ヤマハ、AirPlay/FLAC再生対応AVアンプ2機種

-iPhone/iPadで制御。消費電力を約20%削減


7.1chの「RX-V573」

 ヤマハは、ネットワークプレーヤー機能も備えたAVアンプ、2機種を5月下旬に発売する。価格は5.1chアンプの「RX-V473」が52,500円、7.1chの「RX-V573」が63,000円。

 どちらもDLNA 1.5に準拠したネットワークプレーヤー機能を内蔵。PCやネットワークHDDなどに保存した音楽ファイルが再生できる。音楽ファイルはMP3/WAV/FLAC/WMA/AAC(MPEG-4)をサポートし、FLACは24bit/96kHzまで対応。また、USB端子も備え、USBメモリ内の楽曲再生も可能。インターネットラジオも聴取できる。DACはTIのバーブラウン製。

 前面にUSB端子を備え、iPhone/iPod/iPadのデジタル接続に対応。接続したiPhone/iPod/iPadの充電も行なえる。対応機種はiPod、nano(第2~6世代)、touch、iPhone 3G/3GS/4/4S、iPad(第1~2世代)。

 新たにAirPlayにも対応。iOS 4.3.3のデバイスや、PCのiTunes 10.2.2以降に対応し、それらの機器からワイヤレスで音楽再生が可能。

 【お詫びと訂正】
 記事初出時、「AirPlayでApple TVと接続して映像/画像のストリーミング再生も可能」と記載しておりましたが、誤りでした。お詫びして訂正させていただきます。(2012年4月12日)

RX-V473RX-V573

 iOS 4.2以上をインストールしたiPod touch(第3世代以降)、iPhone 3GS以降、iPadや、Android OS 2.1以上の端末にコントロールアプリ「AV CONTROLLER」も無償で提供。同じLAN内にあるAVアンプをコントロールするもので、電源ON/OFF、ボリューム調整、ミュートなどの基本操作に加え、ネットラジオの選局やPC内のファイル再生、入力ソース切り換え、再生中の曲のタイトル名/アルバム名/アーティスト名表示なども可能。DSPモードの切り換え、SCENEモードの切り換えもでき、スマートフォンやタブレットをアンプのリモコンのように使える。iPad版アプリは、画面の大きさを活かした表示が可能。


「RX-V573」の背面

 HDMI入力は4系統で、3D映像やARC(オーディオリターンチャンネル)に対応するほか、4K映像の入出力にも対応する。アップスケーリングやビデオコンバージョン機能は備えていない。

 独自の「シネマDSP」を備え、“高さ”方向の音場データを加え、立体的なサラウンド空間を実現する「シネマDSP <3Dモード>」に対応。VPS(バーチャル・プレゼンス・スピーカー)機能も装備しており、前方上方に設置するプレゼンス・スピーカー(フロントハイ)を仮想的に創成。フロント・プレゼンス・スピーカーの設置が必須だったシネマDSP <3Dモード>を、7.1chや5.1ch構成のシステムでも手軽に利用できる。

 シネマDSPはHDオーディオの音声とも組み合わせて使用可能。DTS-HD Master Audio/High Resolutionについては、コア部分のみにシネマDSPを付加できる。ほかにも、圧縮音源の高域を補正する「ミュージックエンハンサー」も装備する。シネマDSPプログラム数は17で、総サラウンドプログラム数はV473が34、V573が38。

 前面には映像ソースや音場プログラムなどの組み合わせを登録し、ワンタッチで呼び出せる「SCENE」ボタンも用意している。

 最大出力はV473が135W×5ch(6Ω)、V573が135W×7ch(6Ω)。どちらもディスクリートアンプとなっている。7.1chアンプの「RX-V573」は、フロントスピーカーのバイアンプ駆動も可能。2つの場所や部屋で同じ音を再生する「Zone B」機能も備えており、リビングで5.1ch再生しながら、隣のキッチンで同じ音をステレオ再生するといった使い方が可能。ただし、リビングとキッチンで、別の音楽を流す事はできない。

 新しい省電力機能として、ECOモードを搭載。通常使用時の消費電力を抑えるもので、トランスから出力される電力そのものを抑制。これにより、どのような機能を利用している場合でも、約20%程度の消費電力を抑えられるという。ながら視聴やBGMユースなど、長時間使用する場合に特に効果があるとしている。通常時の消費電力は2モデルとも175W。待機時の消費電力は0.1W以下(HDMIコントロール/スタンバイスルーOFF時)。HDMIコントロール/スタンバイスルーON時でも1W以下。

 自動音場補正機能「YPAO」や、AM/FMチューナも搭載。HDMI入力は4系統、出力は1系統装備。HDMI以外の入力として、D4×1、コンポーネント×2、コンポジット×5、アナログ音声(RCA/ステレオミニ)×4、光デジタル音声×2、同軸デジタル音声×2を装備。出力はコンポーネント×1、コンポジット×2、アナログ音声×2、ヘッドフォン×1を用意する。

 外形寸法は2モデルとも435×315×161mm(幅×奥行き×高さ)で、奥行きを抑えて設置性を向上させている。重量は「RX-V473」が8.1kg、「RX-V573」が8.2kg。

 

V473の背面V573の背面

 


(2012年 4月 12日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]