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第670回

OLEDで劇的に画質向上。新MacBook Proと新iPad miniの実機を試してきた

OLEDで画質向上した「新MacBook Pro」

アップルが新しいMacBook Proをはじめとした新製品群を発表した。

ロサンゼルスでは、実機ハンズオンを中心とした体験イベントを開催中だ。現地から実機写真を中心に速報する。

発表はサラッと。イベントの中心はハンズオン

発表会に登壇したジョン・ターナスCEOは、「今日はMacBook Proにとって特別な日だ」と宣言し、新しいMacBook Proを発表した。

アップルのジョン・ターナスCEO

ただし、細かな設計思想や仕様を説明することはなく、基本的な仕様とプロモーションビデオを公開するだけに留めた。本番はあくまでハンズオン、ということなのだろう。

広大なハンズオンエリアには、多数のMacBook Proと、先日発表されたiPad mini、M6版MacBook Pro、M6版iMacが並べられていた。

ハンズオンエリアには、プレス関係者やインフルエンサーが詰めかけた

OLEDの画質が魅力。新MacBook Proのインパクト

まずは、新しいMacBook Proから行こう。正確には、新モデルは「PROLED XDRディスプレイ搭載MacBook Pro」ということになる。既存のモデルも併売される。

新型MacBook Pro・14インチモデル
MacBook Pro・16インチモデル

従来通り、カラーはスペースブラックとシルバー。ディスプレイサイズは14.2インチと16.3インチ。既存モデルは14.2インチと16.2インチなのでちょっとだけサイズが変わったのだが、おおむね従来通りと考えていい。

最大の違いは、ディスプレイがタンデムOLEDを使った「PROLED XDRディスプレイ」になったこと。このディスプレイの明瞭さ・画質はかなりインパクトがある。

OLEDになってディスプレイ品質が大幅に向上
視野角が広く、真横から見ても色がほとんど変わらない
タッチしつつ画質の良さを確認

既存モデルも新モデルも、画面全体の最大輝度は1,000ニトで同じだ。だが最大ピーク輝度で1,600ニトから2,000ニトに変わり、発色傾向が大きく変わった。OLEDになったのでディスプレイパネルも薄くなっている。

その上で、タッチ対応のディスプレイに変わった。今回、一般的に見て最大の話題がここだろう。

新型MacBook Proのディスプレイはタッチ対応

操作自体はタッチパッドやiPadでのものと同じ。2本指・3本指でのタッチジェスチャーにも対応している。

タッチでの操作を動画で

ディスプレイは奥まで倒れてフルフラットになるわけでもなく、本当に、「今までのMacBook Proのディスプレイがタッチになった」という表現になる。

Macはタッチ対応してこなかったため「特別な路線変更」と捉えられがちだが、良くも悪くも、そうした気負い・気概は感じない。もはや当たり前になった機能を当たり前のように搭載した、というイメージだ。

ただし、「あまりに普通」に見える裏では細かいこともやっている。

例えば、タッチパッドやマウスでメニューバーにアクセスした時と、指でメニューバーにアクセスした時では、メニューの幅が変わっている。タッチでは細かい操作がしにくいので、OSの側でコントロールしているわけだ。この点は、触ってみないと分かりづらいかもしれない。

通常のメニュー
画面をタッチ操作した時のメニュー。メニューの幅が変化している点に注目

カメラ部は大きな切り欠き(ノッチ)があるデザインから、iPhoneと同様の「Dynamic Island」になっている。とはいえ、顔認証のFace IDが搭載されたわけでもなく、あくまで「形状を合わせた」感じだ。Dynamic Islandには「ミュージック」や「Siri AI」などの表示が可能で、タイマーを含め、同時に2つのアプリが表示できるという。

ディスプレイ上部のカメラがある部分は「ノッチ」ではなく「Dynamic Island」に
Dynamic Islandは「ミュージック」などで使われる

本体の重量は、14インチが1.6kgから1.38kgになり、16インチが2.14kgから1.82kg(どちらもM5 Proモデル)になって、かなり軽くなっている。サイズ感は変わっていないが、厚みは14インチで5mm、16インチで8mm薄くなっている。

だが、Thunderbolt 5インターフェースやHDMI、SDカードスロットなどは従来通り搭載している。「MacBook Proの伝統を引き継いだ」と言っていいだろう。

本体右面。HDMIとThunderbolt 5、SDXCカードインターフェースがある
本体左面。MagSafe、Thunderbolt 5が2つ、ヘッドフォン端子がある

プロセッサーはM5 ProとM5 Max。メインメモリーは最大128GBまでで、性能面では既存モデルと同様である。この先どうなるかはわからないが、少なくとも現状、高性能系は「M5世代」であり、M6は普及型モデル向け……という位置付けに見える。

もう一つ、会場で大きな歓声が上がっていたのが、背面のアップルロゴの「発光」が戻ってきたことだ。

新設計のMacBook Proの背面にあるアップルロゴは光る
ロゴが光る様子を動画で

最近のMacではロゴに照明が仕込まれることはなかったが、過去のMacBookでは、開いて稼働中にはロゴが照明で光っていた。新MacBook Proは、天板が薄くなったがロゴは光る。

なお、先日発表になったM6版MacBook ProとM6版iMacは、ボディデザインが既存モデルと同じであるため、ロゴが光らない。

M6版MacBook Proのロゴは光沢仕上げ
M6版iMacも同様に光沢仕上げ

iPad miniのOLEDも非常に魅力的

もう一つ、新製品として注目なのが、新しい「iPad mini」だ。こちらの正式名称は、「iPad mini(A20 Pro)」となる。

新しいiPad miniも、OLEDを使った美しいディスプレイが特徴だ。新MacBook Proの「PROLED XDRディスプレイ」も美しいが、iPad miniの方も非常に印象的に感じる。

iPad miniもOLEDに。視野角の影響がほとんどなく、発色も良い
iPad miniの背面
表側のカメラは長い辺の側に移動

サイズ的には幅が2.2mm減り、厚みは0.9mm減っている。差は小さいので比較しないとわからないだろうが、Wi-Fiモデルで38g軽量化しており、こちらは持ってみればすぐわかる。iPhone Duoと同じような重さになったので、どちらを選ぶかはさらに難しくなった感じもしてくる。

特に、今回のハンズオンではMacBook Proを手にもつ機会が多かったためか、iPad miniの軽さがとにかく印象的だった。

価格は高くなったが、このディスプレイはやはり魅力的な存在だ。

サイドにはもうスピーカー穴がない。ディスプレイの下がスピーカーになり、音を伝えるためだ。会場はうるさく、音質を判断できる状態ではないため評価は避けるが、これによってIP67等級の防塵・防水が実現されているという。

本体側面にスピーカー穴はなくなった。IP67等級の防塵・防水に対応
西田 宗千佳

1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に、取材記事と個人向け解説記事を担当。朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞、AERA、週刊東洋経済、週刊現代、GetNavi、モノマガジンなどに寄稿する他、テレビ番組・雑誌などの監修も手がける。 近著に、「生成AIの核心」 (NHK出版新書)、「メタバース×ビジネス革命」( SBクリエイティブ)、「デジタルトランスフォーメーションで何が起きるのか」(講談社)などがある。
 メールマガジン「小寺・西田の『マンデーランチビュッフェ』」を小寺信良氏と共同で配信中。 Xは@mnishi41