2017年4月期55作品。「グラブル」や「恋愛暴君」など11作を解説

【 GRANBLUE FANTASY The Animation 】

(C)アニメ「グランブルーファンタジー」製作委員会

公式サイト：

http://anime.granbluefantasy.jp/

【あらすじ】
　ここは、空に多くの島が漂う、空の世界。神秘を奉る島ザンクティンゼルに暮らす少年・グランと一緒に暮らす相棒のビィは、少女・ルリアと出会う。ルリアは、この空の世界を強大な軍事力によって支配しようとする軍事国家・エルステ帝国から逃れてきたのだった。
　グランとルリアは、帝国から逃れるため、そしてグランの父が残した「星の島イスタルシアで待つ」という手紙を手に、壮大な空へと旅立つ……。
【編集Yの解説】
　Cygamesが企画・開発・運営、登録者数は1,200万人を越えるという人気ソーシャルゲーム「GRANBLUE FANTASY」のアニメ版だ。ゲーム版は、キャラクターデザインを皆葉英夫、音楽を植松伸夫と成田勤が担当、豪華な声優陣が参加する大作であり、そのアニメ化ともなれば期待が高まる。監督は「魔法少女リリカルなのはViVid」などの伊藤祐毅、制作はA-1Pictures。その手腕に注目だ。
　なお、放送開始前に既にBD/DVD化がアナウンスされており、第1巻は4月26日から発売予定。完全生産限定版には、ゲームで使えるSSレアキャラのシリアルコードが特典として付属。全巻購入特典としてもシリアルコードが用意されるなど、ゲーム版のプレーヤーにも見逃せない点がある。また、BD/DVDを購入すると、スマホやタブレットからも本編や特典を楽しめる「Viewcast(ビューキャスト)」対応タイトルでもある。ゲームをプレイした後で、スマホでアニメを見るといった楽しみ方もアリだろう。

【 アリスと蔵六 】

(C)今井哲也/徳間書店・「アリスと蔵六」製作委員会

公式サイト：

http://alicetozouroku.com/

【あらすじ】
　彼女はそれまで“外の世界”を知らなかった。初めて触れるモノ、初めて見る風景、そして初めて出会う人々……。そんな“世界”の広がりに、戸惑い、驚き、目を見開く。
　名前は紗名(さな)。“研究所”と呼ばれる施設で、“外の世界”を知らずに生まれ育った少女。しかも、あらゆる想像を具現化する「アリスの夢」と呼ばれる特殊な能力の
持ち主でもあった。
　そして初めての“外”で、彼女はひとりの老人と出会う。名前は樫村蔵六。「曲がったことが大嫌い」で「悪いことは悪い」という頑固じいさん。そんな蔵六との出会いが、紗名の運命を大きく変えていく。
　紗名を追う謎の組織、次々と現れる能力者たち、そして心優しい人々との
出会い……。世間知らずだった“アリス”は、鏡の門(ルッキング・グラス)を抜けて、世界の本当の姿を知ることになる。そう、これは、私がまだ、自由に夢の国へ行けた頃の話。
【編集Yの解説】
　第17回文化庁メディア芸術祭 マンガ部門新人賞を受賞した今井哲也のコミックが原作。漫画やアニメで“謎の組織に追われる少女を助ける主人公”とくれば“美形な青年”と来るのがある種のお約束だが、この作品最大の特徴はそれが“頑固で無愛想なじいさん”というところ。
　紗名が持つ特殊な能力は、“自分が想像した通りに周囲の物理法則を書き替える”という、“万能の力”と呼べるもの。謎の組織に追われるのも当然と言えそうな凄まじい能力だが、それゆえ紗名はワガママな少女に育ってもいる。
　そんな彼女が出会うのは、超能力バトルとは無縁の世界で暮らす白髪に無口な頑固じいさん・蔵六。子供と保護者、老人と孫、でもそれだけでは言い表せない2人の関係。まるで正反対の世界を生きるからこそ浮かび上がる共通点。SFバトルと、ほっこりする物語が同居する注目作だ。

【 武装少女マキャヴェリズム 】

(C) 2017 黒神遊夜・神崎かるな/KADOKAWA/「武装少女マキャヴェリズム」製作委員会

公式サイト：

http://machiavellism-anime.jp/

【あらすじ】
　自由を愛する高校生・納村不道が転校してきた愛地共生学園では、護身の名目で武装した女子達による無慈悲な男子支配が行われていた。男子は女子との“共生”の名のもとに、男を捨てて生活することを“強制”される。
　納村は転校早々、学園を統率する「天下五剣」の一人で「鹿島神傳直心影流」の使い手・鬼瓦輪に目を付けられ、新たな“矯正”対象として勝負を挑まれることになるのだが……。
　武装少女達に「無手」で抗い、自由を求める納村不道の運命は!?
【編集Yの解説】
　男子生徒は化粧をさせられるなど、女生徒の力が圧倒的に上な学園が舞台。天下五剣は、いずれも刀やフェンシングの使い手であり、圧倒的な戦闘力を誇るが、そんな彼女達に臆せず、刀も持たず立ち向かう主人公・納村不道の物語だ。
　「月刊少年エース」(KADOKAWA)連載のコミックが原作だが、原作の黒神遊夜、作画・神崎かるなは、これ以前に「しなこいっ」(竹刀短し恋せよ乙女)という作品も手がけるなど、剣術バトルにこだわりがあり、この作品でもそれが貫かれているのが特徴。超能力が飛び交いそうな設定だが、あくまで剣術と、それに立ち向かう徒手空拳のリアルなバトルが展開する。もちろん、学園ラブコメ的な展開にも注目だ。

【 恋愛暴君 】

(C)三星めがね・COMICメテオ/恋愛暴君製作委員会

公式サイト：

http://renaiboukun.com/

【あらすじ】
　ある日突然、男子高校生・藍野青司のもとに任意の二人を強制的にキスさせるという不思議アイテム「キスノート」を持った死神風の少女・グリが現れ、“24時間以内にキスしないと書いた者(グリ)は死に、書かれた者(青司)も一生童貞のまま生涯を終える”と告げる……。
　愛のキューピット(?)グリと青司、その仲間たちが“キスをする相手”を求めて繰り広げるハイテンションラブコメディにあなたもきっと恋がしたくなるはず(!?)。
【編集Yの解説】
　三星めがねによるコミックが原作。“デスノート”ならぬ“キスノート”をもたらしたグリと、彼女に振り回される高校生・青司のドタバタラブコメ。24時間のタイムリミットまでにヒロインとキスできるかというドキドキの展開や、青司を盲目的に愛し、浮気とあればグルカナイフで襲いかかるヒロインの1人・緋山茜など、個性的なキャラクター達が織りなす人間関係が魅力。また、“キスノート”を持ち、キューピット的な存在(?)であるにも関わらず、男女の恋愛を全く知らないグリが、ドタバタの中でどう変わっていくのか? も見どころとなる。

【 正解するカド 】

(C)赤城大空・小学館/SOX

公式サイト：

http://seikaisuru-kado.com/

【あらすじ】
　世界の終わりと始まり。人類は「正解」できるのか。
　全ては、想像を絶するファーストコンタクトから始まった。突如出現した謎の存在「カド」。異常事態に翻弄される日本政府。そして世界の行方は、ひとりの交渉官(ネゴシエーター)に委ねられる。
【編集Yの解説】
　東映アニメが手がける、オリジナルの3DCGアニメが「正解するカド」。なんとも不思議なタイトルだが、“カド”とは、日本に出現した謎の超巨大立方体を意味する。そのカドは、252人の乗った旅客機を容易く飲み込むほど巨大であり、そこから現れた謎の存在・ヤハクィザシュニナが、人類との接触を試みようとする。
　カドに取り込まれた外務省の凄腕交渉官・真道が、ヤハクィザシュニナと人類の間の仲介役を引き受けることになり、日本政府も国際交渉官の徭沙羅花(つかい・さらか)を代表として現場へ送り込む。ヤハクィザシュニナとは何者か? 彼の狙いは何か? そしてカドとは何なのか? 謎が謎を呼ぶ物語が魅力だ。
　総監督はスタジオジブリ出身で「翠星のガルガンティア」監督の村田和也。シリーズディレクターには「コードギアス 亡国のアキト」演出の渡辺正樹。「カド」の作品世界を構築し、脚本を担当するのは小説家の野﨑まど。「楽園追放 -Expelled from Paradise-」で、圧巻の3DCG映像を披露した東映アニメによる映像面にも注目だ。

【 Re:CREATORS 】

(C)2017 広江礼威/小学館・アニプレックス

公式サイト：

http://recreators.tv/

【あらすじ】
　人は、その手で多くの物語を創造してきた。喜び、悲しみ、怒り、感動。物語は人々の感情を揺れ動かし、魅了する。
　しかし、それは傍観者としての感想にすぎない。もしも、物語の登場人物たちに“意思”があるとしたら、彼らにとって、物語を産みだした我々は神の存在なのだろうか?
　我らの世界に変革を。神々の地に制裁を。
　「Re:CREATORS」誰もが皆、“創造主(クリエイター)”になる。
【編集Yの解説】
　「ブラックラグーン」の広江礼威、「Fate/Zero」や「アルドノア・ゼロ」のあおきえい、「アルドノア・ゼロ」のTROYCAが手がけるオリジナルアニメが「Re:CREATORS」だ。
　詳細なストーリーは不明だが、PVなどを見る限り、アニメやゲームが好きな男子高校生・颯太の前に、ファンタジー系のロボットアニメ「精霊機想曲フォーゲルシュバリエ」のヒロイン・セレジアが現れる。他のファンタジーアニメや、魔法少女アニメ、ロールプレイングゲームの中のキャラクターらも現れる。想像の世界と現実の世界の境界を崩すような作品になるようだ。

【 エロマンガ先生 】

(C)2016 伏見つかさ/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/EMP

公式サイト：

http://eromanga-sensei.com/

【あらすじ】
　高校生兼ラノベ作家の和泉マサムネには、引きこもりの妹がいる。名前は和泉紗霧。一年前に妹になった彼女は、全く部屋から出てこない。
　そんなある日、衝撃の事実がマサムネを襲う。彼の小説のイラストを描いてくれているイラストレーター“エロマンガ先生”、その正体が、なんと妹の紗霧だったのだ!
　一つ屋根の下でずっと引きこもっている可愛い妹が、いかがわしいペンネームで、えっちなイラストを描いていたなんて!?
【編集Yの解説】
　アニメ化もされたライトノベル「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」。その原作者である伏見つかさの、新作が再びアニメ化。イラストレーターも「俺妹」と同じかんざきひろだ。
　凄いタイトルの作品だが、題材となっているのは「エロマンガ」ではなく「ライトノベル」。作家とイラストレーターという関係でもある兄と妹の物語であり、恋愛要素も絡んでくるのだが、もう1つの側面として「ライトノベルはどのように作られていくか?」も描いており、同業の作家や、出版社の担当編集なども登場。アニメが生まれる舞台裏を描いた「SHIROBAKO」のような楽しみ方もできそうだ。

【 ID-0 】

(c)ID-0 Project

公式サイト：

http://id-zero.com/

【あらすじ】
　“Iマシン”。それは極限環境での作業を行う大型ロボットの総称である。連盟アカデミー学生のミクリ・マヤは、Iマシンを使用中に事故に巻き込まれるが、Iマシンに乗り海賊同然のオリハルト掘削を行うエスカベイト社の宇宙船に助けられ、その一員として働かされるはめになる……。
【編集Yの解説】
　「コードギアス　反逆のルルーシュ」や「プラネテス」の谷口悟朗監督と、「機動戦士ガンダム00」などの脚本・黒田洋介がタッグを組んだ、ロボットアクションアニメ。アニメーションキャラクター原案は「LAST EXILE」の村田蓮爾。メカニックキャラクターデザインは「機動戦士ガンダム00」の海老川兼武が手がけている。制作は「蒼き鋼のアルペジオ」や「ブブキ・ブランキ」などで、セルアニメのように見える3DCG表現が得意なサンジゲン。この作品も3DCGアニメだ。
　オリハルトとは、人類の宇宙進出の根幹を担う“鉱物”で、これを使う事で超光速な移動も可能になるという。それを掘削するのが“Iマシン”。マシンによってスピード重視、パワー重視、動物型など、それぞれ個性があるのも特徴。一癖も二癖もあるメンバーの中で過ごしながら成長していくマヤの物語だ。

【 終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか? 】

(C) 2017枯野瑛・ue/KADOKAWA/68番島・妖精倉庫

公式サイト：

http://sukasuka-anime.com/

【あらすじ】
　妖精兵器と呼ばれる少女たちと、生き残った準勇者との儚くそして切ない物語。
　地上を正体不明の怪物である“獣”たちに蹂躙され、人間を含む多くの種族が滅ぼされた後の世界。かろうじて生き残った種族は地上を離れ、浮遊大陸群“レグル・エレ”と呼ばれる空飛ぶ群島の上に暮らしていた。
　500年後の空の上で目覚めたヴィレム・クメシュは、守りたかったものを守れず、それどころか自分一人だけが生き残ってしまった絶望から世捨て人のような生活を送っていたが、思いもよらず始めた兵器管理の仕事の中で、ある少女たちと出会う……。
【編集Yの解説】
　原作は、ゲームライターとして活動し、「魔法遣いに大切なこと」の著者でもある枯野瑛。
　主人公は、獣の脅威から世界を救おうと戦ったが、救えず、ただ1人生き残った人間の“準勇者”。彼が出会う少女達は、“妖精兵“と呼ばれ、空に浮かぶ島から戦場へと送り込まれる兵器のような存在だ。そんな彼女達を前に、ヴィレムが自分ができる事を見つけていく物語だ。
　少女のキャラクターが多く登場する作品だけあり、アニメ版ではメインキャストの1人に小学生オーディションで選ばれた小学1年生の女の子を抜擢。他にも多数の小学生を起用するなど、新しい試みにもチャレンジしている。声の演技にも注目だ。

【 ソード・オラトリア 】

(C)大森藤ノ・SBクリエイティブ/ソード・オラトリア製作委員会

公式サイト：

http://danmachi.com/sword_oratoria/

【あらすじ】
　“剣姫”アイズ・ヴァレンシュタイン。
　最強と名高い女剣士は今日も仲間たちと共に、広大な地下迷宮“ダンジョン”へと繰り出していく。
　様々な謎と脅威が襲いかかる深層域で、アイズが風を呼び、迷宮の闇へと一閃を刻む!!　迷宮都市オラリオの地で、それぞれの物語が今、鮮烈に交差する。これは、強さを求め続ける少女と、その眷族の物語。

【編集Yの解説】
　2015年に放送されたアニメ「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」は、英雄に憧れる純朴な少年ベル・クラネルが、女神ヘスティアの眷属となり、冒険者として成長していく物語だった。この作品の中で、ベルが憧れ、想いを寄せていたのが“剣姫”と呼ばれ、圧倒的な強さを持つ少女アイズ・ヴァレンシュタイン。口数や表情が少なく、神秘的な雰囲気をまといながら、意外に天然なところもあるキャラだった。
　そんな彼女を主人公とした外伝的な作品がこの「ソード・オラトリア」だ。「とある魔術の禁書目録」と「とある科学の超電磁砲」のような関係と言えば、イメージしやすいだろうか。
　駆け出し冒険者なベル達と異なり、高レベルでダンジョンのより深い階層で戦うアイズ。同じ世界の物語ながら、視点や立場が異なる事で、より作品の世界を深く楽しめる。ベル達の物語と、時折リンクする部分などにも期待。何のために戦うのか、なぜそんなに強くなれたのか、謎多きアイズという少女の秘密が解き明かされる。

【 アトム ザ・ビギニング 】

(C)手塚プロダクション・ゆうきまさみ・カサハラテツロー・HERO'S/アトム ザ・ビギニング製作委員会

公式サイト：

http://atom-tb.com/

【あらすじ】
　大災害後の日本に、未来を夢見るふたりの天才がいた。ひとりは天馬午太郎。もうひとりはお茶の水博志。天馬はその手で「神」を作り出すことを、お茶の水はその手で「友」を作り出すことを夢見て、日夜ロボット研究に明け暮れていた。
　そしてふたりの友情が生み出した1体のロボット、A106(エーテンシックス)。A106は果たして「神」となるのか「友」となるのか。若き天才コンビは、来るべき未来を垣間見る……。
【編集Yの解説】
　もはや説明不要、手塚治虫が生み出したヒーロー・鉄腕アトム。日本人なら誰もが知るキャラクターだが、アトムがなぜ、どうやって生み出されたのか? は、あまり知られていない。
　その誕生までの物語を、「機動警察パトレイバー」のゆうきまさみと、「RIDEBACK」のカサハラテツローがタッグを組み、まったく新しい構想でコミック化。それを原作としたアニメがこの「アトム ザ・ビギニング」だ。
　アニメ化にあたっては、「踊る大捜査線」や「PSYCHO-PASS サイコパス」の本広克行の下、「モーレツ宇宙海賊」の佐藤竜雄が監督を務め、「BLOOD+」の藤咲淳一がシリーズ構成を担当。豪華なスタッフによるアニメで、“アトムに至る物語”を目撃しよう。