レビュー

新作のレンタル配信に対応した「dビデオ」を試す

定額制+都度課金の両対応でサービスの魅力を向上

都度課金対応で「パシフィック・リム」など新作をレンタル配信

 NTTドコモが運営するビデオ配信サービス「dビデオ powered by BeeTV(dビデオ)」は、12月17日より新たな配信サービスとして、作品ごとの都度課金レンタル配信を開始した。

 dビデオはこれまで月額525円で約18,000タイトルが見放題となる定額制サービスを提供していたが、配信作品は比較的過去の有名作が中心だった。今回新たにレンタル配信を開始することで、新作はレンタル配信で都度課金、過去の名作は定額制で見放題と、視聴できる動画の幅が広がった。

 都度課金となったことで視聴できるユーザーも拡大。NTTドコモの回線およびspモードの契約は必要ではあるものの、525円の月額料金を支払わずとも1本ぶんの料金を支払えば視聴できるため、わざわざ月額契約をしなくてもいいという点で利用までのハードルも下がった。課金方式もNTTドコモの利用料金と合算するケータイ決済のほか、NTTドコモのポイントシステム「ドコモポイント」で視聴することができる。

 視聴端末などサービスの詳細は定額制サービスに準じ、iPhoneを含むNTTドコモのスマートフォンに加えて、Googleのタブレット「Nexus 7」「Nexus 10」、Windows、Macで視聴可能。なお、定額制の会員は最大5台まで端末を登録でき、動画の続きを別の端末で視聴するという連携が可能だが、都度課金のみを利用するユーザーは、動画を視聴できるのは購入した端末のみという制限がある。

開始当初のラインアップは65本。今後はドラマなどジャンル拡充

 レンタル配信の開始に伴い、dビデオではレンタル配信の特設ページを開設、トップページのバナーから特設ページへアクセスできる。また、配信カテゴリにも「レンタル」が新設された。新作レンタル開始記念キャンペーンも実施。2014年1月31日までにdビデオへ加入したユーザーに対して新作を1本無料でレンタルできるクーポンをプレゼントするほか、dビデオの既存ユーザーには同様のクーポンを抽選で10万人にプレゼントする。

dビデオのトップページに新作レンタルのバナーを掲載
新たに「レンタル」カテゴリも開設

 2013年12月24日時点での配信作品数は洋画/アジア映画が31本、邦画が31本、アニメが3本の合計65本。「パシフィック・リム」「ワールド・ウォーZ」「マン・オブ・スティール」「ドラゴンボールZ 神と神」といった話題作もあるものの、サービスが始まったばかりということもありまだまだラインアップは寂しい。海外ドラマや国内ドラマなどの配信も順次対応とのことで今後に期待したいところだ。

サービス開始当初のラインアップは65本
「パシフィック・リム」「マン・オブ・スティール」など2013年の劇場公開作品も視聴できる
「パシフィック・リム」は420円で字幕版、吹替版が両方視聴できる
配信ラインアップ
1 真夏の方程式
2 許されざる者
3 ワールド・ウォーZ
4 アダルトボーイズ 遊遊白書
5 私にもできる!イケてる女の10(以上)のこと
6 マン・オブ・スティール
7 ワイルド・スピード EURO MISSION
8 ドラゴンボールZ 神と神
9 パシフィック・リム
10 ワンピース フィルム ゼット
11 劇場版HUNTER×HUNTER〜緋色の幻影〜
12 アフター・アース
13 オブリビオン
14 映画 ホタルノヒカリ
15 G.I.ジョー バック2リベンジ
16 華麗なるギャツビー
17 テルマエ・ロマエ
18 新しい靴を買わなくちゃ
19 殺人の告白
20 鍵泥棒のメソッド
21 踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望
22 桐島、部活やめるってよ
23 ハングオーバー!!! 最後の反省会
24 コードネーム:ジャッカル
25 映画 ひみつのアッコちゃん
26 ステキな金縛り
27 ツナグ
28 映画 鈴木先生
29 ALWAYS三丁目の夕日’64
30 アンダルシア 女神の報復
31 スマーフ2 アイドル救出大作戦!
32 カラスの親指 by rule of CROW ’s thumb
33 ボクたちの交換日記
34 THE 有頂天ホテル
35 ダークスカイズ
36 容疑者Xの献身
37 横道世之介
38 アンナ・ニコル ゴシップに隠された素顔
39 ゴースト・ストーム/悪霊の巣食う島
40 ALWAYS 三丁目の夕日
41 アブノーマル・バケーション 〜ある女優が堕ちる…
42 踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!
43 ALWAYS 続・三丁目の夕日
44 ザ・マジックアワー
45 ハード・ラッシュ
46 綱引いちゃった!
47 ラヂオの時間
48 みんなのいえ
49 ボブ・マーリー/ルーツ・オブ・レジェンド
50 踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを…
51 踊る大捜査線 THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間!
52 恐怖!フライング・モンキーの襲撃
53 ゴールドイーター
54 ドリフト 神がサーフする場所(ところ)
55 容疑者 室井慎次
56 交渉人 真下正義
57 終の信託
58 シュガーマン 奇跡に愛された男
59 ブレンダン・フレイザー 追撃者
60 ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテ…
61 アンガスの奇跡 〜導かれし人たち〜
62 ロマン・ポランスキー 初めての告白
63 レフト・トゥ・ダイ/悪夢のバカンス
64 スマッシュド 〜ケイトのアルコールライフ〜
65 グローリー・ショット 〜栄光への軌跡〜

価格は1本420円均一。操作体系は定額制と同一

 価格は全作品共通の420円で、決済から30日間、一度再生してからは48時間まで視聴可能。Google PlayやAmazonインスタント・ビデオでは同じ作品が400円で配信されており、消費税分だけ割高となっている。ただし、映画「パシフィック・リム」の場合、Google PlayやAmazonでは字幕版と吹替版が別作品として配信されているが、dビデオでは同じ作品として扱われ、420円で字幕版、吹替版の両方を視聴できる。パシフィック・リムのように吹替版の声優も1つの魅力である作品では、字幕と吹替の両方を視聴できるのは嬉しいポイントだ。

 決済は前述の通りNTTドコモの料金と合算するケータイ払いとドコモポイントの2種類から選択できる。

 なお、レンタルの料金については、ケータイ払いは420円だが、ドコモポイントだと462ポイント必要になる(ドコモポイントは100ポイントが105円相当)。420円に相当するドコモポイントは400ポイントのはずだが、dマーケットの運用ルール上で、ドコモポイント支払いが1.1倍となるため、462ポイント(420×1.1)となるとのこと。

料金はケータイ払いまたはドコモポイントで支払い
キャンペーンのクーポンを使えば1作品まで無料で視聴できる
視聴期間は30日間、再生開始から48時間以内

 決済方法が異なるが、実際の視聴方法はdビデオの定額制配信と変わらない。画質は「普通(300kbps)」「きれい(500kbps)」「すごくきれい(1.5Mbps)」の3種類で、視聴方法はストリーミングとダウンロードの2通りから選択できる。映画「パシフィック・リム」の場合、再生時間130分に対してファイル容量は「普通」が289MB、「きれい」が479.5MB、「すごくきれい」が1,444.1MBだった。

 dビデオにはHDコンテンツも存在しているが、購入前にHDかどうかを確認することはできない。

画質は「普通」「きれい」「すごくきれい」の3種類
再生画面
PCで続きを再生

 月額525円のdビデオ会員であれば異なる端末で続きを視聴することも可能。通勤中はスマートフォンで、帰宅時はPCやタブレットで、というように場所によって端末を切り替えられる。なお、字幕版と吹替版は同一料金ではあるものの作品としては別扱いとなり、続きを視聴する場合の再生場所も字幕版と吹替版で異なる。

都度課金対応で視聴スタイルに広がり。今後のラインアップ拡充に期待

 月額525円で約18,000タイトルが見放題というコストパフォーマンスの高さが魅力のdビデオ。日本のコンテンツが多く、価格も安いのは魅力だが、これまでは他の都度課金型サービスと比べると新作ラインアップの点で弱かった。今回新たに都度課金も開始したことで、追加料金が必要ながら新作も楽しめるようになった。現状はまだ作品数が少ないが、今後ラインアップが拡充することでさらに競争力が高まるだろう。

 ただし、現状は都度課金の料金体系が他のサービスと比べて大きな差がなく、dビデオの会員でなければマルチデバイス視聴できない。その意味では、dビデオの会員以外が積極的にdビデオ レンタルを選ぶ理由はあまりなく、dビデオ会員がより気軽に最新作品を視聴可能になったという、dビデオ会員の利便性向上がポイントといえる。

 ただコンテンツの価格が420円と、あと105円追加すればdビデオの月額料金と同額になってしまうので、やや割高感はある。そもそもが低価格なサービスのため難しい面はあると思うが、たとえば新作をレンタルしたユーザーはその月のdビデオ月額料金が割り引かれるなど、料金面での連携も欲しいところだ。

 また、これは定額制サービス全般に言えることだが、せっかくのラインアップもどんな作品があるかが伝わらなければ存在しないのも同じ。公式サイトではこまめに特集を組むなど努力はしているが、こと旧作がメインコンテンツとなる定額制においては、知人や友人のクチコミやレコメンドなど、魅力的なコンテンツを受動的に知ることができる仕組みも期待したい。

 ともあれ、dビデオ会員にとっては、気軽に最新作にアクセスできるようになったことで、サービス全体の魅力が高まったといえる。見放題の約18,000コンテンツには関連タイトルを確認したあとに最新作品を見たりするなど、dビデオ内での楽しみの幅が広がった。休みの取れる年末年始などに、「関連作品と最新作を一気に見る」というのも面白いかもしれない。

 また、NTTドコモはdビデオなどの「dマーケット」各サービスを2014年3月までにドコモの回線契約が必要無い「キャリアフリー」とする計画だ。より多くの人が楽しめるサービスになるはずなので、コンテンツのさらなる拡充とともに、サービスのさらなるブラッシュアップに大いに期待したい。

甲斐祐樹

Impress Watch記者から現在はフリーライターに。Watch時代にネットワーク関連を担当していたこともあり、DTCP-IP周りのネット連携や動画配信サービスなどが興味分野。ライター以外にもネット家電ベンチャー「Cerevo」スタッフとして活動中。個人ブログは「カイ士伝」)