アキュフェーズ、AAVA搭載/30万円のプリメイン「E-260」

ヘッドフォン専用アンプ搭載。プリアンプ「C-2420」も


 アキュフェーズは、プリメインアンプ「E-260」と、プリアンプ「C-2420」を11月中旬より順次発売する。価格と発売時期は、E-260が30万4,500円で11月中旬、C-2420が11月下旬で71万4,000円。

 いずれも、11月2~4日に東京国際フォーラムで行なわれる「2012東京インターナショナルオーディオショウ」に出展される。



■ プリメインアンプ「E-260」

 '08年に発売した「E-250」の後継モデル。プリ部に上位機種のE-560/460/360と同じAAVA方式のボリュームコントロールを搭載したほか、スイッチ1つでプリ部とパワー部を分離して利用できる「EXT PRE」機能をこのクラスでは初めて搭載している。また、新たにヘッドフォンアンプも搭載した。

 「AAVA(Accuphase Analog Vari-gain Amplifier)」は、増幅部と音量調整器を一体化させることで、可変抵抗体を使用しないため、機械的接点が存在せず、高音質を実現するというボリュームコントロール方式。

 回路的にプリアンプとパワーアンプは分離されており、「EXT PRE機能」によりスイッチ1つで独立して使用可能。パワーアンプを1台追加し、バイアンプ方式でも利用できる。スピーカーターミナルはA/Bの2系統備え、バイワイヤリング接続も可能。

 パワーアンプ部には、「インスツルメンテーション・アンプ」を採用。信号入力段を含めたパワーアンプ全体でバランスアンプを構成するというもので、入力端子からパワーアンプ段までの信号回路をフルバランス伝送。内部で発生する雑音の除去や、低歪率、安定度の向上などに寄与するという。

 増幅にはカレント・フィードバック回路を採用。内部信号経路のリレーを電子的にコントロールする「ロジック・リレーコントロール」には、金貼り接点を使ったクロスバーツイン方式を使用、「最短でストレートな信号経路を構成した」としている。出力段は大電力オーディオ用パワートランジスタを使ったパラレル・プッシュプル構成で、大型ヒートシンクに取り付け、放熱処理を効率化。定格出力は4Ω負荷で115W×2ch、6Ωで105W×2ch、8Ωで90W×2ch。

 電源部は大型トランスと、22,000μFの大容量フィルタ用アルミ電解コンデンサ2基を搭載。また、プリ部用にトランス別巻線の専用電源回路を装備。パワーアンプ部との干渉を防止している。

 新たに、ヘッドフォン専用のアンプも搭載。切り替えスイッチでスピーカーへの出力を切り、メインボリュームでヘッドフォン出力を調整できる。トーンコントロールには「加算型アクティブ・フィルター方式」を採用。出力電力をモニターするアナログ式のパワーメーターも備える。

 入力端子はバランス(XLR)が1系統、アンバランス(RCA)が5系統。プリアウトとパワーアンプ入力は各1系統。レコーダ入出力も各1系統備える。拡張スロットも備え、別売のUSB/光/同軸デジタル入力対応ボード「DAC-30」などを追加できる。スピーカーターミナルは2系統で、真鍮無垢材の削り出し。バナナプラグやYラグにも対応する。

 消費電力は無入力時49Wで、8W負荷の定格出力時が340W。全高調波歪み率は0.05%。SN比は定格出力時で91dB(バランス)。外形寸法は465×420×151mm(幅×奥行き×高さ)、重量は20kg。リモコン「RC-200」などが付属する。



■ プリアンプ「C-2420」

 AAVAボリュームコントロールを搭載するステレオプリアンプ。ボリュームノブに上位モデルC-2820と同じアルミブロックから切削加工した高剛性/高精度のボリュームセンサーを搭載し、操作感や精度の向上を図っている。

 内部信号経路のリレーを電子的にコントロールする「ロジック・リレーコントロール」には、金貼り接点を使ったクロスバーツイン方式を採用。リアパネルにはゲイン切替スイッチを装備し、12dB、18dB、24dBの3種類のゲインを選択できる。

 トーンコントロールには、「加算型アクティブフィルター方式」を採用。電源部は、10,000μFのフィルタ用アルミ電解コンデンサを4基搭載。電源トランスと共に左右独立とし、内部構造や配置においても左右チャンネルを分離させている。ヘッドフォン専用アンプも搭載。ヘッドフォンの感度に合わせて出力レベルを2段階(HIGHは+10dB)で切り替えられる。全高調波歪み率は0.005%。SN比は定格出力時でバランス/アンバランスどちらも109dB。

 入力端子は、バランス(XLR)を2系統、アンバランス(RCA)を5系統用意。出力端子は、バランス(XLR)2系統、アンバランス(RCA)2系統を備えている。そのほか、レコーダ用入出力や、外部プリアンプとの切り替えが可能な「EXT PRE」も用意する。オプションのフォノイコライザーユニット「AD-2820」を追加することで、MC/MMカートリッジ対応のアナログレコード再生も可能となる。消費電力は34W。外形寸法は465×409×150mm(幅×奥行き×高さ)、重量は19.2kg。リモコン「RC-220」が付属する。



(2012年 10月 9日)

[AV Watch編集部 中林暁]