NHK、奥行き表現を向上した裸眼3Dテレビを開発

-技研公開2011で展示。SHVの画素数を2倍に


再生した立体像の例

 日本放送協会(NHK)は、専用メガネをかけなくても自然な立体映像が見られるインテグラル立体テレビについて、奥行き感を向上した試作機を開発した。5月26~29日に東京 世田谷区のNHK放送技術研究所で開催される「NHK技研公開 2011」に出展する。

 JVC・ケンウッド・ホールディングスと共同で開発。縦横の異なる様々な方向から見た映像を表現するため、撮影時に微小レンズを大量に並べたレンズアレーを通して撮影を行ない、表示時も同アレーを通して再生し、多くの視点から見た映像を一度に表示する。

 NHK技研公開では例年成果発表がされており、昨年は解像度がスーパーハイビジョン(SHV)の7,680×4,320ドットで、レンズアレーで多視点化した映像を記録。表示時にはもう一度SHVのプロジェクタで映像を表示用レンズアレーを通して出力し、立体的な表示を行なっていた。

 今回新たにSHVの緑色(G)の画素数を2倍にする画素ずらし技術により、走査線を8,640本相当(従来は4,320本)としたほか、映像を鮮明にするデジタル信号処理を応用。さらに、レンズアレーのレンズの並びの精度を向上させるなど光学系の開発も行なった。これにより、立体像を鮮明に再現できる奥行きの範囲が2倍まで広がり、画面全体の画質も向上したという。


(2011年 5月 20日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]