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キヤノン、1型CMOSの高級コンパクト「PowerShot G7 X」

「SX60 HS」は65倍ズーム。新ハイエンド機も開発中

 キヤノンは、コンパクトデジカメのハイエンドモデル「PowerShot G7 X」と、光学65倍の高倍率ズーム搭載モデル「PowerShot SX60 HS」を、10月3日より発売する。価格はオープンプライスで、直販価格は、G7 Xが66,800円、SX60 HSが56,800円。

PowerShot G7 X

 両モデルとも最高フルHD/60p動画撮影に対応。無線LANとNFCも搭載し、スマートフォンをワンタッチでペアリングし、同社の新アプリ「Canon Camera Window」によりスマホ画面を使ったリモート撮影や、撮影画像のスマホへの転送が行なえる。

PowerShot SX60 HS
G7 X
SX60 HS

1型センサーの「G7 X」

PowerShot G7 X

 「PowerShot G7 X」は、光学4.2倍の大口径ズームレンズと、1型CMOSセンサーを搭載するハイアマチュア向けの高級コンパクト機。約0.14秒の高速AFや、最速約6.5枚/秒の高速連写機能を備えている。

 センサーは2,020万画素の裏面照射型CMOSで、映像エンジンはDIGIC 6。3枚の非球面レンズを含む5群ズームレンズを備え、24~100mm相当でF1.8~2.8の明るさを実現。デジタルズームを進化させた「プログレッシブファインズーム」の画像処理により、光学ズームの望遠側最大値の約2倍にあたる約8.4倍までのデジタルズームでも、高い解像感を保つという。絞りは9枚羽根。最短撮影距離は5cm。

 感度は最高12800で、暗いシーンでもノイズを抑えた撮影ができるという。3型でチルト対応のタッチパネル液晶や、2段ダイヤル、レンズ部のコントローラリングなどにより操作性も向上させているのも特徴。コントローラリングへの機能の割り当てメニューはワンボタンで呼び出して変更できる。

 AFアルゴリズムやメカ制御などの最適化により、AFは約0.14秒、撮影タイムラグは約0.18秒まで短縮。フル画素で最速約6.5枚/秒、AF追従で約4.4枚/秒の高速連写が可能で、メモリーカード容量の制限まで連写を続けられる(UHS-1対応SDXCカード利用時)。

電源OFFの状態
2段ダイヤルやコントローラリングを備える
1型の2,020万画素センサー、4.2倍ズームを装備

 動画記録はMPEG-4 AVC/H.264(MP4)で、1,920×1,080ドットの60pや30p、1,280×720ドットの30pなどに対応。音声はAAC。動画撮影の前や撮影中にF値やシャッタースピード、ISO感度を手動で変更できる「マニュアル動画」モードも備える。また、動画撮影中でもタッチパネルでAEロックやMFによるAFロックが可能(プラスムービーオート/オート/クリエイティブショット/ハイスピードムービーは除く)。

 スマートフォン/タブレットをリモートビューファインダとしても利用でき、NFCによりワンタッチでペアリングして連携できる。また、カメラ側面に「ワンタッチスマホボタン」も備え、スマホ/タブレットに接続できる。パソコンを経由して指定のWebサービスへ画像を転送できるクラウドシンクロ機能も利用できる。

動画撮影はフルHD/60pなどに対応
液晶モニタ側
底面にNFCを搭載

 記録メディアはSD/SDHC/SDXCカード。バッテリはNB-10Lを使用する。HDMIやUSB端子を装備。外形寸法は、103.0×40.4×60.4mm(幅×奥行き×高さ)、 重量は約304g。

内部構造

光学65倍ズームの「SX60 HS」

PowerShot SX60 HS

 「PowerShot SX60 HS」は、世界最高クラスという21~1,365mm相当(F3.4~6.5)の光学65倍ズームレンズを搭載。持ちやすいグリップや、レンズシフト式手ブレ補正機能により、高倍率時でも手ブレを抑えて安定した撮影が行なえるという。

 センサーは1/2.3型、有効1,610万画素の裏面照射型CMOSで、映像エンジンはDIGIC 6。レンズシフト式手ブレ補正機能「マルチシーンIS」を搭載。マクロ撮影や流し撮り、動画撮影、三脚使用などの状況に特有なブレに対してカメラが自動で最適な補正制御を行なう。AF時間は約0.21秒で、撮影タイムラグは約0.23秒。連写はフル画素で最速約6.4枚/秒、AF追従で約3.8枚/秒。

 高倍率撮影時の機能として、被写体を見失った際などにワンボタンでズームアウトして、ボタンを離すと元のズームに戻る「フレーミングアシスト-探索」や、撮影者の身体の揺れを抑えて構図を定める「フレーミングアシスト-固定」も備える。

 動画記録はG7 Xと同様に最高1,920×1,080ドットのフルHD/60pに対応し、「マニュアル動画」モードも装備。動画撮影中に設定できる機能はG7 Xよりも多く、露出補正やAEロック、MFによる焦点距離の変更、AFロックが可能(プラスムービーオート/オート/クリエイティブショット/ハイスピードムービーは除く)。ステレオマイクの入力端子も搭載する。

 スマホ/タブレット連携機能はG7 Xと共通で、無線LANとNFCを搭載。ワンタッチスマホボタンも備える。液晶モニタは3型/92.2万画素のバリアングル。92万画素のビューファインダも備える。

光学65倍ズームを搭載
NFCは側面に装備
液晶モニタはバリアングル

 記録メディアはSD/SDHC/SDXCカード。バッテリはNB-13Lを使用する。HDMIやUSB端子を装備。外形寸法は127.6×114.3×92.6mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約650g。

HDMIなどの端子部
内部構造
PowerShot G7 X/SX60 HS用のケースなどアクセサリ

大型センサー+高倍率ズームの新モデルや、NFC搭載ストレージも開発中

 同社は16日に発表会を行ない、上記のG7 Xと、PowerShot SX60 HSのほか、APS-Cサイズの一眼レフ最上位機種「EOS 7D Mark II」も発表した。7D Mark IIについては別記事で掲載している

 さらに、PowerShot Gシリーズを強化した新しいハイエンドモデルを開発中であることも明らかにした。仕様の詳細は公開していないが、大型センサーと高倍率ズームを備えるという。「Gシリーズを強化することで、さらなる撮影領域の拡大を実現する。詳細はお伝えできないが、期待に応えるべく、魅力的な製品を展開していく」(キヤノン イメージコミュニケーション事業本部 副事業本部長 岡田正人氏)としている。

大型センサー+高倍率ズームの新ハイエンド機を開発中

 このほか、新コンセプトのフォトストレージを開発中であることも発表。「クロスメディアステーション」(仮称)というもので、特徴はNFCによりデジタルカメラから簡単に写真/動画の転送や保存が行なえるという点。

 テレビなどに映像出力できるほか、ネットワーク経由で写真や動画の共有、プリント出力などの機能も備える。仕様の詳細や、価格、発売時期は未定。

NFCでカメラから連携できるフォトストレージの「クロスメディアステーション」(仮称)

(中林暁)