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世界初のトーキー映画「ジャズ・シンガー」BD化
ジャズシンガーデビューの八代亜紀「私と似た作品」
(2013/1/17 11:01)
ワーナー・ホーム・ビデオは、サイレント映画からトーキーへと移行した第1作目であり、長編映画として初めて俳優がスクリーン上でセリフを話したことでも知られる映画「ジャズ・シンガー」をBD化。「ジャズ・シンガー ワーナー・ブラザース 90 周年記念エディション」として、1月18日に発売する。価格は3,980円(品番:1000368707)。その発売を記念し、八代亜紀さんを招いての特別上映会が16日、都内で開催された。
1923年にハリー、アルバート、サム、ジャックの4兄弟によってワーナー・ブラザースが設立。それから4年後の'27年に公開されたのが、今回BD化される映画「ジャズ・シンガー」。この作品の大ヒットを受け、ワーナーは世界有数の映画スタジオとして確立したという経緯がある。そのため、ワーナーの設立90周年記念の一環としてのBD化された。
名優アル・ジョルスンが演じるジェイキー・ラビノウィッツが、ショービジネス界での活躍を夢見て、ユダヤ教司祭長の父親に逆らいながら奮闘し、成功していく物語。映画史上初めてのセリフは「Wait a minute, wait a minute. You ain't heard nothin' yet!」(待ってくれ。お楽しみはこれからだ!)。
八代亜紀さんがゲストに登場
BD化を記念した特別上映会にゲストとして参加したのは、演歌界の大御所でありつつ、昨年ジャズシンガーとして改めてデビューを果たし、初の本格ジャズアルバム「夜のアルバム」をリリースした歌手の八代亜紀さん。さらに、映画コメンテーターの有村昆さんも登壇した。
冒頭、八代さんは「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」と「クライ・ミー・ア・リバー」の2曲をジャズライブで披露。演歌とはまた違った甘い歌声で、雰囲気たっぷりに会場を盛り上げた。
演歌のイメージが強い八代さんだが、浪曲を聴いて育ち、10代はジャズと、ジャンルを問わず様々なジャンルの音楽を聴いてきたという。さらに15歳の頃には年齢を誤魔化して、キャバレーでクラブ歌手としてジャズなどを歌っていたという。
「(それが)父親にバレて、不良になったと物凄く叱られました。当時は喫茶店に入るだけで不良と言われ、喫茶店でクリームソーダを飲むのが夢だった時代ですから(笑)」と当時を振り返る。そのため、今回のジャズシンガーデビューは、ある意味“原点回帰”とも言える。3月にはニューヨークのジャズクラブの聖地とも言えるバートランドでの海外公演も決定。ヘレン・メリルとの共演も予定されているとのこと。
「大きな夢が実現するという気持ち。まだ心の準備ができていなくて、フワフワしていますが、しばらくするとビシッとギアが入ると思います(笑)。舟唄や雨の慕情を、ジャズバージョンで聴いてもらおうと思っています。最後はアカペラで披露したいですね」と構想を語った。
有村さんは、映画「ジャズ・シンガー」が、映像に音声がついた世界初の映画として、当時の人々に与えたインパクトを説明。「それまではサイレントですから、映画史の転換点と言え、今で言うと3D映画のような驚きがあったはず。また、ワーナーを設立した4兄弟の中で、トーキーに尽力した三男のサム・ワーナーさんは、この作品の公開前日に、過労のため40歳で亡くなってしまっている。(そのことも)トーキー映画の幕開けをドラマチックにしている」と分析した。
さらに有村さんは、「君の瞳に乾杯」の名台詞で知られる「カサブランカ」や、ジェームズ・ディーンの「エデンの東」、カンフーブームを巻き起こしたブルース・リーの作品、ホラー映画の金字塔とも言える「エクソシスト」、そして「ハリーポッター」や「マトリックス」など、ワーナーのこれまでの人気映画をピックアップして紹介。八代さんも「エクソシストは怖すぎて、映画館でほとんど下を向いてスクリーンを見ていなかった(笑)」など、当時のエピソードを語った。
八代さんの思い出深い作品は、ケビン・コスナーとホイットニー・ヒューストンが共演した「ボディガード」。「私にとって、マネージャーがボディーガードで、そのマネージャーと結婚しましたから、今でもボディーガードなんです。映画が公開されたのが、ちょうど結婚した年なんです。結婚する前に、彼がマネージャーをやめてしまう夢を見て、夜中に『貴方が何処かに行っちゃう夢を見た』と電話したんです。そうしたら『何処にも行かないよ。明日も早いからもう寝なさい』と言ってくれて。それで、私の方から『お嫁さんになってあげてもいいよ』と、上から目線で(プロポーズしました)」と笑う。
丸岡いずみキャスターと入籍し、結婚式を間近に控えている有村さんは、「そういうエピソードが語れるような大人になりたいです」と、八代さんの話に聞き入っていた。
なお、既報の通り、これらワーナーの作品を集めたBD-BOXも、4月17日発売予定。50作品を収録したBOXが49,800円、そこから更に厳選した20作を収録したBOXが24,800円で発売予定となっている。
映画「ジャズ・シンガー」の見どころとして、八代さんは、「父と子の絆や、苦悩する母親など、私と本当に似ているんです。セリフもそうですし、セリフ無しで字幕で説明されるシーンも凄く心に残りました」と語る。
有村さんは、「映画の技術革新の歴史とリンクした作品。教会の、どちらかと言うと重たい家系で育った男の子が、ジャズ・シンガーとして成功していくが、ブロードウェイの大舞台を前に、夢をとるか、家のために夢を諦めるのかという究極の選択を迫られる。皆さんの人生とも照らし合わせながらご覧いただける、ストーリーにも注目の作品」とアピールした。
ジャズ・シンガー ワーナー・ブラザース 90周年記念エディション | 八代亜紀 夜のアルバム |
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