レビュー

風呂/ハイキング/自転車、ついでにステレオ。TDK小型BTスピーカー「TREK Micro A12」を聴く

TDK Life on Record「TREK Micro A12」

 日差しも暖かくなり、外出したくなる季節が到来。屋外で音楽を楽しむ手段はヘッドフォンやイヤフォンが一般的だが、ヘッドフォンは暑いし、自然の中を行楽しているのに、その音をイヤフォンで遮断してしまうのも味気ない。そんな時に活躍するのがポータブルBluetoothスピーカーだ。

 バッテリを内蔵していれば“ポータブル”と言えるが、持ち運ぶのに躊躇するサイズや重さであれば意味が無い。その点、持っている事を忘れられるサイズなのが、イメーションがTDK Life on Recordブランドで4月21日から発売する「TREK Micro A12」(オープンプライス/実売7,480円)だ。

 82.5×29×82.5mm(幅×奥行き×高さ)と手のひらサイズで、持った感覚としては石鹸程度くらいだろうか? 重量も182gと軽い。左上に三角形のスペースが設けられており、付属のカラビナを取り付ければ、リュックやズボンのベルトループなどに簡単に取り付けられる。

ズボンのベルトループに取り付けたところ

 ハイキングなどの最中に、その場の雰囲気にマッチした音楽を流すと面白い。数年前、写真仲間と、神秘的な森が続く熊野古道を旅した際、リュックに忍ばせた小型スピーカーから「もののけ姫」のサントラを薄く流してみたところ、ただでさえ神秘的な雰囲気がグッとアップ。森の中から戻れなくなるのではと心配するほどマッチした。周りの迷惑になるほどの大音量で流すのはNGだが、木々の羽音や鳥の声など、その場の音を壊さず、そうした自然の音に微かに混じるような音量で流すのがトリップするコツだ。「TREK Micro A12」は、そんな使い方もしやすいスピーカーになっている。

手のひらサイズだがあなどれない音

 ユニットは40mm径のフルレンジ1基、背面に56mm径のパッシブラジエータを搭載。最大出力は3W×1chのモノラルスピーカーだ。BluetoothのプロファイルはA2DPに対応。NFCもサポートし、対応するスマートフォンやタブレットを天面にペタッとやれば、ペアリング完了。有線接続用にステレオミニの入力も備えている。小型だがトレンド機能が凝縮されている。

ブラックモデル
NFCで対応スマートフォンと簡単にペアリングできる
カラーはブラック(BK)、レッド(RD)、ホワイト(WH)の3色

 音を出してみると、サイズからは想像できないほどしっかりとした音で驚かされる。外観からは“低域が出ず、高域だけのスカスカした音なのでは”と予想するが、背面のパッシブラジエータが頑張っており、ズンズンと肉厚な中低域も出せる。地鳴りのような低音は流石に出ないが、全体のバランスがとれた音は出せており、音量を上げても決して音が安っぽくならない。この音質であれば、外出時だけではなく、普段も室内用スピーカーとして活用したいと思わせてくれる。カラビナもあるので、室内のちょっとした出っ張りに引っ掛けて、簡単壁掛けスピーカーのように使っても良いだろう。

側面。ペアリングボタン兼Bluetoothボタン
背面。56mm径のパッシブラジエータを搭載する
付属のカラビナで様々なところに取り付けられる
ゴムのキャップを外すと、入出力端子や起動モードの選択スイッチなどが現れる
お風呂場でテスト。スマートフォンで動画を再生、外部スピーカーとして音もリッチに楽しめる。ただし水没には注意

 IP64の防塵防水基準もクリアしており、粉塵や水しぶきのある場所でも使える。水辺やキャンプだけでなく、キッチンで料理をしながらラジオを楽しむのも良いだろう。試しに風呂場で防水スマホと連携させたが、湯気程度では動作にまったく支障はない。スマホ(Xperia Z1)でradikoアプリを使い、ラジオを聴きながら入浴する事があるのだが、スマホ内蔵スピーカーでは出力が弱く、お湯をジャージャー流すとラジオの声が聴こえない。TREK Micro A12を近くに置けば、ハッキリ聴きとれて便利だ。ただ、誤って水没させるとマズイと思われるので、そのあたりは自己責任でお願いしたい。

 屋外でさらに面白い使い方はないかと、自転車に取り付けてみた。運動のためにロードバイクに乗っているが、トップチューブ(フレームの股下にくる部分)に小さなバッグを取り付けている。スマホとモバイルバッテリを入れ、消費したカロリーとGPSのログを記録しているのだが、深さのあるバッグなので、TREK Micro A12も収納できた。

自転車のトップチューブバッグに上向きに入れてみた
公園での休憩中にラジオを楽しむ

 ボリュームを上げると、バッグの蓋越しだが、しっかりと音楽が耳に入る。ロードバイクは前傾姿勢でペダルを回すので、おのずとトップチューブバッグに顔が近づくので、聴き取りやすいようだ。ロードレースを題材としたアニメ「弱虫ペダル」のオープニング曲を長そうものなら、疲れてもまだ頑張らなければいけない気がしてくる。もちろん周囲の音が聴こえないほどの音量にするのは危険なのでNGだ。

 人気のないサイクリングロードで自分だけに聴こえる程度の音量で楽しんでいたのだが、サイクリングロードを抜けて街中に出ると、人目が気になってボリュームを下げてしまった。幹線道路では隣をゴーゴーとトラックが通るので、ボリュームを上げてもほとんど聴き取れない。まわりに人目が無い、郊外のサイクリング用と割り切ったほうがいいだろう。

 自転車本体に取り付けなくても、例えばリュックの肩紐の部分に装着したり、首からネックストラップでぶら下げるなどしても良いかもしれない。スマートフォン用ホルダなどを使い、自転車やバイクのハンドルに固定できなくはないと思うが、段差などを乗り越えた振動で吹っ飛んでしまうと危険だ。紐などを使い、“もしものときの命綱”をくくっておくと良いだろう。アクションカメラのオプションのように、様々な取り付けパーツも発売して欲しいと感じる。

2台合わせればステレオ再生、Bluetoothレシーバにも

 ユニークなTrueWireless Stereo(TWS)という機能も搭載している。2台のTREK Micro A1を用意すると、それぞれを左チャンネル、右チャンネルとして動作させ、ステレオ再生ができるというものだ。

 スピーカーAの動作モードスイッチを「TWS」に合わせて電源ONすると「ポンポン」と音がして、ペアリング待ち受けとなる。スピーカーBもTWSモードで起動させると、自動でAを見つけてペアリング完了。前面のインジケーターが白くなった方が左、赤い方が右チャンネルとなる。

 次に、AとスマホをBluetooth接続すれば、再生音をA+Bからステレオ再生できる。この際、スマホからはAへとステレオ音声が伝送され、AからBへと音声が無線伝送されているそうだ。

TWSモードでステレオ再生が可能。前面左下にあるインジケーターの色で、左右チャンネルが判別できる
点音源であるため、定位感に優れたステレオサウンドが楽しめる

 単体でもバランスの良い再生音を聴かせてくれるが、2台のステレオ再生では、音場が別次元に拡大する。立体的な音場が目の前に展開し、奥行きも深く、リアリティが増す。スピーカーがこの小ささなので、まさに“点音源”であり、音像の定位は明瞭だ。ヴォーカルの口の開閉もシャープ。1台持ち歩き、もう1台を家に置いておき、帰宅したらリッチにステレオ再生というのも面白いだろう。ただし、組み合わせられるのは2台まで。小さくて可愛いスピーカーなので、4、5個部屋に円形に並べて一気に再生してみたい衝動にかられる。

 もう1つユニークなのが、ステレオミニの出力も備えている事。つまりBluetoothで受信した音をステレオミニで出力し、コンポなどの外部入力と接続すれば、Bluetooth非対応のコンポでもスマホから音楽が楽しめるというわけだ。市場では「Bluetoothレシーバ」として、こうした機能を持つ製品が単品販売されているが、「TREK Micro A12」の場合は、スピーカーを買ったら、Bluetoothレシーバ機能がオマケで付属するとも言え、お買い得感は高い。スマートフォンをバッグに入れ、スピーカーを胸ポケットに収納、そこにイヤフォンを接続して音を聴くといった事も可能だ。

 外出時には身の回りに気軽に取り付けられ、家では水回りを含む、様々な場所に設置が可能。もう1台買えばリッチなステレオ再生も楽しめ、裏方のようにレシーバとして働かせる事もできる。単体での再生音がシッカリしている点も良い。“こんな事に使えそう”と想像しながら購入するのも良いが、購入後に“こんな場所でも、あんな場面でも”と、活用の場が広がるフットワークの軽さが最大の魅力だ。

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(山崎健太郎)