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シャープ、使用済み薄型TVのプラスチックを新品同等に回復させる技術

リサイクルの流れ

 シャープは、使用済みの薄型テレビから回収したプラスチック(PC+ABS樹脂/無塗装の廃材に限る)を、新品材料と同等の特性に回復させるというリサイクル技術を、関西リサイクルシステムズ(KRSC)と共同で開発。5月からKRSC第2工場で回収した使用済み薄型テレビのリサイクルに導入し、その再生材を、11月に発売するシャープの車載用プラズマクラスターイオン発生機「IG-FC15」に採用したという。

 シャープは洗濯機、冷蔵庫、エアコンに多く使われているプラスチック(PP、PS樹脂)をリサイクル処理し、その再生材を製品部材として繰り返し利用する「自己循環型マテリアルリサイクル技術」を2001年以降に順次実用化している。

車載用プラズマクラスターイオン発生機「IG-FC15」

 一方で、薄型テレビの筐体には、剛性や耐衝撃性、難燃性などの特性が高いプラスチック(PC+ABS樹脂)が多く使われており、長期使用によりこれらの特性が低下するため、従来のリサイクル技術では製品部材として再生利用するのは困難だったという。

 そこで、製造メーカーや使用年数が異なる薄型テレビのプラスチックから生成される再生材を、新品材料と同等の特性に回復させる添加剤の処方を開発。それを用いてリサイクルされた再生材を使った、車載用プラズマクラスターイオン発生機「IG-FC15」が、11月8日から発売される。

 薄型テレビ廃棄量の大幅な増加に対応するため、シャープではこの技術の自社製品部材への採用を進めると共に、「自己循環型マテリアルリサイクル技術」の対象素材を拡大していくという。

(山崎健太郎)