マランツ、B&WのAirPlay対応スピーカー「Zeppelin Air」

-iPhone/iPodとiTunes楽曲をワイヤレス再生。79,000円


Zeppelin Air

 マランツ コンシューマー マーケティングは、英Bowers & Wilkins(B&W)のAirPlay対応iPhone/iPodスピーカー「Zeppelin Air」を、4月下旬より日本国内でも発売すると発表した。価格は79,000円。Apple Storeで取り扱いを開始し、その後インテリアショップや百貨店などで販売する。

 Appleの無線映像/音声伝送技術「AirPlay」に対応したiPhone/iPodスピーカー。Dockコネクタに接続したiPodなどの音楽再生に加え、iPadやiPhone、iPod touchやPCのiTunesで管理している楽曲やビデオの音声も、無線LAN経由でZeppelin Airに伝送できる点が特徴。また、iPodなどとのDock接続は従来モデルのアナログから、新たにデジタルへ変更された。1月の2011 International CESにてB&Wから発表され、米Apple Storeでは599.95ドルで販売している。

 

AirPlay対応により、iPad/iPhone/iPodやiTunesの音楽を無線LAN経由でワイヤレスで再生可能
 AirPlayに対応したことで、iPhoneやiPod touch、iPad内の楽曲やiTunesで管理している楽曲を、iPhoneなどからの操作により、無線LANを経由して再生可能になった。Apple Losslessの楽曲も非圧縮でワイヤレス伝送できるほか、3台までのZeppelin Airへの同時伝送と個別のボリューム調整も可能。なお、AirPlayへの対応にはiTunes 10.1以降、iPhone/iPad/iPod touchのiOS 4.2以降が必要。

 

 筐体は既発売モデル「Zeppelin」の楕円形デザインを継承。デジタルアンプを内蔵し、従来の25W×2ch + 50W(サブウーファ)から、25W×4ch + 50Wに強化されている。スピーカーユニットも新しくなり、25㎜径のノーチラスチューブ・アルミツイータ×2と、75㎜径ミッドレンジ×2、125㎜径サブウーファ×1で構成する。DSP技術とDynamic EQ技術、エンクロージャのFlowportにより、低域のパフォーマンスをさらに向上させたという。なお、従来のZeppelinはZeppelin Air発売に伴い、順次販売を終了する。


製品名通り“飛行船デザイン”を継承。音質は、低域のインパクトが強い先代とは異なり、中高域とのバランスが良くなった印象だ本体側面背面

 

対応iPod/iPhone/iPad
 iPodなどのドッキングアーム部は回転機構を備えており、iPod touchやiPhoneの縦/横画面両方に対応。USB端子を備えており、PCやMacのUSBスピーカーとして利用できるほか、パソコンとiPodなどデータ同期も可能。将来のファームアップデートにも対応。

 

 背面にはEthernetに加え、USB入力や3.5㎜径の光デジタル/アナログ兼用入力を装備。USB DACが強化され、新たに24bit/96kHz入力に対応した。そのほか、コンポジットビデオ出力(RCA)も備える。

 筐体は光沢ブラックのグラスファイバーを使用。従来はステンレスだったが、無線LAN対応に合わせて変更され、通信を妨げないことと高い堅牢性を両立させた。グリルはブラッククロス。消費電力は100W(待機時0.8W)。外形寸法は640×208×173㎜(幅×奥行き×高さ)、重量は6.2㎏。リモコンが付属する。

音質面の強化点iPhone/iPodドック部。LED表示で、入力ソースなどのステータスを表示小石のような丸みを持つリモコンが付属
3台までのZeppelin Airへ同時に出力できる複数台を置く場合は、場所に応じて音量を個別調整できるiPodドック部の奥にボリュームや電源のボタン
搭載ユニットのイメージ図DACは24bit/96kHz対応に従来モデルとの仕様比較

 


■ “iPodスピーカー2大勢力”のひとつに

 

D&Mの小菅氏
 ディーアンドエムホールディングスの国内営業本部 ディストリビューター営業部の小菅幸一部長はZeppelin Airについて「デザイン的には'08年発売のZeppelinからごく一部しか変わっていないが、中身は完全に一新している。機能面でもAirPlayを大きくフィーチャーし、旧来のモデルとは著しく違うものに仕上がった」と説明。

 顧客層としては、AirPlayなどの新機能を訴求することで、Macなどの上級機のユーザーを想定。一方で、「パソコンに対し高い関心がなくても、美しいデザインの物を手元に置きたい、というライフスタイル志向の男性にも置いていただければ」と述べた。

 B&Wはハイエンドオーディオ用のスピーカーと同様に、iPodスピーカーでもトップレンジから順に製品投入する戦略を展開していくという。高級iPodスピーカーではボーズなど先行メーカーも存在するが、先代のZeppelinでの手ごたえなどから、「(ボーズと)市場を大きく2分する勢力になることを狙う」と述べた。

 今回Zeppelin Airで投入された技術は、より低価格な製品への展開も視野に入れているが、現在発売されているZeppelin Miniのマイナーチェンジは現時点で予定しておらず、Zeppelin Airと現在のMiniの2製品のラインナップとなる。

 また、同日に発表されたパソコン用スピーカー「MM-1」については、「低価格なパワードスピーカーが存在する中で、価格レンジを考えると(58,000円のMM-1は)ハイエンドといっていいだろう。良いパソコンを使ってもスピーカーが貧弱では、多くの時間を過ごすPCのあるべき姿から、かけ離れてしまう。こうしたことから、潜在的な需要は多いのでは」と述べ、シェア拡大に意欲を見せた。


(2011年 4月 19日)

[AV Watch編集部 中林暁]