注目ブルーレイピックアップ

　アトランティス号の帰還をもって、開発から40余年に及んだ歴史に幕を下ろしたスペースシャトル計画。アメリカの学術番組専門ネットワーク、スミソニアン・チャンネルが宇宙飛行士や科学者たちへのインタビュー、記録映像やCGIを元にシャトル計画の意義を検証したドキュメンタリー番組がBD化される。制作はDarlow Smithson Productions。

　本編はNHK BS1の「BS世界のドキュメンタリー」で2011年11月17、18日の両日に放送されたもので、1枚のディスクに前編と後編を収録。BDの発売日に同内容のDVDも併売する。特典として、ブックレット「シャトルが果たした役割と宇宙開発の未来」を封入する。

　前編では、1960年代に始まった“再利用できる翼のついた宇宙船"開発の舞台裏や、1980年代に収益を上げるようになったシャトルをめぐるビジネス活動、機内での宇宙飛行士たちの暮らしぶりを紹介。大気圏再突入に備える仕組みや、無人試験飛行を実施しないまま行なわれた一か八かの有人初飛行など、設計段階でのエピソードのほか、再飛行の準備にかかった想定以上のコストの問題を明らかにする。

　後編では、135回行なわれたミッションの中で起きた、チャレンジャー号とコロンビア号の事故の原因究明作業を関係者の証言でたどる。また、ハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げや国際宇宙ステーション建設といった、大型貨物を輸送できるシャトルが成功させた困難なミッションを紹介。そして、かさむコストと二度の事故から判明した安全性の問題といった引退に至る背景を検証し、シャトルの成功と挫折を見つめる。