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スカパー! HDをストレス無く録画。新AQUOSブルーレイ

−無線LAN APやかんたん毎週録画など使い勝手も向上


BD-W2000

 シャープは、業界初となる“スカパー! HD”チューナ内蔵Blu-rayレコーダ「AQUOSブルーレイ」3モデルを9月23日より発売する。

 2TB HDD搭載の「BD-W2000」、1TBの「BD-W1000」、500GBの「BD-W500」の3モデルで展開し、店頭予想価格は2TBが14万円前後、1TBが11万円前後、500GBが9万円前後。最上位モデルよりは中級機という位置づけだ。

 これまで、スカパー! HDチューナはスカパーによるレンタルもしくは、ソニーやパナソニックによるチューナ/STB販売などが行なわれていた。なかでも2010年秋より販売中のパナソニック「TZ-WR320P」はHDDレコーダを内蔵したSTBで、ダブルチューナ対応など高機能ではあった。ただし、BDにダビングする際には、Ethernetを介して対応のBDレコーダに「スカパー! HD録画/ダビング」する必要があるなど、面倒な部分も残していた。

 新AQUOSブルーレイでは、BDレコーダにスカパー! HDチューナを内蔵したことで、1台の録画機だけで、地デジやBS、スカパー! HDのあらゆる放送番組を録画視聴できるようになるなど、設置性や操作性の面でもメリットが多い。

 なお、ソニーもスカパー! HDチューナを内蔵した「BDZ-SKP75」を24日に発表。10月22日より発売するなど、この秋以降、BDレコーダにおけるスカパー! HDチューナ対応が一つのトレンドになりそうだ。先陣を切ってスカパー! HD対応した新「AQUOSブルーレイ」について、シャープとスカパーに話を聞いた。

スカパー! HDチューナとLAN HDDの組み合わせで「スカパー! HD録画」 HDD搭載のスカパー! HD用STB「TZ-WR320P」 ソニーが10月発売予定の「BDZ-SKP75」

 


 

■ スカパー! HD内蔵で機器やリモコン入力の切り替えの手間を解消

 3モデルは、HDD容量以外の主な仕様は共通。地上/BS/110度CSデジタルチューナ×2と、スカパー! HDチューナ×1を搭載する。専用STBではスカパー! HDのダブルチューナモデルも販売されているが、今回のAQUOSブルーレイについては、スカパー! HDは1系統となる。

BD-W2000 デジタル3波+スカパー! HDで4波対応 スカパー! HDチューナ内蔵の設置面でのメリット
BD-W2000でスカパー! HDの番組表から録画予約

 最大のトピックといえるスカパー! HD関連機能についてだが、一点注意したいのは、視聴/録画できるのはMPEG-4 AVC/H.264で放送している「ハイビジョンチャンネルのみ」という点だ。標準画質(SD)チャンネルには対応しない。

 スカパー! HDでは、8月現在で89のHDチャンネルを展開しており、これらはBD-W2000/W1000/W500で利用可能。さらに、スカパー!では、2012年10月をめどに、HDチャンネルを123まで拡充するほか、51のSDチャンネルをMPEG-4 AVC/H.264方式で展開する予定。この際にはこれらのHD/SDチャンネルをAQUOSブルーレイで視聴/録画可能になる。

 スカパー! HDの録画予約などはEPG(電子番組表)から行なう。といっても、番組表もしくはリモコンの「スカパー! HD」ボタンで放送波を選択し、EPGを表示し、番組を選ぶだけだ。番組表さえ表示してしまえば、地上/BSデジタル放送となんら変わらない操作感で録画予約ができ、録画番組も「録画リスト」から呼び出すだけだ。

 従来のスカパー! HD録画は、チューナとレコーダが分かれている場合は、視聴時にチューナから別のHDDの番組を探しに行くといった手間や、予約待機中の番組はSTBからのみしかわからず、レコーダから確認できないなどの不便があった。また、HDD内蔵STBでも、入力をSTBに切り替えて番組を探すなど、やや面倒な操作が発生していた。スカパー! HDチューナをレコーダに一体化したことで「普通のレコーダ操作」として、スカパー! HD番組が視聴できる。スカパー! HDの利用頻度が高く、地デジやBSもよく見るという人にとっては、理想的な録画環境が整ってきたといえる。

 また、番組予約も若干改善が行なわれ、「かんたん毎回予約」機能を搭載した。これは、[毎週]、[毎日]などの連続ドラマなどを録画予約する場合、「今回のみ予約」か「毎回予約」かを選択可能にするもの。これはスカパー! HDだけでなく、地上/BSデジタルなどでも利用可能で、深い階層まで辿らずに[毎週]録画設定できるのが利点といえる。

 キーワードを指定した自動録画にも対応。なお、スカパー! HDでは、同じ番組が何度も繰り返し放送されることが多い。ソニー「BDZ-SKP75」では、専用アルゴリズム「かしこく録画」による二度録り回避機能を有しているが、今回のAQUOSブルーレイでは類似機能は備えていない。

連ドラを「かんたん毎回予約」 キーワード自動録画にも対応

 編集機能やダビング機能も地上/BSデジタル放送とほぼ同様に利用可能。ただし、スカパー! HD番組の録画の場合、録画モードの変更はできずDRモードのみとなる。AQUOSブルーレイでは、MPEG-2からMPEG-4 AVC/H.264へのトランスコーダを搭載し、地デジ/BSの長時間録画を実現しているが、スカパー! HDの場合、放送波がMPEG-4 AVCで送られてくるために、ハードウェアの制約からレート変換はできない。ただし、MPEG-2のSDへの変換には対応する。

専用のスカパー! HD ICカードが必要

 もう一点注意したいのは、スカパー! HD視聴用のICカードが同梱されず、スカパーへの申し込みが必要な点だ。AQUOSブルーレイでは必要な人だけがスカパー! HDに申し込むことになるので、同梱されないのは当然ともいえるが、従来のSTBで利用していたスカパー! HD用ICカードをAQUOSブルーレイに入れても動作しないのだ。既存ICカードは出荷時にSTBとペアリングされているため、AQUOSブルーレイ用のカードはカスタマーセンターに申し込んで取り寄せる必要がある。すでにスカパー! HDチューナを持っていて、レコーダに乗り換えたいという人は気を付けたい。

 なお、HDD内蔵のスカパー! HD用STBからのLAN経由でのダビングについても後日アップデートで対応予定としている。


 


 

■ HDD内ダビング対応。無線LAN AP内蔵でネットワーク強化。USB HDD対応も

HDD内ダビングに対応

 スカパー! HD以外の録画機能も強化。前述の「かんたん毎回予約」により、EPGからの録画予約時にすぐに毎週録画設定などが行なえるようにするなど、使いやすさ向上を図っている。

 編集機能としては、HDD内ダビングに対応。ダビング10の番組であれば、元のDRモード録画番組から1回のダビングを使って、HDDに番組をダビングし、元の録画番組に影響を与えずにダビング先の番組を自由に編集することができる。ダビング10番組でHDD内ダビングを行なうと、ダビング回数9回と1回の2つの番組が生成されることとなる。トランスコーダを使って、MPEG-2番組をMPEG-4 AVC/H.264トランスコードする「高速録画画質変換ダビング」にも対応予定。


HDD内ダビングに対応 ダビングを実行 内蔵HDDのダビング10番組からHDDにダビング。ダビング元のダビング残数は9回になる

 AQUOS L5シリーズでUSB HDDに録画した番組をLAN経由でダビングする機能も搭載。さらに、ダビング対応のCATV用STBからのLAN経由のダビングにも後日のアップデートで対応する。なお、今回発表のBD-W2000/1000/500だけでなく、従来モデルのBD-HDW80/HDW75/HDW73でもCATV STBダビングに対応予定としている。Blu-ray 3Dの再生やBDXL、BD→HDDへのムーブバックにも対応する。

 外付けのUSB HDDへの録画にも、後日のアップデートにて対応予定。詳細や時期については未定だが、内蔵HDDとの比較ではいくつかの機能制限が発生する見込み。HDD間ダビングなどの基本的な機能は実現する予定としている。

 USB端子はフロントパネルの1系統のみ。なお、USB端子からのAVCHD動画取り込みにも対応するが、3Dや60p動画などのAVCHD Ver2.0には対応しておらず、AVCHD 3D/Progressiveのディスクの再生もできない。

Wi-Fiコネクトに対応

 ネットワーク関連機能の強化も大きな改善点。EthernetやIEEE 802.11b/g/nの無線LANに対応するほか、業界初という無線LANアクセスポイント「Wi-Fiコネクト」を搭載。ルータを介さずに、ホームネットワーク機能対応のAQUOSやスマートフォン「AQUOS PHONE」に直接映像を配信(DLNA/DTCP-IP)できる。

 無線LANの設定はWPSに対応する。なお、複数台のクライアントへの映像配信が可能だが、同時に接続/配信できるのは1台までとなる。同時動作制限も緩和しており、3番組の同時録画中でもホームネットワーク配信が可能。ただし、BDビデオ再生時の配信はできない。

放送番組転送

 ネットワークを利用した新機能としては、「放送番組転送」に対応。これは、放送中の番組を一時的に録画しながら、家庭内LANの別のクライアント機器に転送するものだ。パナソニックのDIGAでも同様の機能を備えているが、DIGAでは録画時に約6Mbpsまで圧縮するのに対し、AQUOSブルーレイはMPEG-2 TSの放送波をそのまま転送する。

 放送番組転送に1系統のチューナを占有するが、その他のチューナで通常の録画が可能。録画番組を転送するため、転送先では約5秒程度の遅延が発生するが、実際の使用でそれほど問題になることはなさそうだ。

 また、放送番組転送の対応クライアントとしては、「VR-NP1」が9月23日に発売される。店頭予想価格は16,000円前後。ホームネットワークプレーヤー機能と無線LANを内蔵した製品で、HDMI出力を装備し、液晶テレビと接続して使用できる。そのため、ホームネットワーク機能非対応のAQUOSや他社製テレビでも、AQUOSブルーレイ内の番組のネットワーク経由の視聴や、放送番組転送が利用可能になる。

放送中の番組をクライアントから再生 VR-NP1 縦置きも可能
ファミリンクで操作

 デジタル放送録画番組のほか、AQUOSブルーレイ内の音楽や写真も再生可能。また、AQUOSファミリンクIIに対応したテレビと接続した場合は、テレビの画面上に表示されるファミリンクパネル(操作パネル)での操作もできる。


 


 

■ スカパー! HDはBDレコーダの新トレンド?

 初のスカパー! HD対応に加え、録画予約機能の改善や、ネットワーク機能の取り込みなど多くの機能強化を図った新AQUOSブルーレイ。スカパー! HDの台数が増え、さらに10月のHDチャンネル拡充などが行なわれたことが、対応の最大の要因とのことだが、ダブルチューナなどスカパー! HD対応強化についても、製品の手ごたえを見ながら検討していくという。また、スカパーも年末に向けてメーカーと共同キャンペーンなどで、スカパー! HDを積極的に訴求していく方針。

 デジタル放送移行によりテレビの市場は一段落したが、レコーダ市場はまだ拡大が見込まれている。シャープも年末に向け、アナログレコーダの買い替え需要やデジタルの買い替えを積極的に訴求していくという。

 各社のBDレコーダが3D対応を果たし、ある程度機能競争が落ち着くかと予想していたが、USB HDD対応やチューナの複数化、ネットワーク機能の強化など新しい競争軸も生まれてきた。そんな中、先陣を切ってシャープが対応してきたスカパー! HDは、レコーダ市場でどう受入れられるのか。現行のスカパー! HDユーザーから見れば、レコーダへのスカパー! HDチューナ内蔵だけでも大きな進歩だが、対応ハード拡充による、スカパー! HDの加入者増も見込めそうだ。各社の競争により有料チャンネルがより身近になっていくことを期待したい。


(2011年 8月 24日)

[ AV Watch編集部 臼田勤哉]