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【ポタフェス】音も決められるUEカスタムイヤフォン
AUDEZEから新ヘッドフォン。チタン筐体イヤフォンも
(2013/12/21 21:56)
多数のヘッドフォン関連機器を試聴できるイベント「第4回ポータブルオーディオフェスティバル2013 in 秋葉原」(ポタフェス)が21日、「ベルサール秋葉原」で開幕した。会期は12月21日~22日で入場無料。イヤフォン/ヘッドホン専門店「e☆イヤホン」によるイベント。ここでは、イヤフォン/ヘッドフォン関連の新製品展示をメインにレポートする。
Ultimate Ears
Ultimate Earsのブースでは、日本初上陸となる5ドライバ3ウェイのカスタムIEM「Personal Reference Monitor」を展示すると共に、オーダー販売も実施されている(事前申込みが必要)。価格は218,000円。
専用の機材を使って、購入者が音を決めてから注文するため、この機材が用意されるポタフェス会場での限定販売となる。また、イベント後の12月23日には、e☆イヤホンの大阪日本橋本店にも機材を用意し、受注を行なう。
Personal Reference Monitorは、ユーザーの耳型をとって作成を依頼するカスタムインイヤモニターの最上位モデルで、低域×2、中域×2、高域×1の5 BA(バランスド・アーマチュア)ユニットを内蔵。
ユーザーが音もカスタマイズできるのが特徴で、左右それぞれの高域、中域、低域の量をダイヤルで調整できる専用機材を用いて、音を聴きながら注文者がダイヤルを操作し、ベストな音を探す。各帯域の音は数値化(基準値は50)され、その数値を元にオーダーしたイヤフォンが作られる。
ミックスウェーブ
AUDEZEの開放型で平面磁界・全面駆動のヘッドホンシリーズの新モデルとして、密閉型の「LCD-XC」と、開放型でモニターサウンドが特徴という「LCD-X」の2機種を参考展示している。年明けの1月末頃の発売を予定しており、価格は未定。
いずれも空気の流れを調整するという「Fazor elements」という技術を投入しているのが特徴。
また、バランスド・アーマチュア(BA)ユニットを搭載したUnique Melodyのカナル型イヤフォン最上位として、「mentor」というモデルを参考展示。ユニット構成は低域×4、中域×2、高域×2、スーパーツイータ×2で、計10基、4ウェイとなる。価格や発売日は未定。
他にも、BEAT AUDIOのイヤフォンケーブル「SUPERNOVA」のFitEar向けリケーブルや、最上位シリーズとなる赤いケーブル「VERMILION」も参考展示。銀線は使わず、銅のみを使ったケーブルで、カスタムイヤフォン向けの2ピンと、Shure用のMMCX端子モデルの2機種を用意。1月末の発売を予定している。
また、Cypher Labs製ポータブルDAC「AlgoRhythm Solo -dB」と組み合わせるアンプとして、同じくCypher Labs製のポータブルヘッドフォンアンプ「AlgoRhythm Duet」を参考展示。4ピンのバランス入出力と、アンバランスヘッドフォン出力も備え、筐体サイズは「AlgoRhythm Solo -dB」とほぼ同じ。ゲイン切り替えスイッチも備えている。内蔵バッテリでの連続再生時間は14時間。
これまで「AlgoRhythm Solo -dB」と組み合わせるアンプとしては、ALO audioの「Rx Mk3-B+」が定番だったが、それに選択肢が加わる形となる。発売日や価格は未定だが、「Rx Mk3-B+」より低価格になる見込みだという。
ラディウス
12月下旬から発売する、カナル型イヤフォン「Ne」シリーズを展示している。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は「HP-NEF31」が3,980円前後、「HP-NEF21」が2,980円前後、「HP-NEF11」が1,880円前後。いずれもドライバユニットはダイナミック型。
上位モデルの「HP-NEF31」は、ドライバユニットの前方にマグネットを配したHigh-MFD構造で高音質化を図ったのが特徴。3機種共通の特徴としては、従来モデルよりも耳の奥にフィットするという新イヤーピースや、イヤーピースの装着位置を変えられる機構なども採用。同社イヤフォンの音質に最適化した音楽プレーヤーアプリ「Ne AUDIO」とも連携できる。
また、参考展示として、Lightning端子に接続し、アナログ出力が得られるポータブルDAC「LCH11」を披露。DACにWolfsonのWM8524を採用し、コンパクトながらパワフルでクリアなサウンドを実現するという。対応は24bit/192kHzまでで、ハイレゾ再生アプリとの連携を想定している。なお、DACからステレオミニケーブルが直接出ているように見えるが、根本はUSB端子になっており、そこからアナログ音声信号が出ているという。利用には、付属のUSB-ステレオミニケーブルを使う。価格は1万円前後を想定している。
JVCケンウッド
JVCブランドのポータブルヘッドフォンアンプを参考展示している。細かな仕様や価格は公開されていないが、筐体には「K2テクノロジー」のロゴがプリントされ、ステレオミニのヘッドフォン出力以外に、「PC/CHARGE」と書かれたマイクロUSB端子とUSB A端子を備えており、PCと接続してUSB DACとして動作したり、スマートフォンとのデジタル接続が行なえるものと思われる。価格などは未定だが、来年の発売を目指し、開発が進められているという。
Atomic Floyd
Atomic Floydのブースでは、低域用のダイナミック型ドライバと中高域用のBAを搭載したハイブリッドイヤフォン「SuperDarts + Remote」(33,800円)の新バリエーションとして、「SuperDarts + Remote TITANIUM」(仮)というモデルが参考展示されている。
名前の通り、筐体の素材をチタンにしたもので、音質も変化。通常モデルと比べ、高域が柔らかく、全体的に響きが豊かなサウンドになっている。来年3月頃の発売を予定しており、価格は未定。
e☆イヤホン、初のオリジナルヘッドフォン
12月21日から発売を開始した、e☆イヤホン初のオリジナルブランドヘッドフォン「SW-HP11」も注目が集まっている。価格は18,900円。
詳細は既報の通りだが、SOUND WARRIOR(城下工業)が販売しているモニターヘッドフォン「SW-HP10」をベースにしながら、e☆イヤホンが、これまで取り扱ってきた多数のヘッドフォンの経験や、ユーザーからの要望などをメーカーに伝え、製品に反映。さらに、音決めのアドバイザーを、マリモレコーズの江夏正晃氏が担当。e☆イヤホン、マリモレコーズ、城下工業の3社がコラボレーションしたオリジナルモデルとなる。
イベント初日では、e☆イヤホンの岡田卓也氏、マリモレコーズの江夏正晃氏、城下工業の城下徹社長が登壇するトークイベントも開催。よりダイレクトな音が聴き取れるよう、イヤーパッドの形状にこだわった事や、バッフル面のウレタンリングの高さと厚みを工夫した事、着脱式としたケーブルへのこだわりなどが語られた。
カナルワークス
12月21日から販売する、カスタムイヤモニターの新製品を展示。3ウェイ4ドライバのBAを搭載した「CW-L32」と「CW-L32V」。価格は各94,800円(耳型採取費用は別)。受注生産で、生産は1月からとなる。
重低音再生を得意とする3ウェイモデルとして「CW-L31」(89,800円)が発売されているが、「L32」では、「よりメリハリの効いた低音と高音」を追求。型番にVがつく「L32V」は、「ボーカルのエネルギーを余すことなく伝える」という位置付けになる。ユニット構成は大型の低域用×1、中域用×2、高域用×1の3ウェイ4ドライバ。
また、同社のイヤフォン向けのオプションとして、新ケーブル「ステルスケーブル」を追加。価格は単品販売が11,000円。標準ケーブルからの変更は5,000円で行なえる。「業務用としてステージパフォーマンスでのイヤモニター使用時、ケーブルが目立たず、且つ過酷な使用に耐える耐久性を実現する事を目的として開発した」とのことで、素材の直径は0.9mmと細く、被覆も透明で目立ちにくい。
その他
イーケイジャパンのブースでは、オペアンプを交換して音の違いが楽しめる薄型ポータブルアンプ「TU-HP01」に、5個の交換用オペアンプを追加。標準付属の2個に加え、7個のオペアンプの音が楽しめる「TU-HP01SA」を展示。数量限定販売で、価格は21,000円。
さらに、真空管ヘッドフォンアンプ「TU-882R」(組み立てキット/31,290円)、「TU-882AS」(基板はんだ付け済みキット/32,800円)も参考展示。来年の発売を予定している。
中国のメーカー、Astrotecが発売を予定しているのが、BAとダイナミック型のハイブリッドイヤフォン「AX-60」。早ければ年内の発売を予定しているというモデルで、価格は35,000円程度を予定。付属のフィルタを交換する事で、音の違いが楽しめるのが特徴。