ソニーのテレビ事業は、急速に業績を上げつつあるものの、いまだ赤字にあえいでいる。同社にとってテレビ事業の復活は、是が非にも果たせねばならない課題の一つである。 そんな「テレビの黒字化」を託され、この4月1日よりテレビ事業の責任者に就任したのが、業務執行役員 EVP テレビ事業本部 事業本部長の吉岡浩氏だ。吉岡氏は、ソニーエリクソン事業の立ち上げや、ウォークマンをはじめとするオーディオ事業の復活を演出した人物。本連載でも、2度インタビューを行なっている。 テレビ事業でなにをするのか? そして、狙うのはなに? テレビ事業が置かれた現状と、これからの狙いを吉岡氏に聞いた。 ■ テレビ事業復活は「プラットフォーム型組織」構築から始まる -テレビ事業というのは、ソニーの柱です。ですが残念ながら、まだ利益貢献ができていない。現状のソニーのテレビ事業、どう見ていらっしゃいますか? 吉岡:簡単にいうと、改善傾向にあり、どんどん進んでいます、というところです。端的な例でいうと、(年間の販売目標を)昨年度が1,000万台、今年度が1,700万台、というお話をしていますが、4月からを見ると、この予定通り進んでいます。まだ赤字ではありますが、赤字幅は減ってきています。 理由は、昨年に比べて商品導入が少しずつ早くなっており、それに伴って数が少しずつ増えている、ということがあります。販売数は、4月から6月の3カ月で、去年に比べ倍くらいになっています。その効果が大きくて、改善が進んでいます。 ただ、赤字幅はそれなりに大きい。その理由というのは、今年の4月以降も、去年の商品が主力で売られているためです。要するに、商品導入のタイミングですね。これの改善をしなくちゃいけない。国によっては、ほとんど新商品がない状態で戦わねばならない。旧モデルなのでマージンも薄いし、値段も下がっているし、ということです。これを一生懸命改善しようと心がけています。平たく言えば商品の前倒しです。 また、内部の構造改革を一生懸命に進めている最中です。 -構造改革とは? 吉岡:プラットフォーム型の組織をちゃんと作るということです。テレビの構造改革というのは、前任者もちゃんと進めてはいたのですが、まだきれいなプラットフォーム型になっていなくて、途中の段階だったんです。この7月の1日で、事業とか商品を担当する部門をきれいに1つにまとめて、技術を担当する部門を3つにして、それ以外のサポート部門を作りました。 今度、生産オペレーション部門というのを作りました。これは11カ所ある工場全体での生産戦略を担当する部門です。そういった機能がなんとなくあいまいだったのですが、そういう「プラットフォーム型の組織」をちゃんと作っている最中です。 オーディオの時には、1年半くらいかけてプラットフォーム型の組織を作ったんです。今回こちらではそれを、3カ月くらいでやっています。あまり時間がないものですから。 -テレビ事業に吉岡さんが動いてこられるところで期待されていたのは、ソニーエリクソンであるとか、オーディオの時にやってこられた、プラットフォーム型組織の構築手腕を期待して、ということになるんですかね。 吉岡:それは決めた人に聞かないとわからないですね(笑)。ただ、結果的にいうとかなり(以前の部門の問題に)似ています。従来はトリニトロンのブラウン管を作る工場がそれぞれにあって、それぞれの地域で物を作っていた方が良かったんです。その方が効率が良かった。 ですが液晶テレビになりますと、いろんなことがソフトウエアで出来てしまう。また液晶パネルは、どういう数をどれだけ発注して、どういう商品を作るのかということを、個別にやっていてはキリがなくて、ある程度中央コントロールで戦略を練らないといけない。そうすると当然、液晶パネルに付随する電気・ソフトのプラットフォームは、それぞれがやるんじゃなくて、全体戦略でやらないととっても効率が悪い。 これは例えば、携帯電話でもそうで、GSMという規格が決まっていて、価格帯によって多少プラットフォームは違うものの、いかにソフトウエアをリユースするか、というのが最大の課題だったんです。これを、私がソニーエリクソンに赴任した際に整理しました。 テレビにきてみたら、かなり似たような状況だったんですよ。ですから、経験が生きているかといわれれば、その通りかな、とも思います。 -実商品に反映してくるには、どのくらいになりますか? 吉岡:プラットフォームそのものは、LSIをちゃんと作ろうとすると2年かかったりします。その前に、ソフトウエアの統一がある程度できないのか、ということを議論しています。ただその前に、「考え方」を浸透させる、ということを一生懸命やっているんですよ。そちらの方が私としては重要です。 どういう商品を作るのか、ということを議論するのがソニーのカルチャーなんですが、今は、いかに少ない工数でたくさんのものを作って、しかも伸びているマーケットに供給できるか、ということを考えるクセを、みんなにつけている最中です。 そうすると、できるだけ限られたお金でたくさんの商品を作るにはどうしたらいいかを、みんなが考えてくれないと困りますよね。そういう話を一生懸命している最中で、カルチャーを作る方が大切ですね。 -カルチャーを作ることについては、ある程度手応えを感じていらっしゃいますか? 吉岡:ありますね、はい。この考え方が、元々ソニーエンジニアが持っている「いかにユニークなものを作るか」というマインドとは違うところにあるのは事実です。とはいえ、ちゃんと論理的に、ビジネスの構造がこうなっていて、というあたりを解説すると、ちゃんと理解してもらえます。あとは、体がその通り動くかどうか、という話ですね。 ■ 開発姿勢の見直しでコスト構造を改善 -決算の会見では、「これから数を追求していきたい」という話が出ました。ということは、これからはある程度数が出るマーケット、すなわち低価格商品を中心にやっていく、ということになると思います。この点を、口が悪い方は「ソニーが安売り戦略に入る、品質より価格重視になる」と言います。 他方でソニーに期待されているのは、有機ELテレビのような特別なものや、ミドルクラスではあっても他社とは違う価値を持っているもの、ということになるのではないか、と思います。数が見込める低価格商品を重視する、ということと、いわゆる「ソニーらしい」商品を追い求める、ということは、確かに難しい面もあると思います。どう考えますか?
まず、現在はマーケットが非常に伸びています。国別に多少ばらつきは出ていますよ。先進国系がすこしスローになってきて、これからは発展途上国系がガンガンのびてくる。私たちが予測しているところでは、3年後くらいには、先進国系以外が(テレビ事業全体の)50%くらいになると思っています。 サムスンさんがワールドワイドでいうと数が多くて、我々が二番目。できればこれをもう少し追いつきたい。そういう気持ちがありまして、なかでもエントリーの部分をしっかりやっていきたい、ということになると思います。 我々は、元々ソニーがやってきたような作り方は、かなりコストが高い、ということに気付きはじめています。同じ品質を保つのにも、かなり高い作り方をしている、ということがわかっています。 これは、ベンチマークをするとわかるんですよ。 -ベンチマークというのは、パーツ単位でのコストや開発にかかるコストなどを、他社製品と比べてみる、ということですか? 吉岡:はい、その通りです。例えば、我々はパネルを作っていないから、その分が高いんだろう、と思われがちです。 ですが、そうではなくて、パネル以外の部分でも我々がビハインドしている、ということがわかってきています。パネルについては、ジョイントベンチャー戦略で、コスト差がない方向へやっていきます。さらに、我々が弱点としているところを気がついていて、そこに対して改善活動を行なっているんです。そのためにクオリティを落とすつもりはないです。 もうひとつは、お客様がどういった機能をお望みか、ということを、きちんと調べていきたいと思っています。 必要と思われている機能はきちんと入れていきますし、そうでもないものがあるかも知れない。そういうものはとってしまってもいいかもしれません。とる、というと語弊がありますが、正しいコストに持って行く、ということですね。お客様に求められているのはなにか、という調査も、今しっかりやっているところです。 -ビハインドになっていた部分というのはどこですか? 吉岡:いろんなところですね。例えば、社内で話題になるのは「ビス」の数。少し多かった。部品点数もそうですが、基板の数など、我々が改善せねばならないところはたくさん見つかっています。設計の手法がちょっと違うんですよ。携帯電話の場合だと、来年この価格帯にこの商品を投入しましょう、となったとき、1年後にどのくらいの数が出るとこのくらいの採算性があって、といういろんな判断をします。そういう判断をすること自体が、(テレビ事業では)あまりやられていないんじゃないか、という印象を持っています。 これはソニー全体でそうなんですが、「今はちょっとコストが高いけれどがんばろう、1年かけて設計してがんばろう」という話になる。電話の場合、「がんばろう」では済まないのがわかっているので、見合うフィーチャーになっているのか、価格帯に見合うような部品を使っているかどうか、といったことを、かなり精査するんです。その際、部品を変えたり、採算性が合わなかったら商品の投入を止めたりと、いろんな判断をします。もちろん、その判断が当たらないこともあるわけですが……。 ソニーの場合、「いい商品を作ってがんばろう。高いけど売ってがんばれ」という話で終わっている。最初の段階から、「見合うフィーチャーであって、それに必要なコスト」ということを考えるようにしています。 -商品投入のタイミングも、ソニーだけ微妙に違うのは感じていました。現在は、それらの点を是正しているところ、ということですか? 吉岡:私も製品開発をやっていたからわかるんですが、実際に商品投入を前倒しにするというのは、とても大変なことなんですよ。開発までの工程が決まっているのに、どこを短くしたら前倒しにできるんだ、と。卒倒するくらいですよ(笑)。それでも、いろんな競合他社とベンチマークすると、劣っている部分がたくさんあるので、来年に向けては必ず改善していこうと努力しています。それが、来年に向けた大きなところなんですよ。 -それぞれ改善すべき問題というのは、各市場でそれぞれあった、ということでしょうか? 吉岡:アメリカならば、先ほど出てきたようにサムスンとの競合が非常に激しい。日本では、シャープや松下、東芝といったところが競合になります。リージョンにより競合は違うと思いますが、問題点そのものは共通していた、という感じでしょうか。BRAVIAのビジネスは海外が圧倒的に大きく、国内が小さいですから、社員に対しては、「我々のコンペティターで、強いとことはサムスンである。それを意識して設計してくれ」と言っています。 -1,700万台を達成すると、世界一には届きそうなのでしょうか? 吉岡:いやいや。サムスンの去年が1,500万台で、そこからお互いに伸ばしていくことを考えると、まだ届かないでしょう。パネルではジョイントベンチャーをやって仲良くやっているんですけどね(笑)。 -パネルの点について伺います。サムスンとのジョイントベンチャーはうまくいっていて、今後、シャープとの協業の結果も出てくるでしょう。また、立ち上げはこれからですが、有機ELというものもある。どのような形で使い分けようと考えていらっしゃいますか? 吉岡:最終的に確定しているところはありません。ただ一般に、それぞれの世代によってマザーガラスの大きさが決まっていて、都合のいいサイズというのがそこから決まります。そこで、マーケットが必要とする数にあわせ、都合のいいサイズのものを調達する、というのが一番です。 -どこの国に対してどこのパネルを、という単純な話ではない、と? 吉岡:単純ではないですね。コストの問題もありますし、デリバリーの問題もあります。これは、非常に難しい算数なんですよ。各カテゴリーでのデマンドの問題もありますから。-原材料コストは、これからもしばらくあがり続けるでしょう。それに対しテレビという商品は、まだまだ値下げ圧力が強く、値上げが難しい。いかにコスト競争力を維持し続けようと考えていらっしゃいますか? それとも、値上げもやむを得ない、と? 吉岡:(原料コストが)どのくらいあがるかにもよりますが、現時点では、なんとか吸収したいと思っています。というのは、先ほどお話しましたように、他社さんに比べ我々の努力が足りないところがたくさんありますので、そこを改善していく段階で、吸収できると思います。まあとはいえ、程度問題ですけれども。 -ハイエンド機は、特にブランドイメージを作る上では重要です。他社は巨大なパネルを展示したり、特別な機種を作ったりということで、「ハイエンドモデルによるブランド戦略」を大切にしているところがあります。ソニーはここのところ、有機ELテレビ「XEL-1」をのぞくと、あまり派手なことはしていない印象があります。このあたりはどう考えていらっしゃいますか? 吉岡:もう少しだけお待ちください(笑)。今年の後半に出てくる、新しい技術を入れたものをお見せできると思います。しっかりしたものをお見せできるかと……。楽しみにお待ちください。■ 世界を見据えたマーケット戦略を -日本市場をどう見ていらっしゃいますか? 吉岡:今年は好調に推移しています。予定に比べても2、3割増、というところです。特にFシリーズ、壁寄せモデルが好評で、生産数を増やして対応しています。 期待しているのがエコ対策商品。洞爺湖サミットの前には、消費電力89Wの「BRAVIA KDL-32JE1」を発表させていただきました。社内には、過去から消費電力を下げる技術というのをずいぶん蓄積しているんです。(低消費電力を)商品の力としてどれだけ認めていただけるかは、興味深く見守っているところです。
-日本においても低価格戦略というのは、ある程度考えていらっしゃいますか? 2011年7月には、アナログ放送の停波が控えています。ですが、日本の地デジ普及率はまだ4,000万台以下しかない。おそらく、まだ7,000~8,000万台くらいの需要が埋まっている、ということになるでしょう。となると、ある程度低価格戦略を考えざるを得ないと思うのですが。 吉岡:お店を回っていたら、地デジしか対応していないパナソニックさんの商品が売れていました。あれを見て、「困ったな」という印象を持っています。液晶で地デジだけで安い、という商品展開ですよね。そういうものを我々も企画すべきか、迷っているところです。ただ、全体としては日本のマーケットは大きくはないので、適正なリソース配分はしないといけない。適切な力の入れ方を考えなくては、と思います。 -とすると、これから力を入れるところはどこになりますか? アメリカ・ヨーロッパはもちろんですが、やはり中南米やロシア、インド、というところですか? 吉岡:その通りです。まずはラテンアメリカなんですが、専用商品を出しています。オーディオのスピーカーがちゃんと見えて、ウーファーもついているような液晶テレビです。ああいう国民性ですから、みなさんオーディオを非常に重視される。これは特にメキシコで、非常によく売れています。また、インド専用の商品もこれから出します。安い、少しデザインが白黒テレビ的なもので。ほとんどインド専用ですが、他のエリアにも少しだけ流します。インドを狙って作った商品で、そろそろお店に出ます。 ロシア向け、というのはまだ作っていないのですが、この3つのエリアは、これから気をつけていきたいと思っています。 -これらの市場というのは、やはり普及価格帯の商品ですか。 吉岡:そうですね。そういった商品が必要だと思います。デジタル放送もないところでも、薄型のテレビは欲しい、というお客様はかなりいると思いますので、しっかりやっていきたいと思います。-これら低価格帯の商品が中心の国々でも、現在のジョイントベンチャー体制を中心とした液晶パネルを利用するのでしょうか? 価格を考えると、他のサプライヤーも考えますか? 吉岡:難しいところです。サイズによって考えようと思います。さっき言ったマトリクスをちゃんと埋めて、その上で考えていかないといけないので、非常に難しい話なんですよ。大変な多元連立方程式を解かないといけないので。-今は、まさにそれを解いている最中、というところですか。 吉岡:そうですね。来年にかけて、解き終わらないと。■ 有機ELは「新しいマーケット」向け。主力になるには時間が必要 -有機EL戦略についてはどうですか? 他社さんの大型製品に対する報道が相次いでいますが。 吉岡:勉強中です。先日も社内で勉強会を開いていただき、だいぶ知識が蓄積されてきました。2週間後には、工場の視察をすることにしています。私の担当になってから、戦略の構築中とご理解ください。ただ、実際にはかなり時間がかかると思います。大型化して、イールド(歩留まり)を出して、コストも出して、という流れを踏み、ちゃんとした製品を出すにはかなりの時間がかかる、という認識です。 -研究レベルの選別品を少数だけ出荷する、という戦略は採りたくない、ということですか? 吉岡:まあ、XEL-1のような商品を出す、ということはあっていいと思っています。ただ、現在の液晶テレビのような商品は、ものすごい数を出すことを前提に動いている仕事なので、この2つを比較してもあまり意味のない議論かと思います。かたや1,700万台、かたやむちゃむちゃ小さな数の話ですし。お客様も全然違います。(有機ELは)お金持ちで新しいものが好き、という方向けのビジネスです。少なくとも来年や再来年に、有機ELが液晶を浸食する、というようなことはあり得ません。 むしろ、有機ELを使って、どんな新しいマーケットを作っていけるのか、というのが我々のチャレンジ。有機ELで32型や40型がたくさん作れるようになった時が大きなビジネスが出来てくるときです。そのときには、液晶がかなり安い価格になっているでしょうから、やっぱり新しいマーケットを創造していくような使い方をしていかないといけないでしょう。 -液晶が中心、というビジネスモデルは当面変わらない、ということですか。 吉岡:もちろんそうです。私の任期が2年半だとしたら、その間は変わらないんじゃないでしょうか(笑)。このところ、2年半周期で動いているんですよね。スウェーデン(ソニーエリクソン)に2年半、オーディオに2年半、という感じですから。ー最初にやらなければいけないのは、アメリカ市場でサムスンに迫り、いかに抜き去るか、ということだと思います。その上で、これからキーになるのはなんだと考えていらっしゃいますか? ディーラーさんとの関係をどう構築するか、ということが大きなところだろうと思います。ソニーは伝統的に強いんですが、まだまだやることはたくさんありそうな印象です。 -ここ2年くらい、アメリカのテレビ市場のトレンドはサムスンさんがひっぱってきたところがあります。特に、デザイントレンドやサイズのトレンドはそうです。ソニーは数の割に、そこへの影響力が小さい印象がありました。 吉岡:デザイン以外では、サムスンが新しいものを作っている、という印象はないですね。デザインについては、ソニーの今年の商品はワールドワイド的に評価されていまして、特にヨーロッパで出しているWシリーズの評価が高いんです。確かに、一時はサムスンが(デザインに)力を入れた結果、だいぶ引き離された印象がありましたが、回復している、と私は理解しています。 逆に言えば、サムスンはうまいですね。技術的なところではなく、あまりお金をかけないでシェアをとっているところですから。我々もそうできるといいのですが。 ただその辺は、「ソニーらしさ」とは違う部分なので、もうちょっと違うやり方をしたいと思います。 -ユーザーの方が求めているのは、XEL-1に代表される「ソニーらしい商品」です。ソニーらしさをテレビ事業で打ち出していくにはどうすればいいと考えていらっしゃいますか?オーディオの時代には、ある程度立て直しが終わった段階で、Rollyのような「ソニーらしい」製品が出てきた印象ですが。 吉岡:ソニーらしさとはなにか、からきちんと始めたいと思います。ソニーのエンジニアが「これがソニーらしい」と思っていることと、お客様が「これがソニーらしい」と思っていることが、相当ずれてきている、という認識に立ちつつあります。 ソニーの商品を買っていただけるお客様がどこにいて、そのお客様がなにに価値を求めていらっしゃって、そこに正しい商品を提供できているかどうか、ということをしっかりとリサーチしたいと思います。正直、そこがかなりずれていると思うんです。 ここが、ソニーの伝統でひとりよがりになりがちで。作るだけ作って「どうだみたか」と。オーディオの時もけっこうやりましたけどね。テレビでもそういう感じを受けるので、かなりスタディを続けています。 最初にも言ったカスタマーのセグメンテーションをしっかりやる、という部分に似ていると思います。ここをつかめば、余分な機能は作らず、必要なものをちゃんと作る、という形にできると思います。 □ソニーのホームページ (2008年8月12日)
[Reported by 西田宗千佳]
AV Watch編集部 |
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