ミニレビュー
Qobuz Connectのおかげで、デノンのネットワークプレーヤーでQobuzが楽しめるようになった
2025年5月22日 12:29
昨年の11月にスタートした、ハイレゾ音楽のストリーミング&ダウンロード配信のQobuz(コバズ)。筆者も加入して、主にスマホやPCでストリーミング配信を楽しんでいるのだが、1点、悩ましい事があった。それは、単品コンポのオーディオシステムでQobuzを再生できなかった事だ。
私は、デノンのネットワークプレーヤー「DNP-2000NE」を使っている。音質には満足しているのだが、Qobuzには対応していなかった。これはDNP-2000NEに限った話ではなく、デノンやマランツの製品は、ネットワークオーディオのプラットフォーム「HEOS」を搭載しており、このHEOSがQobuzに対応していなかった。
しかし、15日に発表された新機能「Qobuz Connect」により、この状況が一変。HEOS搭載機で、Qobuzの音楽が楽しめるようになった。ただ、このあたり、少しわかりにくいので、改めて状況を整理しつつ、実際に使ってみよう。
Qobuz Connectとは?
筆者は普段、スマホやタブレットの「HEOS」アプリを使い、Amazon Musicで配信している曲や、ネットワークHDDに保存した音楽ファイルにアクセスして、DNP-2000NEから再生している。このHEOSアプリから、Qobuzにアクセスできるようになった……というわけではない。
Qobuzが新たに提供した新機能、Qobuz Connectは、Qobuzアプリ(iOS、Android、Windows、MacOS)から利用するものだ。
実際に使ってみよう。最新版にアップデートした状態で、スマホのQobuzアプリを立ち上げ、再生画面に移動すると、左下の再生デバイス選択の中に、DNP-2000NEが見えるようになっている。
Windows用のQobuzアプリでは、再生画面の右下にある出力先アイコンを押すと、「ネットワークデバイス」の中に、DNP-2000NEがリストアップされるようになっている。
どちらのQobuzアプリでも、このリストからDNP-2000NEを選ぶと、Qobuzの音楽がDNP-2000NEから最大192kHz/24bitで再生される。もちろん、一時停止、再生位置のシーク、曲送りなどの操作も可能だ。
つまり、Qobuzアプリをリモコンのように使い、Qobuzアプリから同一ネットワーク上の対応機器を直接コントロールして、音楽を出力する機能がQobuz Connectというわけだ。Spotifyにも「Spotify Connect」機能があるが、その“Qobuzバージョン”というイメージだ。
ポイントとしては、HEOSのアプリを使わずに完結するという事。Qobuzアプリは動作も軽快なので、筆者宅では快適に使えている。出力先の切り替えも手軽なので、例えば「スマホ内蔵スピーカーで手軽に聴いていた曲がいい感じだったので、DNP-2000NEに切り替えて大きなスピーカーでじっくり聴く」といった流れもスムーズにできる。
また、Qobuz Connectはアプリ間での相互コントロールもできるので、「Windows用アプリでキーボードを使ってアーティスト名などを快適に入力し、プレイリストを作成。スピーカーの前に移動したら、続きはスマホアプリを使って、プレイリストから好きな曲を選んで再生」といった事もできる。
Qobuzならではの魅力としては、アプリから読める「マガジン」機能も外せない。アーティストの紹介や、オススメアルバムなどの解説記事が用意されているほか、オーディオ機器の試聴レポートなども掲載されている。
椅子に座ってQobuz Connectで音楽を再生しながら、タブレットのQobuzアプリで、こうした記事をじっくり読むというのは、他の音楽配信サービスでは味わえない魅力と言えるだろう。
今回はHEOSにフォーカスしたが、他にもQobuz Connectに対応するブランドは多いので、所有している製品が対応しているかチェックしよう。詳しくはQobuzのサイトを参照していただきたいが、Arcam、Atoll、Aurender、Burmester、CH Precision、Dan D'Agostino、dCS、Eversolo、JBL、Lumin、Luxman、McIntosh、PS Audio、Silent Angel、SOtM、Volumio、WiiMなど、多数のブランドが含まれており、今後の拡充も期待できそうだ。