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JVC、HDR対応の36型リアプロモニター。輝度4,500cd/m2
映像制作や工業デザイン用。HDR時代にリアプロ復活
(2016/1/8 12:23)
JVCケンウッドは、JVCブランドから、独自のD-ILAデバイスを搭載したHDR対応の業務用HDR対応リアプロジェクションシステム「LY-HDR36-4」、「LY-HDR36-2」を1月下旬より受注開始する。価格はオープンプライスで、想定売価は約400万円。
投射デバイスには、JVCプロジェクターでも採用しているD-ILAを採用し、筐体内部から前面の専用スクリーンに投射するリアプロジェクションシステム(リアプロ)。D-ILAの解像度は1,920×1,080ドットのフルHD。
JVC(ビクター)は、2007年までリアプロテレビ製品を発売していたが、テレビ事業の撤退を機に製品は途絶えていた。しかし、ハイダイナミックレンジ(HDR)という新たな映像トレンドにおいて、液晶ディスプレイでは出せない高輝度や大きな輝度変化に対応しやすいといった、D-ILAリアプロの特性が活かせる市場ニーズがあると判断。今回の製品投入に至った。具体的には、工業デザイン向けの高輝度モニターや、放送局/映像制作用のHDR編集モニター、美術館やギャラリーの展示モニターなどの用途を想定している。
輝度4,500cd/m2の「LY-HDR36-4」(スクリーンゲイン4.8/光沢)と、2,800cd/m2の「LY-HDR36-2」(同2.4/光沢)の2モデルで展開し、コントラスト比は4万:1。明るさが必要なケースではLY-HDR36-4を、視聴位置の自由度を優先するケースでは、LY-HDR36-2を提案する。また、スクリーンの変更も可能で、ゲイン(2.4/4.8/10)や光沢の有無で用途にあわせて表示が行なえ、ゲイン10のスクリーン利用時には、最高1万cd/m2表示が可能という。
D-ILAのダイナミックレンジの広さを活かした細かい階調により、暗部と明部の輝度差が広いHDR映像に対応。明部のきらめきや暗部のディテールを同時に表現することで、リアリティ感ある映像表現が行なえるとする。D-ILAデバイスと偏光性能を高めた新ワイヤグリッド採用光学エンジンの組み合わせにより、コントラストを向上した。
また、新開発のカラーフィルタと、独自の色再現技術「Real Color Imaging Technology」により、DCI P3カバー率98%の広色域表現が可能。Deep Colorの12bit入力のほか、独自信号フォーマットによる16bit階調にも対応している。
スクリーンの明るさの均一性を保つ「ユニフォミティ」機能や、RGB成分を独立して表示して、ノイズや混色具合を判別する「RGB Solo」、映像の構成要素をモニターする「RGB Parade」、入力信号が設定した規格で正しく再現できるか確認できる「Color Gamut Assist」などの表示カラーの解析機能も備えている。
ランプは超高圧水銀で出力は265W。ランプ寿命は高モードで3,500時間。騒音レベルは27dB。入力はHDMI×2。RS-232CやRJ45などの端子も備えている。消費電力は380W(待機時1.5W)。外形寸法は803×730×906mm(幅×奥行き×高さ)、重量は67.8kg。