ニコン、フルHDのAVC動画対応のデジタル一眼「D3100」

-実売65,000円。動画撮影時の常時AFや編集にも対応


「AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VG」を装着したところ

9月16日発売

標準価格:オープンプライス


 ニコンは、フルHD解像度のMPEG-4 AVC動画が撮影可能な、DXフォーマットのデジタル一眼レフ「D3100」を9月16日に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格はボディのみが6万5,000円前後。

ダブルズームキット。右が「AF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR」

 レンズキットも用意しており、DXフォーマット用の標準ズーム「AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR」をセットにしたものが実売7万5,000円前後、同レンズと、DXフォーマット用の望遠ズーム「AF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6 ED VR」の2本をセットにしたダブルズームキットが実売11万円前後。マウントはFマウント。記録メディアはSD/SDHC/SDXC。

 デジタル一眼レフの入門モデル。DXフォーマット用、23.1×15.4mmの新開発CMOSセンサーと、新画像処理エンジン「EXPEED2」を搭載。CMOSの有効画素数は1,420万画素で、従来モデルD3000の1,020万画素 CCDから進化。ノイズを抑え、鮮やかな色彩の撮影が可能。常用感度はISO 100~3,200でHi2(ISO 12,800相当)まで増感設定でき、D3000の常用ISO 100~1,600と比べ、より高感度での撮影が可能になっている。

 背面にある動画撮影ボタンを押すだけで、フルHDの動画撮影ができる「Dムービー」機能を備えたのが特徴。ファイル形式はMOV、圧縮方式はMPEG-4 AVC/H.264で、音声は内蔵のモノラルマイクを使用。1,920×1,080/24p、1,280×720/30p、1,280×720/25p、1,280×720/24p、640×424/24pでの撮影が可能。最長記録時間は10分となっている。

18-55mmを取り付け、正面から見たところ背面にある赤いボタンが動画撮影用ボタン

 レンズの絞り値などの設定をそのまま動画撮影にも適用でき、広角、望遠、魚眼など、様々な交換レンズを使った動画撮影ができる。動画撮影時のフォーカスは常時AFサーボ(AF-F)に対応し、シャッターボタンを半押ししなくても、カメラが動く被写体を自動的に追尾してピントをあわせる。動画編集機能も備え、撮影動画から静止画を切り出したり、前後の不要部分の削除も行なえる。

 付属のビューワー/簡易編集ソフトの「ViewNX2」は、動画のトリミングや切り出しにも対応する。

 静止画はJPEG/RAWの撮影に対応し、JPEG+RAWの同時記録も可能。静止画記録解像度は最大4,608×3,072ドット。連写速度は最高約3コマ/秒。液晶モニタは3型のTFTで、23万画素。ライブビュー撮影も可能。

撮影をアシストする「ガイドモード」を強化。設定した状態での撮影画像例が、撮影前に確認できる

 撮影をアシストする「ガイドモード」も機能強化。絞り値でのボケ方の変化など、撮影画像の違いを撮影前にチェックできる「設定アシスト画像」を搭載。さらに、「ファンダーで撮る」、「ライブビューで撮る」、「動画を撮る」の3つから撮影方法を選択する機能や、設定項目に「テクニックを使って撮る」、「隅々までシャープに撮る」、「水の流れを撮る」などの目的に合わせた選択項目を追加している。

 ほかにも、ライブビュー撮影時にモードダイヤルをオート、または発光禁止オートに合わせると、自動的にポートレート、風景、クローズアップ、夜景ポートレートから、最適なモードを識別する「おまかせシーン機能」や、最大35人の顔を検出する顔検出機能(D5000は5人)も備えている。

 HDMI出力も備え、HDMI CECにも対応。テレビからカメラの再生操作が行なえる。外形寸法は124×74.5×96mm(幅×奥行き×高さ)。ボディのみの重量は約455g。



■ 交換レンズも多数登場

 ダブルズームキットに付属する望遠ズーム「AF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR」は、交換レンズに初搭載となる高屈折率(HRI)レンズを採用。屈折率が2.0以上と高く、1枚のレンズで通常の光学ガラスの複数枚のレンズと同等の効果が得られ、1枚で像面湾曲と球面収差の同時補正も可能。約5.5倍の超望遠ズームでありながら、フィルタ径58mm(最大径約76.5mm)、長さ123mm、重量530gの小型・軽量を実現した。シャッタースピード約4段分の手ブレ軽減機能「VRII」も備えている。最短撮影距離は1.4m(ズーム全域)。単品では9月2日発売で、価格は50,400円。

 さらに同日には、FXフォーマット用交換レンズ3製品も発表されている。

 大口径の中望遠単焦点「AF-S NIKKOR 85mm f/1.4G」が9月2日発売で、価格は22万5,750円。ナノクリスタルコートを施しており、超音波モーターも搭載。フィルタ径は77mm、最大径は約86.5mm、長さは84mm。重量は595g。最短撮影距離は85cm。

 高倍率ズーム「AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR」は9月2日発売、12万6,000円。約4段分の手ブレ軽減機能の「VRII」も搭載。フィルタ径は77mm、最大径は約83mm、長さは114.5mm。重量は約800g。最短撮影距離は80cm。開放F4固定の「AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR」は9月22日発売で16万3,800円。「VRII」も備える。フィルタ径は77mm。最大径は約84mm、長さは103.5mm。重量は約710g。最短撮影距離は45cm。

AF-S NIKKOR 85mm f/1.4GAF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VRAF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR


(2010年 8月 19日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]