅×奥行き×高さ、グリップベルト含まず)、本体のみの重量は約450g(撮影総重量約500g)。

 ワイヤレスコントローラー「WL-D88」、D端子ケーブル「DTC-100/S」、ステレオビデオケーブル「STV-250N」、USBインターフェイスケーブル「IFC-400PCU」、コンパクトパワーアダプタ「CA-570S」、バッテリパック 「BP-807」、PIXELA Application Disc、デジタルビデオソリューションディスク、音楽データディスクなどが付属する。

□製品情報
http://cweb.canon.jp/ivis/lineup/hivision/hfs11/index.html


■ iVIS HF21

HF21

 総画素数389万画素「キヤノン フルHD CMOS」を採用したほか、DIGIC DV IIIや、光学15倍ズームの「キヤノン HD ビデオレンズ」を搭載。

 撮像素子は1/4型総画素数約399万画素で、RGB原色フィルターを採用。有効画素数は、静止画時は約331万画素(4:3)/約299万画素 (16:9)。ズームは光学15倍で、9群11枚構成。 F1.8~3.2、焦点距離は35mm判換算で39.5~592.5mmとなっている。

 最低被写体照度は約0.4ルクス(ナイトモード、シャッタースピード1/2秒)/約5.5ルクス(Pモード、オートスローシャッターオン、シャッタースピード1/30秒)。また、本体には補助光源としてフラッシュと、ミニビデオライト(高輝度白色LED)を内蔵している。

 録画モードはHF S11と同じで、静止画はJPEG形式2,100×1,575/2,304×1,296/1,600×1,200/848×480/640×480ドットで撮影できる。液晶モニターは、2.7型約21.1万ドット、広視野角/広色域対応、ハードコートAR表面処理が施されている。なお、EVFは搭載していない。

 連続撮影時間は、付属のバッテリパック「BP-809」で、約100分(SPモード、内蔵メモリ使用、液晶モニターの明るさ:ノーマル、AF合焦時)となっている。外形寸法は約70×124×約62mm(幅×奥行き×高さ、グリップベルト含まず)、本体重量約340g(撮影総重量約400g)となっている。

製品内容

 入出力端子はミニアドバンストシュー、HDMIミニコネクタ出力(x.v.Color、CEC対応)、AVミニ出力、外部マイク入力、ヘッドホン(AVミニ出力と兼用)、コンポーネント出力(特殊D端子)、USB端子(mini-B)などを備える。

 付属品は、ワイヤレスコントローラー「WL-D88」、D端子ケーブル「DTC-100/S」、ステレオビデオケーブル「STV-250N」、USBインターフェイスケーブル「IFC-400PCU」、コンパクトパワーアダプタ「CA-570S」、バッテリパック「BP-809」、PIXELA Application Disc、デジタルビデオソリューションディスク、音楽データディスクなど。

□製品情報
http://cweb.canon.jp/ivis/lineup/hivision/hf21/index.html



(2009年 7月 16日)

[AV Watch編集部 古川 敦]