【スマホLIFE】Androidにも対応したワンセグ。新「SEG CLIP」

-iOS/Androidの違いや録画機能をチェック


SEG CLIP mobile(GV-SC500/AI)

 2011年6月に発売されたiPhone/iPad/iPod touch対応のワンセグチューナ「SEG CLIP mobile」が、10月末にマイナーチェンジ。新モデルの「GV-SC500/AI」ではAndroid端末にも対応した。Android用アプリのリリースとともに、iOSアプリもバージョンアップされ、番組録画やチャンネルのザッピングが可能になるなど、機能/操作性の大幅な向上が図られている。価格は11,130円。

 製品の詳細については6月23日掲載のレビュー(GV-SC500/IP)が詳しいが、簡単におさらいしておくと、スマートフォンなどの端末から無線LAN(Wi-Fi)接続することでワンセグ放送を視聴できる、ワイヤレス接続型のワンセグチューナである。端末側のWi-Fi設定で「SEG CLIP mobile」をアクセスポイントとして選択し、専用アプリを起動するだけで視聴可能となる仕組みだ。さっそくiPhone 4とAndroid端末であるXperia acroの両方で試し、端末の違いによる差や新機能についてチェックしてみた。


GV-SC500/AIでは新たにAndroidに対応した「SEG CLIP mobile」のパッケージ「SEG CLIP mobile」本体と同梱物

 新しい「SEG CLIP mobile(GV-SC500/AI)」は、従来機種の型番(GV-SC500/IP)の最後の2文字が変更になっただけで、本体そのもののスペックには変わりがない。サイズや形状、重さは同一であり、本体にプリントされたロゴなどの一部が異なるのみで、並べて見比べないと気づかないほど。

Xperia acroとiPhone 4を並べたところ本体はXperia acroより薄く、iPhone 4よりやや厚い

 iOSアプリと、Androidアプリとでは、利用できる機能に大きな差はない。チャンネル一覧や録画番組一覧など、各画面のUIデザインが異なるところが一番目につきやすい大きな違いと言えるだろう。

 物理キーを押して表示したメニューから各種操作をすることの多いAndroid端末と、ホームボタンを中心としたiOS端末のそれぞれの特性上、UIデザインを変更しているという違いはあるが、番組視聴時の画面には異なる点は一切なく、映像の拡大表示や字幕のON/OFF、録画機能など、iOSとAndroidどちらの端末でもほとんど違わず利用できる。

チャンネル一覧画面 Xperia acro(左)、iPhone 4(右)録画番組一覧画面 Xperia acro(左)、iPhone 4(右)番組視聴画面 Xperia acro(上)、iPhone 4(下)

 番組視聴機能における唯一の違いは、iOS版ではスリープした場合でもバックグラウンドで音声が再生し続けるのに対し、Android版ではスリープした瞬間に音声が聞こえなくなる点である。Androidの場合、映像は見ずに音声だけ聴きたいといった用途には使えないことになる。

 最新版アプリで追加された機能のうち、チャンネルのザッピング機能は、操作性の改善に大きく寄与している。従来は番組の視聴中に他のチャンネルへ切り替えたいとき、いったんチャンネル一覧画面に戻ってから見たいチャンネルを選択し直すという操作が必要だった。最新版アプリでは、番組視聴画面での左右へのフリック操作でチャンネルを切り替えられるようになり、気軽にザッピングできるようになった。

 ザッピングの操作感を比較してみると、iPhone 4の方がフリック後に実際にチャンネルが切り替わるまでのレスポンスが早く感じられた。Xperia acroでは、フリック後にチャンネル切替の処理が開始するまでの間と、そこから実際にチャンネルが切り替わって映像が表示されるまでの間、それぞれに若干のタイムラグがある印象だ。

 もう一つの目玉機能である番組録画では、iOS版とAndroid版とで、大きな違いはない。番組視聴中に録画ボタンをタップすると録画を開始し、録画停止ボタンを押せば録画が終了するというシンプルなもの。録画した番組は“録画リスト”に追加され、いつでも再生可能だ。

EPG番組表。Xperia acro(左)、iPhone 4(右)

 録画予約はできず、(アプリを起動しない)バックグラウンドでの録画や裏番組録画にも対応しない。iOS版では、録画中でもチャンネル一覧画面と番組表(EPG)に切り替えることができる。ただ、チャンネル切替などの操作は一切行なえないので、iOS/Androidの大きな違いになるという部分ではなさそうだ。録画機能の使いどころとしては、“あとでもう一度見たい番組”あるいは“視聴中に急な用事で端末から離れることがある場合”だろう。

 また、予約録画はできないものの、ワンセグの放送波に乗っている直近のEPGを取得でき、そこから番組の視聴予約をすることは可能だ。視聴予約した場合は、アプリを閉じていても番組開始5分前に通知してくれるようになっているので、たとえばスマートフォンで他の作業をしている間に、見るつもりだった番組をうっかり見逃してしまうのを防止できる。


他の端末で利用中のときのXperia acroでのエラー

 「SEG CLIP mobile」へのWi-Fi接続は同時に1台まで。つまり、2台以上の端末で同時に放送中の番組を視聴することはできない。1台の端末で専用アプリを使って接続している間は、番組を視聴中かどうかにかかわらず、他の端末で視聴しようと思ってもアプリ起動時にエラーメッセージが表示される。ただし、iOS版では、そのままアプリを起動して録画済みの番組を見ることは可能だ。Android版ではエラーから先に進むことができなかった。

 ワンセグの解像度自体が320×180ピクセルと、最近のスマートフォンの画面解像度に比べてかなり小さいこともあって、端末の違いによる映像品質の差を評価することは難しい。当然ではあるが、端末のディスプレイ性能の違いで色合いなどは違ってみえる、ということだけは言える。

 ハードウェアとしての魅力は非常に大きいが、個人的な感覚では、iOS版とAndroid版とでインターフェイスの一部に一貫性がないところ、直近の番組表の表示方法がわかりにくいところなど、アプリ側の完成度の面で少し損をしているように思える部分があった。だが、どちらのプラットフォームでも使えるという点で魅力は高い。今後も継続的なバージョンアップを重ねて、より一層機能が強化されることを楽しみにしたい。

【SEG CLIP mobie(GV-SC500/AI)】
発売元アイ・オー・データ機器
OSiOS 4.0以降、
Android 2.2以降
対応機器ホームページで案内
発売日2011年10月末
価格11,130円

(2011年 11月 24日)

[ Reported by 日沼諭史 ]