ニュース

産業革新機構、V-Lowマルチメディア放送を推進するBICに上限10億円の出資

 産業革新機構(INCJ)は7日、V-Lowマルチメディア放送を推進しているホールディングカンパニーであるBIC(ビーアイシー)の第三者割当増資を引き受け、同社の成長資金として10億円を上限とする投資を行なうと発表した。

BICの事業内容と出資関係

 V-Lowマルチメディア放送は、地上アナログテレビ放送終了後に空いたVHF-Low帯(VHF 1~3ch)を使ったマルチメディア放送。音声だけでなく、映像やデータ放送も活用したもので、TOKYO FMとパートナー企業が設立したBICが、事業全般を推進。11月の福岡からサービスを開始する予定となっている。

 BICは、基地局などを整備するハード事業者として100%子会社のVIPを持っているほか、各地域ブロックごとにソフト事業者認定を目指す「地域マルチメディア放送会社」全国6 社の株式も取得。受信端末の普及にも直接関わっており、V-Lowマルチメディア放送受信用のWi-Fiチューナを、7年間で100万台無料配布する計画なども立てている。

 INCJはBICに対して、VIPが計画している設備投資資金などの成長資金を提供、社外取締役の派遣なども行ない、経営面でもサポートするという。投資を通じてINCJは、「様々な事業者、サービス提供者に対するマルチメディア配信プラットフォームの開放を促進する」という。

 さらに、V-Lowマルチメディア放送が放送波伝送路の一斉同報性を活用しながら、既存のラジオやテレビといった放送と異なり、様々なデジタルデータを配信できる事から、「災害に強い社会インフラの整備、地域格差のない情報伝達の実現、次世代サービス・技術の創出に努めていく」(INCJ)としている。

(山崎健太郎)