Samsungと宇部興産、折り曲げディスプレイ材料で合弁

-次世代ディスプレイ向けにポリイミドを生産


 宇部興産と韓国Samsung Mobile Display(SMD)は27日、ディスプレイ用の材料を生産する合弁会社を設立する契約を締結したと発表した。この合弁会社で、SMDが本格量産を計画する次世代ディスプレイ基板用のポリイミドが生産される。

 従来のフラットパネルディスプレイで使われているガラス基板の代わりにポリイミド樹脂を活用することで、折り曲げられるフレキシブルディスプレイなど、様々な特長のディスプレイが実現可能。両社にとって大きな課題だった、高温下での膨張変形を抑えた樹脂の開発に目処が立ったことから、合弁による本格量産を決定したという。

 SMDは合弁会社の設立により、次世代ディスプレイ量産のための材料を安定的に確保することを目指す。一方、宇部興産は、成長戦略事業と位置付けているポリイミドの用途や市場の拡大を見込む。なお、合弁契約の条件などの詳細は公表しない。

 SMDの趙秀仁(チョ・スイン)社長は、「2007年に世界で初めてAMOLED(アクティブマトリックス方式の有機ELディスプレイ)量産を実現したが、これに続いて宇部興産との合弁により次世代ディスプレイの重要な材料技術も確保していく」とコメント。宇部興産の渡邊史信常務執行役員は、「有機ELなど最先端ディスプレイの開発と実用化で世界をリードするSMDとの合弁会社設立により、ポリイミドチェーンの成長戦略を加速させるとともに、次世代ディスプレイの進歩と普及に貢献していく」と述べている。



(2011年 5月 27日)

[AV Watch編集部 中林暁]