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Xbox One、音声操作など強化したKinectで新たなゲーム体験。動画やテレビもゲームと共存

 マイクロソフトは、9月4日に国内発売予定の新ゲームコンソール「Xbox One」のプレス向け体験会を実施。Kinectセンサーを使った日本語音声コマンドなどの操作デモを行なったほか、開発が進められている「カラオケ@DAM」など提供予定アプリの機能を紹介した。

Xbox One

 Xbox Oneは、500GB HDDとBlu-rayプレーヤー、無線LANを内蔵したゲームコンソール。'13年11月より順次グローバルで発売されており、8月のアップデートではBlu-ray 3D再生機能も追加され、日本発売モデルも3D BDが再生できることとなった。

 HDMI出力だけでなく入力も備え、HDMI搭載のBDレコーダなど、手持ちのチューナ搭載機器のテレビ映像をXbox Oneの画面内に表示可能。メイン画面の横に他のアプリを併存させる「スナップ」機能により、ゲームをしながらテレビを観たり、テレビを観ながらInternet ExplorerでWeb検索するといったこともできる。なお、欧州向けに10月にはXbox OneのオプションとしてUSB接続デジタルテレビチューナ「Xbox One Digital TV Tuner」(DVB-Tなどに対応)が発売予定だが、日本方式(ISDB-T)のテレビチューナ発売については検討中としている。

テレビ画面の脇に、Internet Explorerを表示させることも可能

 製品ラインナップは、「Xbox One」(39,980円)のほか、カメラやマイクを備えたXbox One Kinectセンサーが付属し、Kinectセンサーを使って自分の声でゲームやコンテンツを瞬時に呼び出せる「Xbox One + Kinect(49,980円)」を用意。数量限定版の「Xbox One + Kinect (Day One エディション)」(49,980円)は、Xbox OneとKinectに加え、「タイタンフォール」と「Kinect スポーツライバルズ」を同梱する。また、数量限定の専用アクセサリ「Xbox One ワイヤレスコントローラー(タイタンフォール リミテッド・エディション)」も6,480円で発売する。

ホーム画面
よく使うアプリなどは「ピン留め」でまとめておける
XboxVideo
映像再生の脇にSkypeを「スナップ」で表示したところ
スナップのメニュー

音声コマンドでプレイ動画を簡単録画。Kinectで心拍数や“熱中度”測定も

 Kinectセンサーを使った音声操作機能は、ゲームに集中しながら他の操作なども同時にしやすくなることが大きな特徴。例えば、Xbox Oneでのゲームプレイを動画としてシェアしたい場合は「クリップ」と言うと過去30秒間の動画を保存。バックグラウンドで録画し続けているため、とっさのプレイなども録り逃しが防げる。録画した映像はアプリで編集でき、必要な部分だけをXbox Liveにアップロード可能。ファイルとしてOne Driveで他の人と共有することもできる。

Kinectセンサー

 ミュートや音量調整なども、ゲームをしながら声だけで操作できるまた、あるアプリの使用時に深いメニュー階層まで入っていっても、「Xbox ホーム」で瞬時に戻れるため、従来のように「戻る」操作のボタンを何回も押す必要が無い。音声コマンド数は50種類以上。今後も音声操作は強化していく予定で、ユーザーの協力により音声データを蓄積して精度を向上させるほか、コマンドの学習なども検討していくという。また、Bing音声検索のような声でのWeb検索機能の開発も進められており、日本発売時には対応していないが、今後の採用を検討中だという。

ゲームプレイの録画を切り出す「クリップ」
音声コマンドの例

 操作性におけるもう一つの大きな特徴は、Kinectのカメラ機能の進化。1080p動画撮影が可能なカメラを備え、人間の顔や体を認識した様々な操作を可能にしている。Kinectセンサーの機能を示すために、開発者向けの画面を使って特徴を紹介した。

 新しいKinectでは、人間の関節25カ所を認識する(現行機は20カ所)ことで、より細かな動作も認識できるようになった。また、従来はカメラからの距離が最低でも1.8m必要だったが、画角を広げることで1.4mまで短縮。日本の住宅でも利用しやすくなったのは大きい。

 また、通常のカメラに加え、赤外線カメラも内蔵したことで、暗所でも撮影が可能。2つのカメラを活用したユニークな例として、心拍数の推計が行なえるという。これは、通常のカメラからRGBの可視光線を発して、人の頬に当たったときの吸光率を測ることで実現。IRカメラからは緑の光を出して、同様に吸光率を測り、心拍数を推計できるという。このほかにも、表情を認識して笑顔かどうか判断することなども可能。開発者がフィットネスゲームなどで活用したり、ゲームへの“熱中度”を測ることなどに活用できるという。このほか、音声の認識も向上。指向性を持つアレイマイクを備え、「現行機に比べ耳も良くなった」としている。

開発者向けの画面。人の関節を25カ所認識
片足で立った時などの荷重を表示
通常のカメラと赤外線カメラを搭載
2つのカメラを活用して心拍数を推計
表情で「HAPPY」と判断
Kinect対応ゲームの「Kinect スポーツライバルズ」

 アプリは、日本向けに第一興商と協力して開発した「カラオケ@DAM」などを用意。別売の専用マイク(1,980円)をXbox Oneにつないでカラオケが楽しめて、「精密採点」のXbox One向けバージョンなどDAMの機能を家でも利用できるのが特徴。料金は1カ月で1,000円、24時間の場合は300円。「DAM★トモ」会員になると、自分の歌っている動画を友人などにシェアすることも可能。

アプリの「カラオケ@DAM」

 このほかにも、アプリはYouTubeや、niconico、Twitch、GoProなどの提供を予定している。アプリの数などは明らかにしておらず、「数の目標よりも、リビングで使いやすいものを検討した上で、使っていただけるものを早いタイミングで提供する」としている。音声操作対応のアプリも提供予定(カラオケ@DAMは音声操作に非対応)。

カラオケ@DAMは、キーだけでなくエコーなど細かな調整も可能
歌っている人をカメラで撮影し、右上に表示できる
YouTubeアプリで攻略動画を見ながらゲームをプレイ
ゲームをしながらTwitchアプリで実況
GoProアプリの画面

「ゲームとそれ以外」の共存で楽しみを拡大

リテールビジネス統括本部 Xboxカテゴリーマーケティンググループ ディレクターの磯貝直之氏

 リテールビジネス統括本部 Xboxカテゴリーマーケティンググループ ディレクターの磯貝直之氏は、「ゲームと実況動画を楽しむことの垣根が低くなっている。これらの使い分けや、画面内での共存を快適にすることが、テクノロジーカンパニーとしての真骨頂。ゲームとそれ以外のもの、例えば攻略ページ/動画などの表示や切り替えなどに、Windowsのテクノロジーが活きている」と述べた。

 日本語対応などを含むグローバルでのアップデートは、日本発売日である9月4日の実施を予定している。なお、ドイツで行なわれたイベント「gamescom 2014」では、DLNAへのアップデート対応も数カ月以内に予定していることが発表されたが、提供時期は明らかにしていない。

(中林暁)