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8K放送は2018年開始、'16年に4K BS放送も。新ロードマップ策定

 総務省は8月29日、4K/8K放送実現へ向けた「4K/8Kロードマップに関するフォローアップ会合」の第3回を開催し、4K/8K推進に向けた新ロードマップをまとめた。新たに8Kスーパーハイビジョン放送の開始を2018年と2年前倒しするとともに、2016年にCSだけでなく、BS放送において4K試験放送と8K試験放送を行なう方針。

新ロードマップ

 4K/8K放送については、'13年6月に「放送サービスの高度化に関する検討会」においてロードマップが定められていたが、より具体的なものとなったほか、新たに8K放送の前倒しや、2016年のBSを利用した4K放送などが取り入れられた。

 新ロードマップによれば、2015年は3月に124/128度CSにおいて4K実用放送を開始し、CATVとIPTV(RF/IP)でも4K実用放送を開始。2016年にはBS(衛星セーフティネット終了後の空き周波数帯域)において、4K試験放送(最大3チャンネル)と8K試験放送(1チャンネル)を開始するとしている。なお、'16年の4K/8K放送は時分割(時間帯で交代)での放送となるとする。また、'16年にはCATVやIPTVでも8Kに向けた実験的取り組みをスタートする。

 さらに、2018年にはBSなどにおいて4K/8Kの実用試験放送を開始すると決定した。

 当初8K放送開始目標としていた東京オリンピック開催年の2020年に目指す姿として、「オリンピック・パラリンピックの数多くの中継が4K/8Kで放送され、全国各地のパブリックビューイングでオリンピックの感動が全国で共有されている。4K/8K放送が普及し、多くの視聴者が市販のテレビで4K/8K番組を楽しんでいる」と目標設定している。

 従来のロードマップでは、「2020年に希望する視聴者がテレビで4K/8K放送放送を視聴可能な環境を実現」とされており、'20年にCS以外の伝送路として110度BS右旋の活用などを想定していた。新ロードマップは8Kの前倒しとともに、より積極的なBS放送の活用を盛り込んだものとなっている。

 今後の検討課題としては、伝送路としては110度CS左旋の受信環境や、4K/8Kテレビの開発や市場投入時期、サービス充実のための帯域確保などを挙げている。また、コンテンツ保護や限定受信方式(CAS)についても「検討を急ぐ必要がある」としている。

 地上放送の扱いについては、「4K/8K放送の実現には技術やコスト等の解決すべき課題は多い」としており、「まずは総務省や放送事業者などにより技術面の検討から開始することが適当。適切な機会をとらえて、都市部の地上波における伝送実験等を検討することが考えられる」としている。

【追記】
9月9日に「4K・8Kロードマップに関するフォローアップ会合 中間報告」が公開されました(9月9日更新)

(臼田勤哉)