ラックスマン、'70年代復刻のトランジスタ式プリメイン

-高音質フィードバック回路ODβ搭載の「L-305」


L-305

 ラックスマンは、トランジスタ式のプリメインアンプ新モデル「L-305」を7月に発売する。価格は315,000円。

 1970年代製品に特徴的なノブ類を多数備えたフロントパネルと、木箱入りデザインを採用した、トランジスタ式のプリメインアンプ。 DC領域と音楽の主帯域を独立ルートでフィードバックすることにより全帯域で音色の統一感が得られるという高音質フィードバック回路「ODβ」(Optimized Dual Beta)を搭載している。

 なお、現在のラックスマン製品で主流となっている最新のODNF回路は搭載していない。同社はこの点について「再生する音楽が生み出された時代に焦点を当て、周波数レンジやダイナミックレンジを欲張ることなく、音楽の主たる帯域にエネルギーを集中させた音創りにより、往年の名スピーカーとの組み合わせやアナログ全盛時代の名演奏・名録音を当時の雰囲気で堪能していただける」と説明している。

 パワーアンプ部は、コンプリメンタリー差動構成/一段増幅によるシンプルな初段回路の「CSSC回路」により、詰まりのない開放的な音場感を獲得。大容量バイポーラ・トランジスタによるパラレルプッシュプル出力構成としている。電源回路には、大容量EIコアタイプ電源トランスと15,000μF×4本のブロックコンデンサーを組み合わせて使用している。

 シャーシは、外来ノイズに強い高剛性のシールド型金属シャーシ構造を採用。フロントパネルはノブ類はアルミ製。木箱はロの字型で、天然木突き板仕上げとなっている。

 前面ノブにより、ターンオーバー周波数3段階切替のバス/トレブルトーンコントロールが可能。アナログレコードの反りによるウーファのふら付きを抑えるローカットスイッチや、モノラルレコード再生時に使えるモノラルスイッチも備える。

 入力端子はRCAのライン3系統、フォノ1系統。テープデッキなどを接続可能なレコーダ用入出力端子1系統備えている。幅広ピッチのRCA端子を採用し、大型ケーブルも使用可能としている。ヘッドフォン出力も装備。スピーカー端子はA/B 2系統の切り替え式で、極太のスピーカーケーブルも装着しやすく、Yラグやバナナ端子にも対応している。

 パワーアンプを追加したバイアンプ構成や、AVシステムとの接続も可能にする、プリ/パワー分離機能も装備。なお、プリアウト端子は、セパレートスイッチのオン/オフにかかわらず常時出力される。

 出力は50W×2ch(8Ω)、75W×2ch(4Ω)。消費電力は117W(無信号時40W)。外形寸法は400×330×169mm(幅×奥行き×高さ)、重量は15kg。音量調整が可能なアルミ製リモコン「RA-19」や、OFC極太線ノンツイスト構造の純正電源ケーブル「JPA-10000」などが付属する。

内部構造背面付属リモコン


(2012年 6月 8日)

[AV Watch編集部 中林暁]